2006年12月26日火曜日

45(286) 空間の謎・時間の謎: 2006.12.26

内井惣七著「空間の謎・時間の謎」
(ISBN4-12-101829-X C1210)
を読んだ。
難解であるが面白い。
ライプニッツとニュートン(代弁者)の論争から
科学の本質を見出し、
それを追うことからはじまる。
科学史ではなく科学哲学である。
しかし、科学史の哲学的解釈であるような気がする。
つまりよくある哲学だが、
本当の哲学ではないような気がする。
それは、ニュートン、ライプニッツ、アインシュタイン
などの物理学の大物が提示した理論に
基づいているのからなのだろうか。
著者が生み出したのは
素材を加工して生み出した料理、
つまり解釈のような気がする。
だが、非常に重要なアプローチのような気がする。
誰も手にしていない素材を用いて
人の考えではなく、自分自身の考え方で
このようなや展開をすれば、
より哲学的なものになるような気がする。
私のとるべき道はこれなのかもしれない。

44(285) 天の瞳 少年編II: 2006.12.26

灰谷健次郎著「天の瞳 少年編II」
(ISBN4-04-873159-9 C0093)
を読んだ。
主人公林太郎が中学校1年生のときの話である。
どこにでもいそうな教師、校長などの
生徒を規則で締め付ける教師と
それに抵抗する主人公とその仲間の話題である。
主人公のような正論による抵抗者は、
現時の学校では少数派ではないか。
ほかの抵抗者は不良と呼ばれるものたちである。
主人公たちは、不良とも戦わなければならない。
本当に自然に生きるとは、
自分の正しいと思うとおりに生きるとは
これほど大変なのかと思う状況での話である。

2006年12月14日木曜日

43(284) 天の瞳 少年編I: 2006.12.14

灰谷健次郎著「天の瞳 少年編I」
(ISBN4-04-873100-9 C0093)
を読んだ。
最近寝る前にはこのシリーズを読んでいる。
この巻は、主人公が小学校5年生の時の話で
構成されている。
少々ませているようだが、
子供と教師、子供と親、子供の間の関係、
いずれも考えさせされるエピソードばかり
取り上げられている。
なかなか参考になる。

2006年12月6日水曜日

42(283),41(282) 天の瞳 幼年編: 2006.12.06

灰谷健次郎著「天の瞳 幼年編1、2」
(ISBN4048730967)
(ISBN4048730975)
を読んだ。
先日、灰谷健次郎の訃報をニュースで知った。
小学校教員養成の学科に配属され、
教員と子供のあり方について考えるようになってきた。
そんなとき以前読んだ
灰谷健次郎の一連の著作が気になり、
図書館で借り出して読み始めた。
面白いのは確かだが、
描かれる子供と大人、子供と親、子供と教師
の関係で、どれがいいのか、どこが悪いか、
考えさせられることが多い。
そして授業の一こまが描かれているが
定常的な授業でそのようなやり方をしていたのでは、
授業予定がこなせないないのではないか、
というような現実的な問題を想起してしまう。
しかし、それも考慮して子供との
より関係を考えていく必要があるのだろう。

2006年11月28日火曜日

40(281) 月のきほん: 2006.11.28

白尾元理著「月のきほん」
(ISBN4-416-20612-6 C0044)
を読んだ。
白尾氏の月に関する本だ。
月については、科学的なデータ集はもっていたので
不自由は感じなかったが、
この本を読んで、まさに月の基本がわかった。
天文写真のプロといっても良い白尾氏が
あえてイラストで説明をしたのは、
そのほうが分かりやすいからである。
この本は子供から大人まで、
分かりやすさにこだわって作成されたものである。
私にも面白く分かりやすい内容であった。
いくつか誤植もあったが、それはあとがきにあったように
急いで書いたせいかもしれない。
しかし、それはささやかのことである。
この本はいい。

2006年11月21日火曜日

39(280) 絶滅古生物学: 2006.11.21

平野弘道著「絶滅古生物学」
(ISBN4-00-006273-5 C0044)
を読んだ。
古生物学を絶滅という視点で捉えたものである。
著者の主張はよくわかる。
地球の歴史を解明するためには、
古生物学的情報は不可欠である。
それはあまりに記載的である。
現在の科学の進歩や方向性からは
なかなか古生物学の研究が評価されないのは
学問の性格上仕方がないような気がする。
もっとのびのびと学問できる環境が必要だ。
このような学問は博物館のようなところで
もっと主力を移してやるべき分野のような気がする。
そして、子供や市民に古生物学の面白さを
伝えていくべきであろう。
研究者養成は、大学の地質学や生物学を専攻したものが、
博物館で専門の訓練を受けながら
行うのが理想的ではないだろうか。

38(279) 島物語I: 2006.11.21

灰谷健次郎著「島物語I」
(ISBN4-04-352025-5 C0193)
を読んだ。
以前にも読んだ記憶があるのだが、
新入生用の推薦図書の候補として、再度読んだ。
面白くいろいろ考えさせられる内容であった。
現実にこのようなことが
可能なのだろうか疑問に思うこともある。
しかし、これは小説なのだ。
伝えたいことがあっての虚構である。
著者の伝えたいことについて考えをめぐらすべきであろう。

2006年11月15日水曜日

37(278) 砂場の少年: 2006.11.15

灰谷健次郎著「砂場の少年」
(ISBN4-04-352024-7 C0193)
を読んだ。
35歳の臨時採用の中学校教師が
「札付き」のクラスを担当させられる。
しかし、教師と生徒が理解しあうことで
より深い教育について考えていくものである。
小説である。
最近急遽小説をいくつか読み出した。
新入生に入学前のガイダンスとして、
書籍を指定し、感想を書くというものがある。
そのための素材探しである。
灰谷健次郎は以前結構読んでいた。
今ではほとんど忘れている。
しかし、教育を扱った内容が多いので、
今後も読み進めていこうと考えている。

36(277) 眼の誕生: 2006.11.15

アンドリュー・パーカー著「眼の誕生」
(ISBN4-7942-1478-2 C0040)
を読んだ。
カンブリアの大爆発とよばれる生物の飛躍的進化が
光を感じる眼の進化によるものであるという説が
展開されている。
「光スイッチ」と呼ばれるものである。
当たり前のように見える説であるが、
今までだれも真剣に唱えてこなかったものである。
当たり前に見える説であるから、
非常に多くの面から論じられている。
なかなか面白い説だと思う。
しかし、古生物の進化を考えるときいつも
仮説と真実について考えてしまう。
進化とはあくまでも説にすぎない。
人間の自然の見方といってもいい。
だから進化を支配する要因を考えるのは、
もっと実証困難となる。
現在の生物の環境への適応や小進化ですら、
現象は捉えることができても、
その本当の原因は完全にはわからない。
説をつくっても、それが唯一の解であり、
真実だという証明ができないからだ。
古生物の進化とは過去のできごとである。
だから、論理として一番もっともらしいものが
もっとも真理に近いと考えざる得ない。
そんな当たり前のことであるが、
有力な説が真理だと間違って伝わることには
注意が必要だ。
そんなことを考えた。

2006年10月21日土曜日

35(276) 松井教授の東大駒場講義録: 2006.10.21

松井孝典著「松井教授の東大駒場講義録」
(ISBN4-08-720321-2 C0244)
を読んだ。
やはり私の考えに通じるものがある。
まるで私の考えをWEBで見ているのかと思うほど
似ている内容がいくつもあった。
科学的な知識の最新情報では、
もちろん彼は専門家でもあり、
学生や院生がたくさんいるであろうから、
太刀打ちする気はない。
しかし、本質的な思想部分では
私自身がいろいろリジナリティを
持っているつもりであるが、
その点が似ているのが気になる。
もちろん私しかない部分もあるが、
やはい似ている点があると気になる。
そのオリジナリティや優先権を守るには、
はやり書くことである。
少しでもはやく公開してその記録を残しておくことである。
この本を読んでそう感じた。

2006年10月3日火曜日

34(275) シーケンス層序と水中火山岩類: 2006.10.03

保柳康一・松田博貴・山岸宏光著
「シーケンス層序と水中火山岩類」
(ISBN4-320-04684-6 C3344)
を読んだ。
フィールドジオロジーという専門書の4巻である。
地層の解析が進んでいることがわかった。
しかし、地域の詳細に入っているような気がする。
もっと次元の大きなものへとなるには、
広域的なデータがもっと集まらないとダメなのかもしれない。
そうなれば、これらのシーケンス層序学も
もっと大きな地球の環境変動へと話がつながり、
学際的広がりを見せるであろう。
しかし、その前にはやはり詳細な記載を
積み重ねていく必要があるのだろう。

33(274) 地球の内部で何が起こっているのか? 2006.10.03

平朝彦・徐垣・末広潔・木下肇著
「地球の内部で何が起こっているのか?」
(ISBN4-334-03314-8 C0244)
を読んだ。
2005年7月に竣工した地球深部探査船「ちきゅう」に
まつわる研究課題や内容の紹介である。
こんな巨大研究はまるでバブルの頃の研究だが、
これからが勝負である。
日本はこのような巨大研究にお金をつぎ込んでいる。
カミオカンデ、スーパーカミオカンデ、Spling8、
地球シミュレーター、天体望遠鏡すばる、やはぶさ
などなど、それぞれが成果を挙げてきている。
今度が「ちきゅう」である。
「ちきゅう」の中心メンバーが紹介している本である。
一読の価値がある。

2006年9月10日日曜日

32(273) 人類は絶滅する: 2006.09.10

マイケル・ボウルター著「人類は絶滅する」
(ISBN4-02-250069-7 C0045)
を読んだ。
生物進化のパターンを化石データベースから
解き明かそうという試みである。
そのとき用いた考え方は、冪乗則である。
冪乗則の考えで生物進化のパターンを解明して、
そこから未来予測をしようという考えである。
最近の生物絶滅のパターンは、急激で
これは、冪乗則の巨大雪崩が
起きているのではないかというのである。
その原因が人類ではないかというのである。
筋は通っているが少々根拠が薄いように感じる。
しかし、この冪乗則を生物進化に当てはめられるというのは
誰もが感じていたことを方程式で示したことに意味があると思う。

2006年9月8日金曜日

31(272) 気候変動+2℃: 2006.09.08

山本良一責任編集「気候変動+2℃」
(ISBN4-478-87108-6 C0033)
を読んだ。
時代ごとに気候変動に関する情報が
整理されているので分かりやすかった。
温暖化反対論者の伊藤氏も書いているし、
地球シミュレータの計算結果も大々的に使われているので
なかなか面白いものとなっている。
そしてシミュレータ側の人間は
これはあくまでもある前提ある理論に基づいた
ひとつの計算結果であることを強調している。
どうしてもその結果だけが、一人歩きしている
それが怖いところである。
そんなことを考えた。

30(271) 堆積物と堆積岩: 2006.09.08

保柳康一他著「堆積物と堆積岩」
(ISBN4-320-04683-8 C3344)
を読んだ。
出かけている間に読んだ本だ。
堆積学の基礎に関する本だが、
最近専門が違っているので
このような本を読んでいなかった。
当たり前のことだが、進歩している。
堆積物に対する考え方が深まっている。
個別の地域史から、一般論へ。
一般論から地域史へという循環が繰り返されている。
そんなことをしばらく見ていなかったので、
なかなか勉強になった。
そして著者が同級生でもあるので、
感慨ひとしおである。

2006年8月30日水曜日

29(270) ホーキング虚時間の宇宙: 2006.08.30

竹内薫著「ホーキング虚時間の宇宙」
(ISBN4-06-257487-x C0242)
を読んだ。
ホーキング理論についての説明が
分かりやすく書かれている。
特に虚時間の導入の数学的意味がよく分かった。
また、ホーキングの語録や
研究者と行ったいろいろな賭けも紹介されている。
いつもの竹内の本と同じで分かりやすかった。
しかし、物理学の先端が
まだ十分解明されていないことが
この本からもわかった。

2006年8月27日日曜日

28(269) ココロにのこる科学のおなはし: 2006.08.27

丸山茂徳著「ココロにのこる科学のおなはし」
(ISBN4-410-13830-8 C0040)
を読んだ。
久しぶりの丸山氏の本が子供向けのこのような本でった。
驚きもあったが、こんなこともあるのかという気もした。
でも、丸山さんらしくはしょって説明不足、
最新過ぎて定着していない情報などがちりばめられている。
本当はもう少し練るべきなのだろうが、
丸山さんだからこれも出いいような気もする。
うちの子供にも読ませてみようと思う。

27(268) 続見える学力、見えない学力: 2006.08.27

岸本裕史著「続見える学力、見えない学力」
(ISBN4-272-41134-9 C0037)
を読んだ。
前著の続編である。
前著が20年前のものであるから、
どのような変化があるかが述べられているが、
それが教育の悪化の話ばかりである。
これでは読んでいても面白くなり。
いろいろな提案をなされている。
しかし、それは他の書でも示されている内容である。
もしかしたらこの内容は20年前だから先見性があったが、
現状では言い古されている内容なのかもしれない。

26(267) 改訂版見える学力、見えない学力: 2006.08.27

岸本裕史著「改訂版見える学力、見えない学力」
(ISBN4-272-88461-1 C0137)
を読んだ。
基礎学力として読み書き計算の
重要性を訴えたものである。
文部省批判が各所にあるが、
批判ばかりではものどとは進まない。
与えられた現状でベストを尽くすことが、
現在の教育の重要なところであろう。
その上での教育論となる。

2006年7月15日土曜日

25(266) 養老孟司のデジタル昆虫図鑑: 2006.07.15

養老孟司著「養老孟司のデジタル昆虫図鑑」
(ISBN4-8222-4527-6 C0095)
を読んだ。
山根一真氏に教えてもらった方法によるもである。
昆虫のデジタル画像を、スキャナーでとることである。
レンズが動くき被写体深度が深いために、
立体的にとれるのである。
スキャナーの性能がいいので、
非常に高精度のデジタル画像が得られるというものである。
エプソンの広告として雑誌に連載されたものである。
この方法は有効である。
私も早速岩石で挑戦したが、
大きすぎてだめであった。
しかし、平面ととるにはこれで十分である。

24(265) 栗林慧の昆虫ワンダーランド 2006.07.15

栗林慧著「栗林慧の昆虫ワンダーランド」
(ISBN4-02-350116-6 C0845)
を読んだ。
DVDがついていて高い本であるが、
私が知りたいのはカメラの解像方法についてであるが、
それについての詳細は、書かれていていない。
たぶん非常に困難なことだからであろう。
私はそこまではする気はないが、
手軽なものであればやってみる気はある。

2006年7月8日土曜日

23(264) ドーキンスVS.グールド: 2006.07.08

キム・ステルレルニー著「ドーキンスVS.グールド」
(ISBN4-280-08878-4 C0145)
を読んだ。
グールドしか読んでいなかったが、
ドーキンスの著作も興味が出てきた。
そしてグールドの著書も興味本位で読んでいたので、
生物学の姿勢や思想と、他の考え方との対比で読んでいなった。
だからこの本は非常に新鮮で面白く感じた。

22(263) ダイヤモンドの科学: 2006.07.08

松原聡著「ダイヤモンドの科学」
(ISBN4-06-257517-5 C0240)
を読んだ。
ダイヤモンドに関する各種の情報が書かれたいた。
以前科学博物館で行われたダイヤモンド展が動機なのかもしれない。
類書がいくつかあったが、
鉱物学的な内容とダイヤモンドに関する歴史も同時に書かれているので、
それなりに面白かった。

21(262) 新鉱物発見物語: 2006.07.08

松原聡著「新鉱物発見物語」
(ISBN4-00-007455-5 C0344)
を読んだ。
松原氏が、自分の発見した新鉱物にまつわるエピソードを
紹介したものである。
読み物として面白かった。

20(261) 「複雑ネットワーク」とは何か: 2006.07.08

益田直紀・今野紀雄著「「複雑ネットワーク」とは何か」
(ISBN4-06-257511-6 C0240)
を読んだ。
ネットワークのタイプと
各種の応用例を知ることができた。
しかし、この本自体は一般書でいろいろ紹介するのが
目的だからいいのだが、
著者の情報科学理論に対するオリジナリティは感じられなかった。

19(260) スモール ワールド: 2006.07.08

ダンカン・ワッツ著「スモール ワールド」
(ISBN4-501-54070-2 C3004)
を以前読みかけたが、
難解なので途中で挫折した。
しかし、何か重要なことを言おうとしていることはわかったので
別の入門書を読むことにした。

2006年6月6日火曜日

18(259) 生命の起源: 2006.06.06

パリティ編集委員会編「生命の起源」
(ISBN4-621-07383-4 C3342)
を読んだ。
雑誌パリティに掲載された生命起源に関する
論文集である。
少々古い内容が多かった。
また、あまりにも些細なことを
問題にしているように見えるものある。
これは、専門家間での議論ではいいが、
一般向けの本ではあまり紹介するないようではない。
もう少し分かりやすいもの。
もう少し一般的なもの。
もう少し面白いものを掲載すべきだと感じた。

2006年5月20日土曜日

17(258) 誰も読まなかったコペルニクス: 2006.05.20

オーウェン・ギンガリッチ著「誰も読まなかったコペルニクス」
(ISBN4-15-208673-4 C0040)
を読んだ。
コペルニクスの書いた「回転について」という本が
本当に誰も読まなかったのか、
ということについて、
現存する初版、第2版600冊を訪ね歩きながら、
その本に書き込まれたメモから
読まれていたことを示した書誌学的本であった。
半分ほど読んだが、
疲れてやめてしまった。
あまりに書誌学的で私には興味がないからである。

16(257) 震災列島: 2006.05.20

石黒耀著「震災列島」
(ISBN4-06-212608-7 C0093)
を読んだ。
少々設定に無理あるような気がする。
それは、地震の予知がそこまで進んでない点であろう。
しかし、小説であるから、
ある程度事実や学問的な無理を承知で
書かれているのであろう。
これは前作の「死都日本」でもあった点である。
それでも前作に比べて、
見劣りがするのは、なぜだろうか。
理由がわからないがそんな気がする。

2006年5月18日木曜日

15(256) 最新地球史がよくわかる本 2006.05.18

川上紳一・東條文治著「最新地球史がよくわかる本」
(ISBN4-7980-1260-2 C0040)
を読んだ。
表題どおりの最新ではないが、私にとっては、
いろいろ参考になることも書いてあった。
当たらし分野を切り開く必要がある
という主張が最後にされていた。
同感である。
私は本当に新しい分野を切り開いているだろうか。
それを目指して努力はしている。
それが成果となるかどうかはわからない。
でも、大変だけれども、
私とっては興味があり、やりがいのあることである。
そんなことを考えさせられた。

2006年5月17日水曜日

14(255) 科学と非科学の間:2006.05.17

安斎育郎著「科学と非科学の間」
(ISBN4-480-03753-5 C0111)
を読んだ。
科学の成果を知っていながら、
非科学的なことを信じる人が多くいる。
その原因、その対処などが書かれている。
なかなか面白い本であった。

2006年4月17日月曜日

13(254) 恐怖の存在: 2006.04.17

マイクル・クライトン著「恐怖の存在」上・下
(ISBN4-15-208668-8 C0097)
(ISBN4-15-208669-6 C0097)
を読んだ。
地球温暖化に関する問題を
正面から指摘したものだ。
地球温暖化では、私も常々同じことを考えていた。
しかし、この本はそれを有名作家が
小説という書き方で示したのである。
面白かった。
少し前、日本の捕鯨が世界から批判を浴びた。
その批判には科学的根拠がないことを
日本人は指摘してきたはずだ。
長年の国際世論と捕鯨の禁止で
今や日本の鯨文化は廃れた。
そして人手の加わらないクジラによる
生態系の改変が起こっている。
そしてまたもや京都議定書である。
メディアや行政、国際政治に
大衆は踊らされているような気がする。
それを冷静に考えるのが科学であるはずだ。
しかし、研究費という研究者の動機を
支配する存在の意図を、研究者が感じ、
それに迎合する研究テーマがまかり通る。
そんな悪循環をまたもや
繰り返しているような気がする。
考えさせられた本であった。

2006年4月5日水曜日

12(253) ワトスン君、これは事件だ!: 2006.04.05

コリン・ブルース著「ワトスン君、これは事件だ!」
(ISBN404-289401-1 C0197)
を読んだ。
これは、カバンの中に掘り込んでおいた、
文庫本で1年近くかけてやっと読んだことになる。
近代物理学が解明した不思議な現象を、
シャーロックホームとワトスンの時代背景で、
事件として登場させ、科学的解明しているという
筋だてで、さまざまな内容の事件が紹介されている。
科学の紹介の一つのあり方を示したが、
科学的内容自体が非常に難しいものなので
理解することが難しい部分もあった。

2006年4月4日火曜日

11(252) 陰山メソッド英語への挑戦: 2006.04.04

藤井弘之著「陰山メソッド英語への挑戦」
(ISBN4-09-837369-6 C0037)
を読んだ。
小学校での英語教科の導入とその実践である。
小学校での英語の教育をどのように導入して、
どうして成果を出していたかを紹介したものである。
陰山英男のいる広島県尾道の土堂小学校での
実践である。
なかなか面白かった。
しかし、これは教育現場での取り組みに
任せるものであろう。
小学校での導入には指導者養成や、
教材、教授システムなどあまりに未知数が多い。
それをどのようにして完成していくのか。
まだ長い時間がかかりそうである。

2006年4月3日月曜日

10(251) 羅針盤の謎: 2006.04.03

アミール・D・アクゼル著「羅針盤の謎」
(ISBN4-04-089173-0 C0098)
を読んだ。
アクゼルは数学の著書は非常に面白かった。
しかし、今回のこの本はあまり面白くなかった。
自分の生い立ちのまつわる
羅針盤に関する探求ものであったが、
やはり本業の数学の方がおもしろい。
残念である。

2006年3月27日月曜日

9(250) 地震のすべてがわかる本: 2006.03.27

土井恵治監修「地震のすべてがわかる本」
(ISBN4-415-02590-0 C2040)
を読んだ。
一般的な内容で、あまり詳しいことがなく、
直接の参考になることはあまりなかった。
しかし、網羅的なので手元においておこう。

2006年3月25日土曜日

8(249) 音読と計算で子供の脳は育つ: 2006.03.25

川島隆太・川島英子著「音読と計算で子供の脳は育つ」
(ISBN4-576-03079-5 C0077)
を読んだ。
脳科学で有名な川島氏の自分の4人の子供の
子育てについての話である。
脳科学以外の部分については、
普通の親としての子育ての話である。
川島氏だからこのような本が出るのである。
まあしかし、医者で脳科学者であっても
普通の親であるということだ。

7(248) なぜ貝の化石が山頂に?: 2006.03.25

アラン・カトラー著「なぜ貝の化石が山頂に?」
(ISBN4-86029-116-6 C0044)
を読んだ。
地質学の先達として地層累重の法則や
面角一定の法則などを発見した。
そしてなにより、聖書職者でありながら
最終的に聖書に書かれた
激変説を否定する理論の礎をつくったのである。
彼の地質学の業績というべき
「固体について」を見たくなった。
しかし、これは、かれの「固体論」のための
概略であるという。
それを見たかったが、彼はそれを完成させずに、
聖職者となって一生を終える。
幸い「固体について」は
ステノ研究者の山田俊弘氏の「プロドロモス固体論」が
日本語訳としてあるのでそれを手に入れよう。

2006年3月6日月曜日

6(247) 絶滅のクレーター: 2006.03.06

ウォルター・アルヴァレズ著「絶滅のクレーター」
(ISBN4-7948-0333-8 C0044)
を読んだ。
K-T境界の隕石説を父のルイスと共に
唱えた地質学者である。
地質学者として、隕石説にいたる考えの
変遷を述べたものである。
偉大な父とうまく協調した研究をした。
10年以上に及び学界での激しい議論。
その矢面に父は立ち、そして成果を上げながら
それを楽しんでいた。
慎重で、着実で、地質学を愛する息子が
どう考えていたのかがあまり表に現れなかった。
そしてこの本を発見して、
息子の考え方が少し見えてきた。
慎重で控えめで他の人を配慮する地質学者であった。
そして、自分の考えで研究を進めていた。
父の一般書「恐竜はなぜ絶滅した」を読んで、
隕石説の集大成ともいうべき
「白亜紀に夜が来る」を読んだ。
その間の人間ドラマを
中心人物の地質学者が埋めてくれる本であった。
内容、構成にいろいろ不満はあるが、
この本の重要性は損なわれない。
重要な本である。

2006年2月28日火曜日

5(246) ダイヤモンド号で行く地底旅行: 2006.02.28

入舩徹男著「ダイヤモンド号で行く地底旅行」
(ISDN-4-406-03215-0 C0044)
を読んだ。
入船氏は大学の先輩である。
この本は一般向けに書かれた本である。
しかし、彼のかかわった研究の内容が
紹介されているので、その部分が興味深かった。
いくつか設定に無理があるとこもあるが、
分かりやすい書き方がされていた。
しかし、彼のやっているの研究や装置について
もう少し知りたい、もう少し情報が欲しい点が
いくつもあった点が悔やまれる。
しかし、地球内部について紹介する
一般向き書籍はほとんどないから希少価値がある。
それになんといっても先端の研究が
紹介されている点が興味深い。

2006年2月14日火曜日

4(245) 超火山[槍・穂高]: 2006.02.14

原山智・山本明著「超火山[槍・穂高]」
(ISBN4-635-20101-5 C0044)
を読んだ。
面白い指向の本だ。
地質学者としては内容が面白い。
しかし、探偵もののする必要なく、
コンビの会話だけで進めてもよかった。
登山家たちは、
なじみのある山の生い立ちを知るのに有効かもしれない。
しかし、あまりにも地質よりの話しすぎるのではないか。
市民は、探偵もの仕立てで、読みやすいかもしれない。
しかし、やはりあまり知らない山、
そこでの大地の生い立ちは
なかなかぴんと来ないものがあるかもしれない。
いずれにしても、面白い本ではある。

3(244) 欠点を長所にすると学力はグーンと伸びる: 2006.02.14

陰山英男著「欠点を長所にすると学力はグーンと伸びる」
(ISBN4-09-345367-5 C0095)
を読んだ。
毎回主張は似たようなことである。
しかし、何かしらその実践や方法論には進歩がある。
この弛みない努力が重要なのだろう。
私もこのような努力を見習わなくてはならない。

2006年1月23日月曜日

2(243) 脳と音読: 2006.01.23

川島隆太・安達忠夫著「脳と音読」
(ISBN4-06-149716-2 C0280)
を読んだ。
脳科学者とドイツ文学者のメールのやり取りによる
教育に関する話題である。
いずれの著者も子供の教育に音読が
必要であると唱える研究者である。
そしてそれを実践している。
私もその必要を一連の書物で理解できてきた。
なかなか音読は大変である。
でも、子供の興味をそがないように
音読を進めていくことが大切であろう。
そんなことを再確認した。

1(242) 時の誕生、宇宙の誕生 2006.01.23

ション・グリビン著「時の誕生、宇宙の誕生」
(ISBN4-883135-840-5 C0040)
を読んだ。
宇宙におけるハッブル定数を求める研究の紹介である。
しかし、もう少しあとに書かれて欲しい本であった。
現在ではもっと精度良くハッブル定数が決められているし、
宇宙のはじまりだけでなく、
端や広がり初期の様子についてもわかりつつある。
現在は宇宙の状態に関する研究が
劇的に進んでいる時期のような気がする。
そんな時の解説が欲しかった。