2008年1月26日土曜日

7(374) 峰雲へ:2008.01.26

阿部夏丸著「峰雲へ」
(ISBN4-09-366451-X C0093)
を読んだ。
川を愛する子供たちが登場する小説だ。
著者がすごした川の情景を舞台にしている。
なかなか心に沁みる話であった。

2008年1月24日木曜日

6(373) 釣り上げては:2008.01.24

アーサー・ビナード著「釣り上げては」
(ISBN4-7837-1200-X C0092)
を読んだ。
詩集である。
詩集など読むのは何年ぶりだろうか。
実は調査のアーサー氏の対談を
聞いたことが発端である。
彼にとっての詩と何かという話が、
非常にわかりやすく説明されていた。
それでいて日本的な比喩や生活観を漂わせた
語り口から説明される詩が非常にわかりやすかった。
日本人の詩人から、このようなわかりやすい説明を
聞いたことがなかったので、
非常に新鮮に感じた。
彼は日本に来て、日本で生活して
日本語を覚えて、日本語で詩作を始めた。
最初の詩集がこの本である。
久しぶりに詩に触れたせいだろうか、
それとも彼の詩がいいのだろうか。
心にしみる何かを感じた。

2008年1月21日月曜日

5(372) カワウソがいる:2008.01.21

阿部夏丸著「カワウソがいる」
(ISBN4-591-08231-8 C8093)
を読んだ。
四国の川を舞台にした川ガキとカワウソ、
そして大人の物語である。
この小説は私の少年時代の川遊びと通じるものがある。
だから私には理解でき、ノスタルジーのようなものがあり
共感できる。
でも私の子供にこのような感覚がわかるだろうか。
なかなか難しい気がする。
川で遊ぶ楽しさ。
川で味わうスリル。
川の豊かさ。
川の爽快感。
川の危険。
そんなものを味わう環境や
機会が、今では失われつつある。
そんな気持ちを味あわせてやりたい。
彼の小説を読むといつもそう思う。

2008年1月15日火曜日

4(371) 生物と無生物のあいだ:2008.01.15

福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
(ISBN978-4-06-149891-4 C0245)
を読んだ。
生物の本質について
文学的な書き方がなされている。
独特の書き方である。
しかし、不思議な魅力がある。
彼の主張はジグソーパズルを埋める
動的平衡であるが、
それは人智の及ばない生命の神秘が
あるということである。
あまり科学史の表にでてこないが
重要な研究をなした研究者に
スポットを当てた話題がいくつかある。
そして彼らと著者の
かかわりがあることも知らされる。
面白い本であるが、
話題がとびとびになっているので
少々違和感があった。
最後に、月刊誌の連載が初出であることから
その違和感の原因であった。

2008年1月13日日曜日

3(370) 贋作遊戯:2008.01.13

赤木毅著「贋作遊戯」
(ISBN978-4-334-74337-6 C0193)
を読んだ。
詐欺師同士の詐欺を競い合う小説である。
昭和初期の雰囲気を舞台にしたものだが、
文体もそのころを意識して
独特の雰囲気をかもしだしている。
なかなか面白い小説である。

2008年1月9日水曜日

2(369) 戦う物理学者!:2008.01.09

竹内薫著「戦う物理学者!」
(ISBN978-4-534-04265-1 C0042)
を読んだ。
これは、もともとミニ講義をもとした本である。
そために、話した内容からの文章なので、
厳密でない表現がいろいろ見当たった。
しかし、言わんとしている内容は理解できる。
対照的な物理学者を登場させ、
その業績や考え方に触れていくものである。
なかなか興味深いものであった。

2008年1月2日水曜日

1(368) フェイク:2008.01.02

楡周平著「フェイク」
(ISBN4-04-873524-1 C0093)
を読んだ。
年末から読み出した本だ。
銀座のボーイが金に絡む
いろいろな事件に巻き込まれて
金に関してのある意識を持つ話である。
その事件が詐欺や人との関係など
人間模様をかもし出す。
しかし、少々なにか弱い気がする。
それでも面白い小説である。