2008年11月28日金曜日

79(446) 地球温暖化対策が日本を滅ぼす: 2008.11.28

丸山茂徳著「地球温暖化対策が日本を滅ぼす」
(ISBN978-4-569-70122-6 C0030)
を読んだ。
丸山氏は最近温暖化問題について本を
次々と書いている。
寒冷化のデータはほぼ同じである。
一つのことを人に知らしめるためには、
何度もしつこく述べ続けるしかないのだろう。
だから、今回も論調はいつもの通りである。
私も温暖化懐疑派なのだが、
それは、温暖化の根拠に信頼性を感じないからである。
多くの地質学者が同様の感じを持っているはずだ。
それを公言しない人が多い。
それは、環境問題が学際的な分野で、
一分野での反論がしづらいことだからだ。
それをする最適な地質学者として
丸山氏は最適ではある。
しかし、彼が全責任を負うのは本当にいいのだろうか。
それを感じてしまう。

2008年11月25日火曜日

78(445) 0.1ミリのタイムマシン: 2008.11.25

須藤斎著「0.1ミリのタイムマシン」
(ISBN978-4-7743-1436-5 C8044)
を読んだ。
珪藻化石の若手研究者が
子供受けに書いた研究紹介の本である。
なかなか面白い本である。
研究成果の紹介を
もう少し詳しくして欲しい気がした。
しかし、研究者として言うなら、
テーマを変更していい局面があったのだが、
やればよかったのにと思えることがあった。
あるいは研究成果をもっといろいろに
展開すればいいのにと思えた。
研究者が一生懸命取り組んでいる姿を示せる
おもしろい本であった。

2008年11月24日月曜日

77(444) できそこないの男たち: 2008.11.24

福岡伸一著「できそこないの男たち」
(ISBN978-4-334-03474-0C0245)
を読んだ。
大ベストセラー「生物と無生物のあいだ」
の次の著作である。
オスの誕生の話である。
なかなか面白い本である。
文学的な書き方に魅力がある。
しかし、いくつか文脈を逸脱した話が
終盤にあった。
挿話を私が理解できないなのかもしれない。
しかし、なかなか面白い本であった。

2008年11月19日水曜日

76(443) 超「超」整理法: 2008.11.19

野口悠紀雄著「超「超」整理法」
(ISBN978-4-06-214948-8 C0036)
を読んだ。
以前書かれた「超」整理法の現代版である。
ITの進歩、ネットワークの進歩によって、
整理法の基本が変わったという話である。
データのデジタル化と検索手法の発展、
メールとそれに添付するファイルが
データベースになり、
検索するには便利である。
資料がインターネットで
見ることができるようになったので、
従来の知識人の存在意義が変わってきた。
などなどいろいろな変更があった。
同意できるところ、
同意できないところがある。
自分自身で情報に対する
何らかの仕組みができている部分は、
新たに変更する意義がないので、
同感できないと感ずるのだろう。

2008年11月15日土曜日

75(442) 恐るべき旅路: 2008.11.15

松浦晋也著「恐るべき旅路」
(ISBN978-4-02-213809-5 C0093)
を読んだ。
日本発の惑星探査機「のぞみ」の一部始終を紹介する
ドキュメンタリーである。
「のぞみ」の方が「はやぶさ」より
先行していたとは知らなかった。
はやぶさの快挙に隠れて、
故障とそれに立ち向かった
科学者の苦労、工夫が書かれている。
私は、はやぶさの方がよかった。
手法や書き手は違うが、
やはり成功の記を読みたいのだ。
それは単に、人情だかなのだろう。

2008年11月10日月曜日

74(441) 子どもをナメるな: 2008.11.10

中島隆信著「子どもをナメるな-賢い消費者をつくる教育」
(ISBN978-4-480-06397-7C0237)
を読んだ。
経済学者が考える義務教育についての
提言というか、考え方である。
著者は経済学の専門家で、
さまざまな事象に対して経済学的視点を用いて、
論評している。
なかなか面白くはあるのだが、
納得できないことも多々ある。
しかし、道徳教育に対する視点は面白かった。
慶応大学出身で、現在も慶応大学だからなのか
福沢諭吉の「文明論之概略」に
書かれた文章を手本として論理が展開されている。
まあ、そのような視点もあるということだ。

2008年11月9日日曜日

73(440) 千里眼の教室: 2008.11.09

松岡圭祐著「千里眼の教室」
(ISBN978-4-04-383607-9 C0193)
を読んだ。
千里眼シリーズの文庫本版である。
「The Start」と続けて読んだ。
この本は文庫本版として書き下ろされたものだ。
学校を独立国としていく高校生の話だ。
このようなアイディアはいくつかあったが、
なかなか面白い内容であった。
あっさり読めてしまうのだが、
もう少し独立国の内容や、
隣国しての日本国との交渉など
ストーリを膨らまして欲しかった。
文庫本としてあっさり読めることに
重点が置かれている点が残念だった。

72(439) 千里眼 The Start: 2008.11.09

松岡圭祐著「千里眼 The Start」
(ISBN978^4-04-383602-4 C0193)
を読んだ。
千里眼シリーズの文庫本版である。
ただし、本シリーズとは
だいぶ違うという記述があった。
それで読み出した。
確かに違う。
だが、単純化をしたり、
シリーズとして矛盾をなくすために
ストーリ内のつじつまを合わせたり、
今までかかれてなかったところを補ったり、
いろいろ工夫されている。
しかし、ハードカバーを読んだ後だと、
話が概略的で、重奏感に欠ける。
そんな気持ちで読んだ。

2008年11月5日水曜日

71(438)ビッグバン宇宙論 下: 2008.11.05

サイモン・シン著「ビッグバン宇宙論 下」
(ISBN4-10-539304-9 C0098)
を読んだ。
以前に買ってそのうち読もうと思っていた本を
やっと今回読んだ。
やはりシンの書く本は面白い。
ずべてがどこかで読んだことのある内容だ。
宇宙論におけるビッグバン理論に
いたる歴史を書いている。
どこかに知らないこと、
彼の独自の考えがちりばめられている。
しかし、この本の面白さは、
科学的考え方とはどのように形成されていくかを
ビッグバンを通じて紹介していることである。
科学のやり方はこのようにして
進められていくのだということを
わかりやすく紹介している。
なかなかいい本であった。