2009年1月31日土曜日

7(453) 虚構金融: 2009.01.31

高嶋哲夫著「虚構金融」
(ISBN4-408-53448-X C0093)
を読んだ。
米国債に関わるサスペンス小説である。 
なかなか面白かったが、
ストーリーが単調に感じた。
高嶋氏の今まで読んだ小説からすれば、
少々変わったストーリーに感じた。
今まで読んだのは、
科学を背景にしたものが多かったが、
今回は、検察庁を舞台にしていて、
政治家を巻き込む日米の
米国債の背景を探るような内容だ。
ただし、その疑獄事件自体は
起こったことを証明して解決はしない。
そこにいたるまででストーリーが展開される。

2009年1月26日月曜日

6(452) ミッドナイトイーグル: 2009.01.26

高嶋哲夫著「ミッドナイトイーグル」
(ISBN4-16-765660-4 C0193)
を呼んだ。
なかなか面白かった。
高嶋氏の作品は面白くて時々読む。
この作品も期待を裏切ることはなかった。
しかし、エンディングがなんとなく
しっくりこなかった点が残念である。
映画にもなったようだ。
家内が見たといっていた。
面白かったかどうかは聞いていない。
もし聞いたとしても、
映像と本は違っているのだから
どうしようもないものだ。
連続して彼の著書を読んでいる。

2009年1月24日土曜日

4(450) 科学の扉をノックする: 2009.01.24

小川洋子著「科学の扉をノックする」
(ISBN978-4-08-781339-5 C0095)
を読んだ。
「博士の愛した数式」の著者小川洋子が
科学の先端にいる科学者を訪ね、
科学に関してインタビューしたものである。
科学インタビューとしてみると
それぞれのインタビューの内容に
物足りなさを感じてしまう。
しかし、サイエンスライターが書くものとは
どこか違う感性があるのは確かだ。
私からすると、
Spring8や粘菌などは
もっと内容を知りたいものもあった。
そのような立場で読むと
確かに物足りなさを感じる。
しかし、彼女は科学的視点でない見方で感じ、
楽しんでいるのは確かだ。
このようないわゆる文系の科学ファンを
科学の側にいる者は無視してはいけないし
満足させ続けなければならないのだろう。
彼女らこそ、科学の扉を覗こうとしている
大衆の代表だからである。

5(451) ペトロバグ: 2009.01.24

高嶋哲夫著「ペトロバグ」
(ISBN978-4-16-771751-3 C0193)
を読んだ。
サスペンスものである。
石油合成能力を持つバクテリアを
ある科学者が発見した。
遺伝子操作でその石油合成能力をもっとました。
それがペテロバグである。
石油の合成プロセスは、地質学では、
有機物が熱分解して形成されたと考えている。 
しかし、そのプロセスは解明されているとはいえない。
だからこの本に登場したような
ペトロバグがいてもいいし、
だれかが遺伝子操作によって
つくってもいいかもしれない。
現実にそのような研究をしている人もいるであろう。
また、石油は単にエネルギー資源としての役割だけでなく、
いまや世界を動かしている
重要な政治的、戦略的資源ともいえる。 
そのような現実の背景があれば、
本書のストーリーはリアリティをもってくる。
なかなか面白い話であった。

2009年1月16日金曜日

3(449) クマムシを飼うには: 2009.01.16

鈴木忠・森山和道著「クマムシを飼うには」
(ISBN978-4-8052-0803-8 C3045)
を読んだ。
「クマムシ?!」 の著者の鈴木氏が
サイエンスライターの森山氏に
インタヴューを受けたものである。
森山氏はそれをメールマガジン「サイエンス・メール」で
発信されていた。
それをまとめて本にしたものである。
4時間ほどに及ぶインタビューで本ができるのだ。
なかなか面白かった。
特に鈴木氏が、
自然史的発想でクマムシを捉えていること、
そして中年になってからテーマを変更したこと、
単独で研究を続けていること
が私のとっている行動と似ている。
その点が非常に共感を覚えた。
しかし、鈴木氏がわからないことを連発するので
読んでいる方は、少々欲求不満になる。
わかっていること、何をして、何を目指しているかなど
前向きな話を中心に進めて欲しかった。

2009年1月12日月曜日

2(448) 16歳の教科書: 2009.01.12

7人の特別講義プロジェクト&モーニング編集部編著
「16歳の教科書」 
(ISBN978-4-06-214095-9 C0037)
を読んだ。
なぜ学び、なにを学ぶのかということを、
7名の有名講師が教科ごとにおこなうものである。
しかし、内容が私にとっては
まったく感動的でなかった。 
私が大人だろうか。
私が若い頃は加藤泰三などの本を読んで感動したものだ。
それを年をとってから読んでも
程度は弱くなったが、やはり感動した。
だから、この本が売れているというのは、
少々不思議な気がする。
帯の感想も、若者だけでなく、中年の人も
感動したという文章があるが、
私とは違った感動を得られた人もいるようだ。

2009年1月4日日曜日

1(447) ぼくの・稲荷山戦記: 2009.01.04

たつみや章著「ぼくの・稲荷山戦記」
(ISBN4-06-275486-C0193)
を読んだ。
初めて読む作者の児童文学である。 
伝奇小説のたぐいだろうか。
自然破壊で稲荷神社の神が
困っているというストーリーだ。
単純なストーリーだから、
登場人物の個性、
話の落としどころが問題となる。
そのような点で少々物足りなさを感じたが、
全体としては面白い話であった。