2011年12月31日土曜日

127(817)鉱石倶楽部: 2011.12.31

長野まゆみ著「鉱石倶楽部」
(ISBN4-16-767930-2 C0193)
を読んだ。
不思議な本である。
著者自前の鉱物の結晶を題材にした
詩的な小説、あるいは散文詩のような物語。
そこに、鉱物の写真がある。
不思議な味わいのある本である。
鉱物としては、それほどきれいないものではないが、
専門家、マニアには
もう少し良い結晶がほしいところだが、
著者の思い入れのあるところが、
この鉱物と物語のセットにある。
不思議な記憶に残る本であった。

2011年12月30日金曜日

126(816)いちばんやさしい地球変動の話: 2011.12.30

巽好幸著「いちばんやさしい地球変動の話」
(1ISBN978-4-309-25258-2 C0044)
を読んだ。
非常にわかりやすくかかれた本である。
巽さんは最近マスコミに登場しだしたので、
このような本の依頼があったのだろう。
そして3.11の影響で、専門外の地震についても
紹介している。
少々無理がある様な部分でも、
巽氏の本は読みやすい。
そして刺激をうける。
いい本であった。

2011年12月23日金曜日

125(815)周極星: 2011.12.23

幸田真音著「周極星」
(ISBN978-4-12-003730-6 C0093)
を読んだ。
上海を舞台にした
日本の銀行と中国経済に関するストーリーである。
中国と日本を狭間に生きる男女の
ストーリーが散りばめられている。
全体としては面白いが、
何か物足りなさを感じる。
最後に大きな事件があるのに
物足りなく感じる。
他の経済小説より、
私好みの波乱が少ないからなだろうか。

2011年12月18日日曜日

124(814)吾輩はシャーロック・ホームズである: 2011.12.17

柳広司著「吾輩はシャーロック・ホームズである」
(ISBN978-4-04-382903-3 C0193)
を読んだ。
夏目漱石が精神を病み、
シャーロック・ホームズだと思い込み、
ホームズ不在中のワトソンと組んで、
事件に立ち向かう。
彼の推理はピント外れ、
しかし、その想像性は強く、
後の作家の片鱗を見せる。
そんな不思議な設定で
ストーリは面白く展開する。
柳氏の作品は二作目だが
なかなか面白い。

2011年12月14日水曜日

123(813)吉田キグルマレナイト☆: 2011.12.14

日野俊太郎著「吉田キグルマレナイト☆」
(ISBN978-4-10-331471-4 C0093)
を読んだ。
なかなか面白い。
実体験に基づく話のようで、
展開も引き込まれる。
新人の作品と思えない確かさをある。
ただし、一番のクライマックスが
少々演出不足だ。
そこだけが残念だった。

2011年12月11日日曜日

122(812)舶来屋: 2011.12.11

幸田真音著「舶来屋」
(ISBN978-4-10-463305-0 C0093)
を読んだ。
はじめての作者だ。
戦後から新しい輸入小売を
独自に始めた人の立身物語である。
その内容が実話に基づいているので、
面白く読めた。
ただ、その物語が継続するので
ストーリーの波が穏やかで読みやすいが、
読後感が小さく感じる。
実話に基づいているためだろうか。

2011年12月4日日曜日

121(811)県庁おもてなし課 2011.12.04

有川浩著「県庁おもてなし課」
(ISBN978-4-04-87182-8 C0093)
を読んだ。
おもしろい。
高知県が実際に取り組んだことを
きっかけに出来上がった小説だ。
どこまで事実か、
どこからがフィクションかがさらに面白さを増す。
そして高知県だけでなく、
どのような地方でも適用可能な発想である。
しかし、私は、高知への身近さ、
愛着などがあるので、
よけいに興味があった。

2011年11月30日水曜日

120(810)ギャングエイジ: 2011.11.30

川端裕人著「ギャングエイジ」
(ISBN978-4-569-79764-9 C0093)
を読んだ。
新任教師が訳ありの学年の担任になって、
教師として成長しながら、
その訳がすこじずつ明らかにされている。
1年間連載された話で、
学校の1年とリンクしている。
しかし、決まった量で月の話をつくりで、
尻切れトンボの終わっているストーリがあり、
少々違和感を感じることもあった。
しかし、このような小説の通例だが、
ハッピーエンドで終わるのがいい。

119(809)東京島: 2011.11.30

桐野夏生著「東京島」
(ISBN978-4-10-130636-0 C0193)
を読んだ。
無人島に流れ着いた不思議な集団の話だ。
短編の連作として書かれたものが、
一つのストーリに再構成されている。
なかなかおもしろい展開である。
考えさせられる面がいくつかあった。

2011年11月19日土曜日

118(808)117(807)指し手の顔 脳男II: 2011.11.19

首藤瓜於著「指し手の顔 脳男II
117(807)上:SIBN978-4-06-276800-9 C0193
118(808)下:SIBN978-4-06-276801-6 C0193)
を読んだ。
前作から7年たっての続編である。
ストーリとして、1年後の話である。
前作以上の面白さである。
著者の知識、周辺の情報の調査力には
今回も感心させられた。
そしてなにより意表をつく
ストーリの面白さである。
目の話せない作家となりそうだ。

2011年11月8日火曜日

116(806)なぜ絵版師に頼まなかったのか: 2011.11.08

北森鴻著「なぜ絵版師に頼まなかったのか」
(ISBN978-4-334-74853-1 C0193)
を読んだ。
短篇集であるが、
連作となっている。
時間は数年毎に進む。
共通の主人公が
登場して謎解きがおこなわれる。
主人公たちも年齢が増えている。
明治初期が舞台のミステリーだ。
ただ、短編があまり好きでないので
読みづらかった。

2011年11月4日金曜日

115(805)教師格差: 2011.11.04

尾木直樹著「教師格差」
(ISBN978-4-04-710099-2 C0295)
を読んだ。
少し前の本なので、
社会状況はだいぶ変わっているのだが、
重要な本質が指摘されている。
教師の現状、
児童・生徒の現状、
親の現状などが示されている。
乖離した政策と現状。
現場を知らない行政。
親が臨むものと文科省の目標の乖離。
教師社会の崩壊。
暗い教育の現場が示されている。
本当にこのままでいいのだろうか。

2011年10月31日月曜日

114(804)99%の誘拐: 2011.10.31

岡嶋二人著「99%の誘拐」
(ISBN4-9-569136-2 C0193)
を読んだ。
先日古本屋で購入した中の一冊だ。
著者二人が創り上げる作品だ。
なかなか珍しい形式の作品だが、
面白い。
ミステリーだが暴力的な場面が
出てこないところがいい。
内容もなかなかおもしろい。
IT技術を駆使したものだ。
少々古いが、トリックよりストーリが面白い。

2011年10月30日日曜日

113(803)脳男: 2011.10.30

首藤瓜於著「脳男」
(ISBN4-06-273837-6 C0193)
を読んだ。
第46回江戸川乱歩賞受賞作である。
面白い。
障害を持った人物が、
ありえないような人格を持つ。
そのような人物が何らかの目的を持った時、
そのような事が起こるのか。
それが悪人を殺すとなるとどうなる。
不思議さが充満していく。
不思議な終わりをする。
続編が読みたくなる。

112(802)ブルータスの心臓: 2011.10.30

東野圭吾著「ブルータスの心臓」
(ISBN978-4334-71739-1 C0193)
を読んだ。
主人公が困った事態に陥った時、
同じ人物に同じ動機を持った人物に
共謀殺人を誘われる。
合意してスタートしたら、
その首謀者が殺されるが、
予定通りに計画は進む。
複雑な様相がストーリを面白くする。

2011年10月21日金曜日

111(801)大学教授の株ゲーム: 2011.10.21

斎藤精一郎・今野治著「大学教授の株ゲーム」
(ISBN4-532-19007-X C0133)
を読んだ。
同級生で大学教授の二人は今では、
経済学と数理工学で株に関係する学問をしている。
彼らが現実に株を始めたら
どうなるかを1年間試した企画である。
週刊誌に連載された内容から
作成された本である。
なかなか面白い。
自分の資金を投入しているので
かなり本気なのだろうが、
文章はユーモアを持って書かれているので、
それが面白い。
私には株をヤル気はないが。

2011年10月18日火曜日

110(800)数学ガール 乱択アルゴリズム: 2011.10.18

結城浩著「数学ガール 乱択アルゴリズム」
(ISBN978-4-7973-6100-1 C0041)
を読んだ。
読み応えのある本である。
そして今回はNP完全問題を含む内容であった。
難しい部分もあるが、
完全には理解できなくても、
概念の全貌を知るためにはいい本である。
さらなる続編を読みたいものだ。

2011年10月3日月曜日

108(798)フライ、ダディ、フライ: 2011.10.03

金城一紀著「フライ、ダディ、フライ」
(ISBN4-04-873601-9 C0093)
を読んだ。
ゾンビーズの話しだが、
主人公はダディ。
といっても、どこにでも中年男性。
彼がゾンビーズたちの助けを借りて
恨みを持つ相手に、
仕返しをするというはなし。
単純なストーリーだが、
なかなかおもしろい。

2011年10月1日土曜日

107(797)レヴォリューションNo.0: 2011.10.01

金城一紀著「レヴォリューションNo.0」
(ISBN978-4-04-874140-8 C0093)
を読んだ。
ゾンビーズの高校1年生の頃の話。
彼らがどのようにして出会い、
なぜ、連帯感を持つに至ったかの話である。
なかなか面白い。

2011年9月30日金曜日

106(796) レヴォリューションNo.3: 2011.09.30

金城一紀著「レヴォリューションNo.3」
(ISBN978-4-04-385202-4 C0193)
を読んだ。
落ちこぼれ高校生の青春ものである。
池袋ウエストゲートパークの高校版である。
なかなか面白い。
続編が次々と書かれているようだ。
読んでみたい。

2011年9月27日火曜日

105(795) モルフェウスの領域: 2011.09.27

海堂尊著「モルフェウスの領域」
(ISBN978-4-04-874153-8 C0093)
を読んだ。
未来を題材にした小説である。
テーマは冬眠治療がおこなわれた時、
その治療を受けた人間の人権、
空白、記憶はどうすべきであろうか。
それを考えさあせる表向きのテーマと、
背景には、桜宮、東城大。厚生行政などの
共通する素材がある。
登場人物も重層している。

2011年9月22日木曜日

104(794) ナニワ・モンスター: 2011.09.22

海堂尊著「ナニワ・モンスター」
(ISBN978-4-10-306573-9 C0093)
を読んだ。
なかなか面白いが、
ちょっと並行したストーリーが
錯綜していて、
わかりにくいいものになっている。
週刊誌での連載を基にしているからだろうか。

2011年9月18日日曜日

103(793) 浜村なぎさの計算ノート3さつめ: 2011.09.18

青柳空碧人著「浜村なぎさの計算ノート3さつめ
浜村渚の水色コンパス」
(IEBN978-4-06-282828-4 C0093)
を読んだ。
気楽に読める数学ミステリーだが、
子供向けであっさりしすぎている。
長男がハマっている。
私はそろそろ飽きてきた。

102(792) 魔術はささやく: 2011.09.18

宮部みゆき著「魔術はささやく」
(IEBN978-4-10-136911-2 C0193)
を読んだ。
推理サスペンス大賞受賞作である。
なかなか面白い。
一見なんの関係もない自殺が、
実は関連があり、
自殺ではなく他殺であったというものである。
その謎が解明されていくが、
主人公が生き生きしていて
読ませる内容である。

101(791) 「理系離れ」が経済力を奪う: 2011.09.18

今野浩著「「理系離れ」が経済力を奪う」
(IEBN978-4-532-26040-8 C1234)
を読んだ。
今野氏の著作は面白い。
今回は理系離れを書いているが、
焦点は少々違うような気がするが、
読めせる技術と面白さがある。
エリートであるが、
そのエリートらしさが慣れたせいか
鼻につかなくなってきた。

100(790) 龍は眠る: 2011.09.18

宮部みゆき著「龍は眠る」
(IEBN 978-4101369143 C0193)
を読んだ。
旅行中に読んでいたので、
なかなか読み進まなかったが、
おもしろい本であった。
また宮部みゆきを読みたくなった。

2011年9月7日水曜日

099(789) ふしぎの国の期末テスト: 2011.09.07

青柳碧人著「浜村渚の計算ノート2さつめつ
ふしぎの国の期末テスト」
(ISBN978-4-06-282824-6 C0093)
を読んだ。
数学を題材にしたミステリーである。
前作に続いての2冊目である。
なかなか犯人に近づけない。
それが魅力でもあるのかもしれないが、
どこまで継続するのが。
3作目もあるので、それも読むつもりだが。

2011年9月5日月曜日

098(788) 宇宙は本当にひとつなのか: 2011.09.05


村山斉著「宇宙は本当にひとつなのか」
(ISBN978-4-06-257731-1 C0244)
を読んだ。
今回は前回の著作についていているもので、
宇宙論についての最新情報である。
内容的には新規のものがいくつもあった。
内容に重複がいくつかあったのが
気にかかるところがあった。
しかし、前作と同様最新の情報を知ることができた。

2011年9月1日木曜日

097(787) 科学哲学者柏木龍彦の多忙な夏: 2011.09.01


冨田恭彦著「科学哲学者柏木龍彦の多忙な夏」
(ISBN978-4-04-409404-1 C0110)
を読んだ。
科学哲学のパラダイム、
相対主義、物語論、真理論などの
側面から述べている。
対話形式で進めている点がいい。
これはプラトン以来の哲学の一つの手法でもある。
内容は難解であるが、
とっつきやすさがある。

2011年8月31日水曜日

096(786) 浜村渚の計算ノート: 2011.08.31


青柳碧人著「浜村渚の計算ノート」
(ISBN978-4-06-276981-5 C0193)
を読んだ。
数学のいろいろなテーマを題材にした
軽いサスペンスである。
軽く読めるもので、
数学を題材にしているので
さらりとと読んで、
なかなか面白かった。

2011年8月30日火曜日

095(785) 世界をやりなおしても生命は生まれるか: 2011.08.30


長沼毅著「世界をやりなおしても生命は生まれるか」
(ISBN978-4-255-00594-2 C0095)
を読んだ。
高校向けの3日間の授業を本にしたものだ。
講義なので、その様子は伝わるが、
内容的に充分練られていない気がする。
だから、きっちりと書き込んだ本がいい。

2011年8月24日水曜日

094(784) 働かないアリに意義がある: 2011.08.24


長谷川英裕著「働かないアリに意義がある」
(ISBN978-4-8401-3661-7 C0245)
を読んだ。
なかなか面白い。
8割のアリは働かない。
しかし、働かないアリだけをあつめると、
その中で2割のアリが働き出す。
働かないアリが、なぜ存在するのか、
そこには理由があるのか。
そのような不思議な事実と
正当な理由が地道な実験でわかってきた。
そんな理由が書かれている。

2011年8月22日月曜日

093(783) 地球の中心で何が起こっているのか: 2011.08.22


巽好幸著「地球の中心で何が起こっているのか」
(ISBN978-4-344-98227-7 C0295)
を読んだ。
巽氏の本は知的刺激を強く受ける。
そしてわかりやすく書かれている。
そして重要な成果がそこにあり、
そのために多大な努力が払われていることが
なんとなくわかる。
でも、あっさりと書かれている。
もっとたくさん本を書いて欲しい気がする。
そんな文章である。
しかし、やはり一線級の研究で
日本の科学界を引っぱてもらいたい人だ。

092(782) 太鼓の血脈: 2011.08.22


藤木稟著「太鼓の血脈」
(ISBN978-4-334-92663-2 C0093)
を読んだ。
幻想小説だろうか。
不思議な魅力がある。
最初から飛ばしている小説である。
月刊誌に連載されていたせいだろか。
でも、最後まで疲れることなく読めた。

2011年8月16日火曜日

091(781) 神様のパラドックス: 2011.08.15


機本伸司著「神様のパラドックス」
(ISBN978-4-7584-113-4 C0093)
を読んだ。
神とはどのようなものか。
もしコンピューターが桁違いに進化したら、
すべての物理・化学現象の計算ができるのなら
どこまで現実を再現できるのか。
そして未来予想ができるのか。
そんな疑問を考えさせるSFである。
ストーリーは単調であるが、
そこで交わされる神についての議論は
興味深かった。

2011年8月9日火曜日

091(781)役に立つ一次式 整数計画法「気まぐれな女王」の50年: 2011.08.09


今野浩著「役に立つ一次式 整数計画法「気まぐれな女王」の50年」

(ISBN4-535-55462-5 C3041)
を読んだ。
今野氏の一般向けの少々変わった解説書である。
まあ、応用数学の解説書といえばいいのだろう。
なかなかおもしくて、一気に読んでしまった。
彼の本は、研究者の側の立場で書かれているために、
分野が違うがおもしく読める。
多分、彼の書く能力があるのだろう。
そして彼の文が私の感性にあっているのだろう。

2011年8月7日日曜日

090(780) ザ・万遊記: 2011.08.07

万城目学著「ザ・万遊記」
(ISBN978-4-08-780562-8 C0095)
を読んだ。
雑誌掲載の小さいエッセイを集めたものだ。
それぞれはそれなりの面白さがあるが、
一冊の本にするのは少々難有り。
書籍としては系統性のあるもの、
あるいは内容的に
もう少し読み応えのあるものでないと
単行本としては力不足であろう。

2011年8月3日水曜日

080(770) もし高校野球の女子マネージャーが ドラッカーの『マネジメント』を読んだら: 2011.08.03

岩崎夏海著「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
(ISBN978-4-478-01203-1 C0034)
を読んだ。
面白い仕掛けの本である。
この本を読んで、続きを読みたいというより、
ドラッカーの「マネジメント」を読みたいと思うかどうかだ。
読みたいと思うような内容がありそうだ。
それよりも、それを活かす気があるかどうかが問題だ。
私には今必要ないスキルではないかと思う。
そしれ大著を読む心の余裕が無い。
ただ、興味はある。

2011年8月2日火曜日

079(769)天使に見捨てられた夜: 2011.08.02

桐野夏生著「天使に見捨てられた夜」
(ISBN4-06-263523-2 C0193)
を読んだ。
前作の続編である。
この著者の書くこのシリーズは内容が重い。
少々変わった女性主人公の
ハードボイルド(?)小説。
一種のミステリーでもあるのだが、
ずっしり来る。
でも、なんとなく読ませる内容でもある。

2011年7月30日土曜日

078(768)空飛ぶタイヤ: 2011.07.30

池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」
(ISBN4-408-53498-6 C0093)
を読んだ。
今年前期の直木賞作家となった。
そのような作品なのか、
手近にあった本を読んでみる。
なかなか面白く、
終わりがハッピーエンドなのだが、
大部で途中に重苦しい場面が多く、
気楽に読むには少々重い本となった。
しかし、なかなか面白かった。

2011年7月26日火曜日

077(767)顔に降りかかる雨: 2011.07.26

桐野夏生著「顔に降りかかる雨」
(ISBN4-06-263291-8 C0193)
を読んだ。
江戸川乱歩賞受賞作である。
桐野としてのデビュー作である。
少々だるいところがあったが、
なかなか面白い内容であった。
女性が主人公のハードボイルドとなっているが、
あまりハードボイルドなアクションはなく、
淡々と弱い起伏を持ちながらストーリはすすむ。

2011年7月24日日曜日

076(766)πとeの話: 2011.07.24

YEO エイドリアン著「πとeの話」
(ISBN978-4-7917-6469-6 C0041)
を読んだ。
読むというより
級数の複雑さ、
あるいは収束級数と
その収束値の不思議さを
感じる本であった。
中学生でもその証明が
理解できるものは面白い。

075(765)とんび: 2011.07.24

重松清著「とんび」
(ISBN978-4-04-873891-0 C0093)
を読んだ。
父子家庭の成長物語である。
トンビがタカを生んだ
ことからとったタイトルだろう。
一組の親子だけでなく、
孫と子、近所の手厚い付き合い。
それが人や家族を
守り育てるのかもしれない。
そんなことを考えさせる物語であった。

2011年7月23日土曜日

074(764)都立水商!: 2011.07.23

室積光著「都立水商!」
(ISBN4-09-386079-3 C0093)
を読んだ。
発想が面白い。
多くの種類の職業学校があるのに、
水商売の学校がない。
それを解決するために
試験的につくられた学校
という設定の小説である。
非常にユニークな発想で
書かれた小説である。

2011年7月16日土曜日

073(763)希望ヶ丘の人びと 2011.07.16

重松清著「希望ヶ丘の人びと」
(ISBN978-4-09-379797-9 C0093)
を読んだ。
長編小説であるが、面白かった。
母・妻を亡くした家族が
母・妻が中学校時代に住んていて
好きだった街に引っ越す。
その街にいるおなさ馴染み、
関係者、新たな出会い、そして彼らの家族たち。
母・妻の思い出をたどりながら、
この街の嫌なところ、人々の関係、
いろいろなことを知りながらこの町で暮らしていく。
そして最後には、この街や人びとが好きになっていく。

072(762)武士の家計簿: 2011.07.16

磯田道史著「武士の家計簿」
(ISBN978-4-10-610005-5 C0221)
を読んだ。
次男がソロバンを習っている。
そのためもあって、
映画版「武士の家計簿」を見た。
ドラマになっているが、
原作はノンフィクションの研究成果であった。
面白く一気に読んでしまった。
幕末から明治初期にかけての
武士の生活がわかりやすく書かれていた。

2011年7月10日日曜日

071(761)フリーター家を買う。: 2011.07.10

有川浩著「フリーター家を買う。」
(ISBN978-4-344-01722-1 C0093)
を読んだ。
面白かった。
一気に読んでしまった。
現代の若者たちの行動や
精神状態を反映しながら
何かに目覚め、そして行動をしていく。
一見最悪の条件が、幸運を呼ぶこともある。
そんな積み重ねが
人の人生を紡いでいくのだろうか。

070(760)知っておきたい放射能の基礎知識: 2011.07.10

齋藤勝裕著「知っておきたい放射能の基礎知識」
(ISBN978-4-7973-6568-9 C0242)
を読んだ。
福島第一原子力発電所事故にあわせて、
放射能についての基礎知識をまとめたものである。
大部分が既知であったが、
原子炉についていは
いくつか学ぶべきことがあった。
放射能について知りたい人には便利な本であろう。

2011年7月2日土曜日

068(758)ダンサー: 2011.07.02

柴田哲孝著「ダンサー」
(ISBN978-4-416-326140-9 C0093)
を読んだ。
遺伝子操作を受けたキメラ生物。
その生物「ダンサー」が遺伝子の命令に従って
使命を全うしようとする。
柴田氏の常連の登場人物が
時間を経て成長しながら話をすすめる。
面白い本であった。

2011年6月27日月曜日

067(757)武士道エイティーン: 2011.06.27

誉田哲也著「武士道エイティーン」
(ISBN978-4-16-328320-3 C0093)
を読んだ。
3部作の最後の巻である。
面白いので一気に読んでしまった。
剣道を素材にした小説で、
ユニークな主人公や脇役たち。
高校生たちの青春小説である。

2011年6月24日金曜日

066(756)武士道セブンティーン: 2011.06.24

誉田哲也著「武士道セブンティーン」
(ISBN978-4-16-327190-3 C0093)
を読んだ。
前著の続編である。
どこにでもいそうな
高校2年生やその周辺の人々。
それでいてユニークな登場人物。
なかなか面白い。
あと一つ続編があるので、
読みだした。

2011年6月21日火曜日

065(755)武士道シックスティーン: 2011.06.21

誉田哲也著「武士道シックスティーン」
(ISBN978-4-16-326160-7 C0093)
を読んだ。
高校生の剣道少女の話である。
気楽に読めるエンターテイメントである。
あっさりと読めるなかなか面白い本である。
高1時代の話だが、
高2、高3時代の話も継続的書かれている。
続きに読んでしまいそうだ。

2011年6月19日日曜日

064(754)三陸海岸大津波:No. 3747 2011.06.19

吉村昭著「三陸海岸大津波」
(ISBN4-16-716940-1 C0195)
を読んだ。
吉村氏の記録文学である。
明治29年、昭和8年、昭和35年に襲った津波。
その記録を現地の聞き取りや、
当時の記録から書かれたものである。
先日の3.11の東北大震災を思わせる記録だ。
研究者も政府もこの記録をしらかなったのか。
「予想外」としている規模が
当時の記録が示している。
科学がもっていた先入観が、
政治の先入観になり、
それが今回の悲劇の一端になっている。
過去を知ることは重要だ。

063(753)生命は、宇宙のどこで生まれたのか: 2011.06.19

福江翼著「生命は、宇宙のどこで生まれたのか」
(ISBN978-4-396-11229-5 C0240)
を読んだ。
少し前に読み終わったが、
一般向けに書かれた本である。
しかし、あまり新しいことが書かれていなかった。
研究者であったら、
自分の進めている研究を中心に書かれるのが
一番興味を湧くのに、
残念である。

2011年6月12日日曜日

062(752)宇宙137億年のなかの地球史: 2011.06.12

川上紳一著「宇宙137億年のなかの地球史」
(ISBN978-4-569-79653-6 C0244)
を読んだ。
放送大学で授業として行われたものを、
書籍化したものだ。
既知の内容をまとめたようなものだ。
あまり真新しさを感じない内容であった。
しかし、調査のために
いまだに海外を巡っているのはいいことだ。
私も該外調査をしたいのだが、
時間と研究費がないのでできない。

2011年6月4日土曜日

061(751)GEQ: 2011.06.04

柴田哲孝著「GEQ」
(ISBN978-4-04-874023-4 C0093)
を読んだ。
GEQとはGreat Earth Quakeの略号で、
巨大地震のことである。
巨大地震があると、それにまつわる風評が色々起こる。
そこに謀略説もある。
自然現象なので謀略などないだろうと思われる。
911でも謀略説があったが、
これは人為による事件なのであり得る。
根拠には不確かなものもあるが、
本当なら大変というものもある。
GEQではいくつかの巨大地震には
謀略があったのではないかという
発想による小説である。
その背景には、地震を発生させる技術(兵器)が
あるというものだが、
そのあたりは怪しいが。

2011年5月28日土曜日

060(750)偉大なるしゅららぼん: 2011.05.28

万城目学著「偉大なるしゅららぼん」
(ISBN978-4-08-771399-2 C0093)
を読んだ。
琵琶湖周辺に住む不思議な力をもつ
2つの一族に起こる大事件。
個性的な登場人物たちが巻き起こす
荒唐無稽だがリアリティをもつストーリ。
いくつか気になるところもあったが、
全般として面白い。
自作も期待する。

2011年5月21日土曜日

059(749)すべて僕に任せてください: 2011.05.21

今野浩著「すべて僕に任せてください」
(ISBN978-4-10-314761-9 C0093)
を読んだ。
あるモーレツ研究者の伝記である。
小説のように書かれているが、
事実に基づいている。
一部仮名、匿名にされているようだが、
ドキュメントに近いのだろう。
自分が似た世界にいたせいか、
非常に面白く一気に読んでしまった。

2011年5月19日木曜日

058(748)史上最強の内閣: 2011.05.19

室積光著「史上最強の内閣」
(ISBN979-4-09-386290-5 C0093)
を読んだ。
室積氏の作品は幾つか読んでいる。
構成が単調で物足りなさがあるが、
面白い。
この話も現実のパロディーで、
こうあって欲しい思う展開を叶えてくれる。
そんな心の琴線に響くものであった。

2011年5月15日日曜日

057(747)ミクロな化石、地球を語る: 2011.05.15

谷村好洋著「ミクロな化石、地球を語る」
(ISBN978-4-7741-4426-9 C3044)
を読んだ。
プランクトンの化石(微化石)を用いる著者の
研究分野の紹介となっているようだ。
前半はプランクトンや微化石の歴史、
研究の方法の説明は面白い。
しかし、実際の研究例の紹介が面白くない。
ローカルで、事例が個別すぎる気がする。
著者はグローバルな話と考えているようだが、
どうも「それがどうした」という気もする。
ひとつのテーマを深く斬り込んで、
その重要性を分かりやすく
説明するほうがいいのではないだろうか。
博物館におられるのだから、
化石の名前の羅列が
市民には抵抗があるのを熟知されているはずなのに、
大量の化石名がでてくるのは疑問を感じる。

2011年5月11日水曜日

056(746)スプートニクの落とし子たち: 2011.05.11

今野浩著「スプートニクの落とし子たち」
(ISBN98-4-620-32007-6 C0095)
を読んだ。
今野氏の文章は軽妙である。
一気に読んでしまった。
エリートたちの生態をその一員として描いている。
知っている名前がいくつも出てくる。
日本のエリートたちの学生時代、
社会人として生活しているときの裏話が
紹介されている。
なかなか面白い。
他の本も読む予定だ。

2011年5月10日火曜日

055(745)20歳のときに知っておきたかったこと: 2011.05.10

ティナ・シーリング著「20歳のときに知っておきたかったこと」
(ISBN974-8-484-10101-9 C0030)
を読んだ。
現在テレビで放映されている先生の著書である。
成功のために秘訣がいろいろ書かれている。
人気の授業である。
しかし、実社会で実践できるかどうかが重要である。
私に難しくて、する気もないが、
二十歳の若者で
積極的に生きていきたい若者には
必要なスキルかもしれない。

2011年5月4日水曜日

054(744)街場のメディア論: 2011.05.04

内田樹著「街場のメディア論」
(ISBN978-4-334-03577-8 C0236)
を読んだ。
以前、「寝ながら学べる構造主義」を読んだ。
本書は、人気のある街場シリーズの一つだ。
視点が定まったなかなか説得力のある主張である。
大学の講義を本にまとめたものだ。
学生や院生とどのような議論がなされたか、
興味が出る。
なかなか硬派な感じがする。

2011年4月30日土曜日

053(743)工学部ヒラノ教授: 2011.04.30

今野浩著「工学部ヒラノ教授」
(ISBN978-4-10-314762-6 C095)
を読んだ。
面白い。
一気に読みきった。
私は理学部であったが、
似た環境を経験している。
分野による違いだろうか、
少々の違いはある。
でも、膝を打ちたくなるような、
耳が痛いような内容もある。
実名がいっぱい出てくる。
危なそうなところは、
イニシャルになっているが、
同じ分野の人にはすぐにわかるだろう。
よくこんなモノが書けたものだ。
少々心配をしてしまう。
でも著者の略歴をみると
どうも似たような著作もあるようだ。
気になってきた。

052(742)論理病をなおす!: 2011.04.30

香西秀信著「論理病をなおす!」
(ISBN978-4-480-06516-2 C0295)
を読んだ。
レトリック、詭弁についての内容である。
詭弁の使い方をいろいろなパターンを紹介してあります。
しかし、詭弁と正論の境界はあいまいで、
それを見極めるのは難しい。
その境界を自由にあやるれるの、
弁の達人となるのだろう。
私には無理だが。

2011年4月23日土曜日

051(741)ダンゴムシに心はあるのか: 2011.04.23

森山徹著「ダンゴムシに心はあるのか」
(ISBN978-4-569-79655-0 C0245)
を読んだ。
大脳のない動物、ダンゴムシを使って、
その行動から知能ではなく、
「心」の有無や機能を調べる実験を
している研究者の話である。
おもしろい。
研究の面白さ、その背景の苦労が伝わる。
そして実験結果をどう考えるかも、
重要な作業であることがわかる。
面白いが、どうしても、
それは人間側の考えであって、
本当に客観的にそれが「心」の存在や、
動きを証明していないのではないか
という疑問がのこる。
重要であるが故に、その点が気になる。

2011年4月19日火曜日

050(740)女子中学生の小さな大発見: 2011.04.19

清邦彦編著「女子中学生の小さな大発見」
(ISBN4-10-131731-3 C0140)
を読んだ。
なかなかユニークな本だ。
女子中学生が身近なところで
科学に興味を持ち、
試してみた、見てみたなど
短く報告したものだ。
そして重要なことは、
その発見に、コメントしていないことである。
間違い、誤解が一杯混じっている。
でも、それもコメントなく示されていれている。
これではこれいいいのかもしれない。

2011年4月16日土曜日

049(739)時間はなぜ取り戻せないのか: 2011.04.16

橋元淳一郎著「時間はなぜ取り戻せないのか」
(ISBN978-4-569-77564-7 C0242)
を読んだ。
橋元氏の時間に関する著作は
「時間はどこでうまれるのか」
を読んで興味をもっていた。
そして、さらに進んだ考察が
この本でなされている。
興味を持っているテーマである。
しかし、手ごわいテーもである。
生命の主体的意思(主観)が時間の矢を感じる
という主張である。
また、最後に人間原理の拡大して
「主体的生命原理」を提唱している。
おもしろが、わかるような
わからないような論点でもある。
でも、どこか、魅力のある主張である。
別の近著もあるらしい。
そちらも読んでみよう。

2011年4月15日金曜日

048(738)ある閉ざされた雪の山荘で: 2011.04.15

東野圭吾著「ある閉ざされた雪の山荘で」
(ISBN4-06-181607-1)
を読んだ。
通常のミステリーだ。
ただ、雪に閉ざされた山荘で
密室系の設定を
舞台の練習としてやる、
という凝ってものである。
少々、複雑な設定になっている。
それになりに、面白いのだが、
オチが当たり前すぎて
東野氏の作品としては、
見劣りがする。

2011年4月12日火曜日

047(737)T.R.Y.: 2011.04.12

井上尚登著「T.R.Y.」
(ISBN4-04-873179-3 C0093)
を読んだ。
江戸川乱歩賞受賞作である。
なかなか面白かった。
明治後半の時代背景に、
上海と日本を舞台に
詐欺を働く話である。
最後にはお約束のどんでん返しがある。
しかし、なかなか面白い話であった。

2011年4月4日月曜日

046(736)天空の峰: 2011.04.04

東野圭吾著「天空の峰」
(ISBN4-06-263914-9 C0193)
を読んだ。
内容は現在の日本には
あまりに切実な内容である。
ヘリコプターを奪ってコンピュータ制御で
高速増殖炉の原子力発電所上空にホバリングする。
燃料が尽きれば
原子炉の上に墜落する。
犯人の要求は日本中の原子炉の停止である。
目的は国民が原子炉の危険性を
あまりに知らなすぎることへの警告であった。
現状に符合する事が多すぎる。

2011年3月29日火曜日

045(735) あの頃ぼくらはアホでした: 2011.03.29

東野圭吾著「あの頃ぼくらはアホでした」
(ISBN4-08-748785-7 C0195)
を読んだ。
自伝的エッセイである。
子供の頃から大学生、
そして就職活動で終わっている。
その後も読みたいところだが、
いいところで終わっている感じである。
作品とはあまりに違っている作者の個性。
それが面白いところだろう。

044(734) 沈底魚: 2011.03.29

曽根圭介著「沈底魚」
(ISBN978-4-06-214234-2 C0093)
を読んだ。
第53回江戸川乱歩賞を受賞した作品だ。
なかなか面白かったが、
3転4転するとこが面白いのだが、
その展開があまりに多く、
付いけいないところがある。
もう少しシンプルにして欲しかった。

2011年3月26日土曜日

043(733) ブレイクスルー・トライアル: 2011.03.26

伊園旬著「ブレイクスルー・トライアル」
(ISBN978-4-7966-5673-3 C0093)
を読んだ。
「第5回このミステリーがすごい」 の大賞作である。
犯罪のミステリーだろうか。
セキュリティーの強い建物に入るというストリーである。
しかし、主人公達があまりに素直に入りすぎるので、
少々拍子抜けしてしまうところがある。
でも、背景や服装するストリーは面白い。

2011年3月23日水曜日

042(732) ヒコベエ: 2011.03.24

藤原正彦著「ヒコベエ」
(ISBN978-4-06-216375-0 C0093)
を読んだ。
藤原氏の自伝的小説である。
「若き数学者のアメリカ」 以来、
時々出されるエッセイは読んできた。
少々過激なところがあるが、
共感できるところはある。
そして、今回彼の生い立ちが
詳細に小説として語られる。
本人がさいごに語っているが、
これはフィクションはないとしている。
では、自叙伝ではないか。
しかし、どこか少年小説的でもある。
時代背景、彼の経験、家庭環境などが
そう思わせるのかもしれない。
なかなか面白かった。

2011年3月22日火曜日

041(731) カッコウの卵は誰のもの: 2011.03.22

東野圭吾著「カッコウの卵は誰のもの」
(ISBN978-4-334-92694-6 C0093)
を読んだ。
自分の子どもではない。
妻が事件を起こしていたらしい。
妻は自殺している。
その子供は主人公と同じような
スキーの才能を持っている。
そんな前提から、ストーリは転がる。
思わぬ展開が起こる。

2011年3月20日日曜日

040(730) マッチメイク: 2011.03.20

不知火京介著「マッチメイク」
(ISBN4-06-212001-1 C0093)
を読んだ。
第49回江戸川乱歩賞受賞作である。
プロレスを舞台にしたミステリーだ。
ミステリーだた、プロレスの小説としても
充分可能なほどの魅力ある作品であった。
さすがに、多数の作の中から
選ばれたものだけはある。

2011年3月18日金曜日

039(729) 声を出していこう: 2011.03.18

朝倉かすみ著「声を出していこう」
(ISBN978-4-334-92724-0 C0093)
を読んだ。
連絡短編集だが、章立てになっているので
長編というべきなのだろうか。
その各章の主人公は違い、
設定に似たところがあり、
登場人物もどこかで連環している。
不思議な雰囲気を出している。
その不思議さが魅力である。

2011年3月15日火曜日

038(728) だいじょうぶ3組: 2011.03.15

乙武洋匡著「だいじょうぶ3組」
(ISBN978-4-06-216299-9 C0093)
を読んだ。
乙武氏た小学校の先生をした
経験に基づいて書かれた小説である。
5年生が障害を持った新任先生を担任として
1年間の様子を綴ったものだ。
実体験を交えたものだということだ。
なかなかいい内容であった。
教員希望する学生には一読を勧めたいものだ。

2011年3月14日月曜日

037(727) 赤・黒 : 2011.03.14

石田衣良著「赤・黒」
(ISBN4-19-861308-7 C0093)
を読んだ。
池袋ウエストゲートパーク外伝である。
マコトは名前は出てくるがストーリにはでてこない。
タカシや刑事もでてくる。
サルもでてくるが助役のようなものだ。
しかし、なかなか面白い。
やはり石田衣良にもハズレはない。

2011年3月12日土曜日

036(726) 歌舞伎町セブン: 2011.03.12

誉田哲也著「歌舞伎町セブン」
(ISBN978-4-12-004175-4 C0093)
を読んだ。
誉田氏の作品を読むのは二作目だ。
一作目は青春ものだったので、
今回の本格サスペンスものだ。
なかなか面白かったが、
どうもストーリの甘さが気になる。
石田衣良氏や東野圭吾氏などの
緻密な作品を読んだあっとだと、
ついその甘さが気になる。

2011年3月9日水曜日

035(725) パーフェクト・プラン: 2011.03.09

柳原慧著「パーフェクト・プラン」
(ISBN4-7966-3811-3 C0093)
を読んだ。
「第二回このミステリーがすごい」 の最小受賞作だ。
投稿稿にかなりでがはいったようだが、
なかなか面白かった。
ただし、内容や設定が盛りだくさんすぎて、
少々戸惑いがある。
予想できない展開がやはり売りだろう。
私と同年代の人が、
この小説で、50歳前にデビューした。
それに対しても好感を抱かせる。

2011年3月6日日曜日

034(724)電子の星: 2011.03.06

石田衣良著「電子の星」
(ISBN4-16-322390-8)
を読んだ。
久しぶりの石田氏だ。
池袋ウエストゲートパークのシリーズ4巻目だ。
あまり短編は好きではないのだが、
この小説だけは短編でもいい。
石田衣良氏も私と合う作家で、
大抵の作品はハズレがない。

2011年3月5日土曜日

033(723)使命と魂のリミット: 2011.03.05

東野圭吾著「使命と魂のリミット」
(ISBN4-10-303171-9 C0093)
を読んだ。
病院に脅迫状が届く。
それと別個に複雑な人間関係、
いくつかの事件が重なる。
しかし、物語はすべて必然性をもっていく。
最後は納得のいく結末。
いつもの東野小説だ。
すばらしいストーリと筆力である。

2011年3月3日木曜日

032(722)田村は まだか: 2011.03.03

朝倉かすみ著「田村は まだか」
(ISBN978-4-334-92598-7 C0093)
を読んだ。
連作短編集である。
淡々としたストーリーだが、面白い。
その面白さは、著者のセンスの良さであろう。
「田村は まだか」
というフレーズは、中島みゆきの
「ビールはまだか」を思い出された。
また、「〇〇はまだか」 というフレーズを
歴史上の誰かがいったのが思い出せない。
暗殺された人か、とも思っているのだが、
思い出せない。
「それにつけても金の欲しさよ」
はどんな言葉のあとにつけてもいいフレーズだ。
そんことも府に落ちる。
他の著書も読んでみたい。

2011年3月1日火曜日

031(721)繋がれた明日: 2011.03.01

真保裕一著「繋がれた明日」
(ISBN4-02-257838-6 C0093)
を読んだ。
救いのないような負のスパイラル。
その負に落ちていく主人公が、
それでも立ち直ろうと進む。
そして最後に、
その方向性が実は違っていたことに気づく。
そして救われる話へとなる。
その救いは最後の数行である。
この長い負の話が、
最後の数行で救われる。
展開として面白いが、
読んでいて疲れる。

2011年2月27日日曜日

030(720)トキオ: 2011.02.27

東野圭吾著「トキオ」
(ISBN4-06-211327-9 C0093)
を読んだ。
タイムトラベル話だが、
そこは東野小説だから、
叙情豊かなものになっている。
いつものようになかなかよかった。
彼の小説にはハズレがない。

2011年2月25日金曜日

029(719)世界でいちばん長い写真: 2011.02.25

誉田哲也著「世界でいちばん長い写真」
(ISBN978-4-334-92723-3 C0093)
を読んだ。
世界一長いパノラマ写真を撮るカメラと
そのカメラによる卒業記念写真を
とるというストーリーである。
実際にギネスブックにのった写真家を
題材にしている。
彼のホームページではその写真の
一部を見ることができる。
青春ものであるが、
なかなか面白かった。

2011年2月23日水曜日

028(718)交渉人籠城: 2011.02.23

五十嵐貴久著「交渉人籠城」
(ISBN978-4-344-0846-4 C0093)
を読んだ。
テーマ設定は面白い。
交渉人シリーズの第三弾だそうだ。
テーマは面白いが、
いたるところに緻密さがかけるところがあり、
そんなところが気になる。
彼の作品には、
いつもそのようなところがある気がする。

2011年2月21日月曜日

027(717)殺人の門: 2011.02.21

東野圭吾著「殺人の門」
(ISBN4-04-873487-3C0093)
を読んだ。
小学校からの友人に
常に殺意をもっている主人公。
つぎつぎと不幸が訪れる主人公。
まさかと思われる不幸にも、
実は友人の手が加わっていた。
しかし、最後の殺意には至らないが、
何度が直前までいく。
そんな不思議な展開が
最後に完結する。

2011年2月19日土曜日

026(716)虚貌: 2011.02.19

雫井脩介著「虚貌」
(ISBN4-344-00113-3 C0093)
を読んだ。
複雑な構成である。
登場人物の関係がなかなか明かされず、
理解をするのが難し。
犯人の心理が直接の部分が少なく
分かりにくところがある。
しかし、面白い。

2011年2月15日火曜日

025(715)哄う合戦屋: 2011.02.15

北沢秋著「哄う合戦屋」
(ISBN978-4-575-23664-4 C0093)
を読んだ。
時代小説だが、なかなかおもしろい。
北沢氏はこの小説がデビュー作である。
初めての小説は思えない
手練の感がある。
次の作品にも期待したい。

2011年2月13日日曜日

024(714)パラドックス13: 2011.02.13

東野圭吾著「パラドックス13」
(ISBN978-4-620-10739-4 C0093)
を読んだ。
P-13現象が起こると予測された。
理由は説明されないが、
その現象が、起こって別世界に送り込まれる。
そこで過ごす人間にとって、
善悪、生と死、価値観すべてが
問い直される。
面白い。

2011年2月11日金曜日

023(713)愛しの座敷わらし: 2011.02.11

荻原浩著「愛しの座敷わらし」
(ISBN978-4-02-250424-1)
を読んだ。
転勤で引っ越した田舎家。
そこには座敷わらしがいて、
犬や子供、バーバだけにはみえ、
大人には鏡やカメラを通してだけみえる。
そんな存在だが、
その存在が家族の結束をもたらす。
そんなときまた都会への転勤がくる。
不思議な物語で、
心があたたまるものである。

2011年2月9日水曜日

022(712)十七歳、夏の幻: 2011.02.09

夏羽良幸著「十七歳、夏の幻」
(ISBN978-4-7790-0321-9 C0093)
を読んだ。
タイムトリップとミステリーをあわせたものだ。
どうも時代設定と考証が不十分な気がする。
また、ストーリーの構成ももうひとつ。

2011年2月8日火曜日

021(711)東大生の論理: 2011.02.08

高橋昌一郎著「東大生の論理」
(ISBN978-4-480-06582-7 C0295)
を読んだ。
形式論理学の講義をはじめるとき、
まえがきにあたるところの話題を
議論しながら進めたようだ。
講義はなかなか活気のあるものだったようだ。
そのような講義体験を本にしたものだ。
これは東大生に限った話題ではないだろうが、
東大生の特性を示しているのだろう。
なかなか面白かった。

2011年2月4日金曜日

020(710)巨大翼竜は飛べたのか: 2011.02.04

佐藤克文著「巨大翼竜は飛べたのか」
(ISBN978-4-582-85568-5 C0245)
を読んだ。
スケールと行動の関係を
データロガーによって解き明かしている。
データロガーを改良しながら、
興味の赴くまま、
いろいろな野生生物を対象に
フィールドワークをこなしていく。
興味の赴くままテーマを変えていき、
フィールドにこだわるという点は、
私と似たところがある。
彼の打ち出す結論は、その分野の研究者の
常識を打ち破るものも多々ある。
その一環として、
巨大翼竜は飛べなかったのではないかというのだ。
古生物学者からの反論が起きている。
しかし、それはデータによる論理がある。
今度の展開が興味深い。

2011年2月3日木曜日

019(709)生命はなぜ生まれたのか: 2011.02.03

高井研著「生命はなぜ生まれたのか」
(ISBN978-4-334-98198-0 C0295)
を読んだ。
生命の起源について新しい視点を提示している。
なかなか面白いアイディアである。
ざっくばらんな書き方もなかなか面白い。
もうひとつの面白さは、
研究者の気持ちを素直に書かれている点もいい。
ヤッターとか、
世界で自分が一番だと、
しまったなどの失敗、
こんちくしょうとかなどなど。
心をもった人間が行う科学であるから、
論文では表われないが、
こんな感情が研究者にはある。
また高井氏の他の研究者評も面白い。

2011年2月1日火曜日

018(708)辺境生物探訪記: 2011.02.01

長沼毅・藤崎慎吾著「辺境生物探訪記」
(ISBN978-4-334-03575-4 C0245)
を読んだ。
日本の各地を巡り、辺境に見立てて
辺境の生物学、
あるいは生物の本質について対談していく。
なかなか面白い。
設定ではなく、話の内容である。
フィールドワーク、それも古細菌のような、
原始的な生物をテーマとしている
生物学者の話は面白い。

2011年1月30日日曜日

017(707)記念試合: 2011.01.30

室積光著「記念試合」
(ISBN978-4-09-386204-2 C0093)
を読んだ。
面白い。
著者は私と同世代だ。
小説の主人公が著者の父をモデルにしているようだ。
そしで自分の分身のスポーツライターがでてくる。
旧制高校は私も憧れるところがあり、
自分の大学時代ともシンクロするところがある。
読んでいるうちに、
そんなが思いが湧いてくる。

2011年1月29日土曜日

016(706)螺鈿迷宮: 2011.01.29

海堂尊著「螺鈿迷宮」
(ISBN4-04-873739-2 C0093)
を読んだ。
主人公は変わるが、
舞台は桜宮市。
医者や病院を中心に事件が起こり、
現在の医療の問題が浮き彫りにされる。
個性のある登場人物たち。
なかなか面白い。

2011年1月27日木曜日

015(705)犯人に告ぐ: 2011.01.27

雫井脩介著「犯人に告ぐ」
(ISBN4-575-23499-0 C0093)
を読んだ。
初めての作家である。
なかなか面白い話である。
少々つじつまが合わないところがあり
不満が残ることもあるが。

2011年1月24日月曜日

014(704)ドスコイ警備保障: 2011.01.24

室積光著「ドスコイ警備保障」
(4-04-898128-5 C0093)
を読んだ。
読み始めたら、
面白くて一気に読んだ。
ただ、ひねりがないので、
深みがないような気がする。
しかし、気楽に読めるのがいい。

2011年1月23日日曜日

013(703)手紙: 2011.01.23

東野圭吾著「手紙」
(ISBN4-620-10667-4C0093)
を読んだ。
強盗殺人犯の弟が、
通常の社会生活をする難しさを書いたもの。
本人はどんなに慎ましやかにいきても、
その経歴がその人生を邪魔をする。
そんな人間は、どう生きればいいのか。
そのひとつの答えが示されている。

2011年1月22日土曜日

012(702)マドンナ・ヴェルデ: 2011.01.22

海堂尊著「マドンナ・ヴェルデ」
(ISBN978-4-10-306572-2 C0093)
を読んだ。
前作「ジーン・ワルツ」
と並行した話である。
全く別の視点から書かれたものだ。
そして無難な解決策を提示する。
彼の作品は、背景や舞台が
過去の作品とどこかでリンクしている。
それも楽しみの一つか。

2011年1月20日木曜日

010(700)パラドックスの悪魔: 2011.01.20

池内了著「パラドックスの悪魔」
(ISBN978-4-06-216256-2 C0042)
を読んだ。
パラドックスに関する有名な内容を紹介している。
でも「時間・・・」と同様、
内容があまりない。
少々残念。

2011年1月18日火曜日

009(699)時間とは何か: 2011.01.18

池内了著「時間とは何か」
(ISBN978-4-06-214782-8 C0042)
を読んだ。
大人の絵本のようなもののシリーズ。
今回の内容は薄い。

008(698)回廊亭の殺人: 2011.01.18

東野圭吾著「回廊亭の殺人」
(ISBN4-334-02932-9 C0293)
を読んだ。
限られた場所でのミステリー。
ただし、外からの犯人を求めるが不可能。
殺人犯の視点でストーリが進む。
なかなか面白い。

2011年1月15日土曜日

006(696)理系人に役立つ科学哲学: 2011.01.15

森田邦久著「理系人に役立つ科学哲学」
(ISBN978-4-7598-1432-3 C1040)
を読んだ。
なかなか面白い。
確率の意味、
モデル、検証、反証など
これまでよく知っていたつもりの
科学哲学だが、
よく知らないこともあった。
しかし、内容には
なかなか理解出来ないものもあった。

007(697)「無限」の考察: 2011.01.15

足立恒雄著「「無限」の考察」
(ISBN978-4-06-215528-1 C0041)
を読んだ。
簡単そうな見かけにしている。
科学の絵本となっているが、
対象は大人だ。
数式はほとんど使われていないが、
内容は難しい。
ちょうしゃの説明では、
無限の概念が網羅されている
とのことである。
たしかに、なかなか骨のある内容であった。

2011年1月8日土曜日

005(695)探偵倶楽部:No. 3537 2011.01.08

東野圭吾著「探偵倶楽部」
(ISBN4-04-371802-0 C0193)
を読んだ。
短篇集であるが、
探偵倶楽部という2名の人物が出てくるが、
あまり存在感を示さない。
しかし、謎解きは彼らが行う。
個々の話は、東野氏の作品なので
面白いのだが、
どうも短編はすぐに終わるので、
読後感が軽く感じる。

2011年1月6日木曜日

004(694)パラレルワールド・ラブストーリー: 2011.01.06

東野圭吾著「パラレルワールド・ラブストーリー」
(ISBN4-06-263725-1 C0193)
を読んだ。
友情と恋愛に迷う登場人物たち。
過去と現在が複雑に入り混じるが、
そこは東野氏の作品で、
混乱することなく読みきれいる。
過去と現在の記憶が違っている。
その謎が、最後に解き明かされる。
引きこまれていく小説であった。

003(693)変身: 2011.01.06

東野圭吾著「変身」
(ISBN4-06-185698-7 C0193)
を読んだ。
世界初の脳移植をテーマにして、
移植した脳の人格が
本来の人格を犯していくという内容である。
その変化の様子がさすがと思わせる。
引きこまれていく小説であった。

002(692)はやぶさ物語: 2011.01.06

的場泰宜著「小惑星探査機はやぶさ物語」
(ISBN978-4-14-0883330-3 C0244)
を読んだ。
近くでこのプロジェクトを見守っていた
的場氏のはやぶさについてのストーリである。
プロジェクトとは一歩引いたところで
はやぶさ、そして科学者たちを見てきた人が
語るはやぶさ物語は、
それなりの面白さがあった。
そして筆のたつ的場氏だから
私のように何冊かの類似の本を読んでも
面白さをもって読めた。

001(691)宿命: 2011.01.06

東野圭吾著「宿命」
(ISBN4-06-185444-5 C0193)
を読んだ。
刑事、ライバルの同級生、もと恋人
三人の人間模様が複雑に織り成される中、
殺人事件の真相が明らかになっていく。
それはいつもの東野小説と同じように、
どんでん返しと意表を付いた結末になる。
面白かった。