2011年12月31日土曜日

127(817)鉱石倶楽部: 2011.12.31

長野まゆみ著「鉱石倶楽部」
(ISBN4-16-767930-2 C0193)
を読んだ。
不思議な本である。
著者自前の鉱物の結晶を題材にした
詩的な小説、あるいは散文詩のような物語。
そこに、鉱物の写真がある。
不思議な味わいのある本である。
鉱物としては、それほどきれいないものではないが、
専門家、マニアには
もう少し良い結晶がほしいところだが、
著者の思い入れのあるところが、
この鉱物と物語のセットにある。
不思議な記憶に残る本であった。

2011年12月30日金曜日

126(816)いちばんやさしい地球変動の話: 2011.12.30

巽好幸著「いちばんやさしい地球変動の話」
(1ISBN978-4-309-25258-2 C0044)
を読んだ。
非常にわかりやすくかかれた本である。
巽さんは最近マスコミに登場しだしたので、
このような本の依頼があったのだろう。
そして3.11の影響で、専門外の地震についても
紹介している。
少々無理がある様な部分でも、
巽氏の本は読みやすい。
そして刺激をうける。
いい本であった。

2011年12月23日金曜日

125(815)周極星: 2011.12.23

幸田真音著「周極星」
(ISBN978-4-12-003730-6 C0093)
を読んだ。
上海を舞台にした
日本の銀行と中国経済に関するストーリーである。
中国と日本を狭間に生きる男女の
ストーリーが散りばめられている。
全体としては面白いが、
何か物足りなさを感じる。
最後に大きな事件があるのに
物足りなく感じる。
他の経済小説より、
私好みの波乱が少ないからなだろうか。

2011年12月18日日曜日

124(814)吾輩はシャーロック・ホームズである: 2011.12.17

柳広司著「吾輩はシャーロック・ホームズである」
(ISBN978-4-04-382903-3 C0193)
を読んだ。
夏目漱石が精神を病み、
シャーロック・ホームズだと思い込み、
ホームズ不在中のワトソンと組んで、
事件に立ち向かう。
彼の推理はピント外れ、
しかし、その想像性は強く、
後の作家の片鱗を見せる。
そんな不思議な設定で
ストーリは面白く展開する。
柳氏の作品は二作目だが
なかなか面白い。

2011年12月14日水曜日

123(813)吉田キグルマレナイト☆: 2011.12.14

日野俊太郎著「吉田キグルマレナイト☆」
(ISBN978-4-10-331471-4 C0093)
を読んだ。
なかなか面白い。
実体験に基づく話のようで、
展開も引き込まれる。
新人の作品と思えない確かさをある。
ただし、一番のクライマックスが
少々演出不足だ。
そこだけが残念だった。

2011年12月11日日曜日

122(812)舶来屋: 2011.12.11

幸田真音著「舶来屋」
(ISBN978-4-10-463305-0 C0093)
を読んだ。
はじめての作者だ。
戦後から新しい輸入小売を
独自に始めた人の立身物語である。
その内容が実話に基づいているので、
面白く読めた。
ただ、その物語が継続するので
ストーリーの波が穏やかで読みやすいが、
読後感が小さく感じる。
実話に基づいているためだろうか。

2011年12月4日日曜日

121(811)県庁おもてなし課 2011.12.04

有川浩著「県庁おもてなし課」
(ISBN978-4-04-87182-8 C0093)
を読んだ。
おもしろい。
高知県が実際に取り組んだことを
きっかけに出来上がった小説だ。
どこまで事実か、
どこからがフィクションかがさらに面白さを増す。
そして高知県だけでなく、
どのような地方でも適用可能な発想である。
しかし、私は、高知への身近さ、
愛着などがあるので、
よけいに興味があった。