2014年1月30日木曜日

13(1042) アフリカにょろり旅: 2014.01.30

青山潤著「アフリカにょろり旅」
(ISBN978-4-06-276239-7 C0195)
を読んだ。
東大海洋研のナマズ研究チームが
アフリカでナマズを探す話である。
世界に18種のナマズいることが知られているが、
アフリカのナマズは100年前に調べられて以来
まったく研究がなされていない。
現代に通じる研究をするために、
標本が必要となるので、
それを手に入れるために、
最初は教授とともに、
あとは大学院生二人が
ウナギを求めて、
あてどなくアフリカの奥地の放浪を繰り返す。
そんな苦労話である。
研究者の苦労話はなかなか面白い。

2014年1月28日火曜日

12(1041) 政と源: 2014.01.28

三浦しをん著「政と源」
(ISBN978-4-08-780685-4 C0093)
を読んだ。
東京の下町の73歳の
幼なじみの二人にまつわる
身近な話が続く。
政は銀行を定年退職して、
源はつまみ簪をつくる職人だ。
好対照の二人にかかわる
ありふれた物語が進行する。
ほのぼのとしていい話だ。

2014年1月26日日曜日

11(1040) ねずみ石: 2014.01.26

大崎梢著「ねずみ石」
(ISBN978-4-334-76361-9 C0193)
を読んだ。
町外れの山間の小さな集落での
子供たちの某麺ミステリーだ・
子供たちが村祭りの儀式のひとつ
ねずみ石探し今もやっている。
ねずみ石をめぐり、
過去の殺人事件に関わっていく。
やがて昔の事件の犯人が
以外な人物であることがわかってくる。
村の祭りのなかで行われた
昔の殺人事件というと
横溝正史のおどろおどろした感じが漂う。
子供が主人公であることが斬新であり、
ストーリもそれなりに面白かった。

2014年1月22日水曜日

10(1039) 化石の分子生物学: 2014.01.22

更科巧著「化石の分子生物学
生命進化の謎を解く」
(ISBN978-4-06-288166-1 C0245)
を読んだ。
分子生物学の動向、原理、歴史から
化石への適用の物語である。
論文を丹念に調べ、
どのような議論をへて、
どのような結論に至ったのか
その成功も失敗も交えて示されている、
非常に面白い本であった。

2014年1月19日日曜日

9(1038) 片耳のうさぎ: 2014.01.19

大崎梢著「片耳のうさぎ」
(ISBN978-4-334-74677-3 C0193)
を読んだ。
ジュビナイルのホラー・サスペンスだろうか。
子供が主人公なので
その点、恐怖も和らぐ。
なかなか面白いが、
少々こじつけの部分もある。

2014年1月15日水曜日

8(1037) かがみのもり: 2014.01.15

大崎梢著「かがみのもり」
(ISBN978-4-334-76621-4 C0193)
を読んだ。
中学校と神社、新興宗教などを題材にした
ジュビナイル小説である。
冒険物語とも読み取れる。
少々スリラーめいているが
なかなか面白い。

2014年1月14日火曜日

7(1036) 「流域地図」の作り方: 2014.01.14

岸由ニ著「「流域地図」の作り方
川から地球を考える」
(ISBN978-4-480-68907-8 C0225)
を読んだ。
基本的考えはRiver Nameと同じ発想である。
著者は、活動をすることが
重要であると考えているようだ。
流域という考えは重要で
行政区での防災などでは
対処できない領域となる。
そのような考えが
自然を守ることにもつながる。
三浦半島の小網代の谷でも実践している。
そんなナチュラリストの必要なのだ。

2014年1月12日日曜日

6(1035) 顔のない男: 2014.01.12

北森鴻著「顔のない男」
(ISBN4-16-765681-7 C0193)
を読んだ。
非常に複雑な伏線がはられている。
多くの殺人が起きる。
キーになる人物や証拠品が出てきて
それが謎の中心になっている。
この一見、編にみる小説が、
半年に一回の月刊誌連載であったと知ると、
作者の手腕のすごさがわかる。
これは、単独の作品だ。
他のシリーズ連作の作品の味わいには達していない。
もちろん長編とし読んでも面白く、
最後のどんでん返しも用意されている。
さすがに北森作品であるといえるものである。
彼の作品はあと少ししか残っていない。
味わいながら読んでいこう。

2014年1月9日木曜日

5(1034) 理科系冷遇社会: 2014.01.09

林幸秀著「理科系冷遇社会
沈没する日本の科学技術」
(ISBN978-4-12-150366-4 C1237)
を読んだ。
文部官僚として日本の科学行政に
携わった人が書いた
日本の科学への警鐘を示している。
データに基づいた、
重要な現状分析である。
最後に対応策を示してる。
しかし、高級文部官僚であった著者が
それを実現できなかったのは問題だ、
行政の中枢にたい人ができない対策が
本当に実施可能なのかという
根本的な疑問がある。

2014年1月7日火曜日

4(1033) お任せ!数学屋さん: 2014.01.07

向井湘吾著「お任せ!数学屋さん」
(ISBN978-4-591-13494-8 C0093)
を読んだ。
中学生で数学に秀でた転校生が、
数学屋をはじめる。
数学屋は、学校で起こる
いろいろな問題を数学で解決していく。
彼のモットーは、
数学で世界を救うことである。
数学の話題が
いろいろでてくるが
基本は学園モノである。
なかなかおもしろい設定であった。

2014年1月4日土曜日

3(1032) ガラパゴスがこわれる: 2014.01.04

藤原幸一著「ガラパゴスがこわれる」
(ISBN978-4-591-10036-3 C0095)
を読んだ。
写真集で、ガラパゴスの危機的状況を伝えている。
きれいな写真とショッキングな写真がある。
しかし、これが現状だ。

2(1031) 生命の逆襲: 2014.01.04

福岡伸一著「生命の逆襲」
(ISBN978-4-02-331195-4 C0095)
を読んだ。
週刊誌に連載された短いエッセイを集めたものだ。
短いから、小さな話題をさらりと述べる構成だ。
少々もの足りなさ、もう少し詳しく知りたいと
思える話題も多々あった。
一応、いくつかに区分けはされているが、
その括りは緩い。
グールドのエッセイ集のような構成だ。
ただしグールドのエッセイは内容が濃いので、
括りを忘れるほどだ。
しかし、こんな軽さのエッセイもあっていいのだろう。

2014年1月1日水曜日

1(1030) 波紋と螺旋とフィボナッチ: 2014.01.01

近藤滋著「波紋と螺旋とフィボナッチ」
(ISBN978-4-7809-0869-5 C3045)
を読んだ。
実に、面白い。
科学にこのようなテーマを調べている
このような調べ方をしている
分野や研究者があることに驚いた。
一種の実験進化学ともいえるだろう。
テーマが面白く、
その証明法も面白い。
研究対象も多様で面白い。
実験して検証できること、
数値モデルで仮説を立てられることも面白い。
基本理論の一つがチューリングまで遡ることも面白い。
研究者の少ない分野であることも面白い。
発想のアプローチも面白い。
本の面白さもさることながら、
研究分野の面白さに感動した。