2015年12月29日火曜日

120(1336) フェルメール全点踏破の旅: 2015.12.29

朽木ゆり子著「フェルメール全点踏破の旅」
(ISBN4-08-720358-1 C0271)
を読んだ。
フェルメールのファンには
一度はやりたい全点踏破だた、
私は、それほどファンではない。
しかし、フェルメールには興味があった。
現在技術を駆使した
複写による全作品を
展示するという展覧会にいった。
なかなかすばらしく、
それからフェルメールに関する
本を読むことにした。
これが最初の作品だ。
盗まれた作品に対する顛末の本も
あるのでそうなので気になるところだ。

2015年12月26日土曜日

119(1335) ぼくらの民主主義なんだぜ: 2015.12.26

高橋源一郎著「ぼくらの民主主義なんだぜ」
(ISBN978-7-02-273614-7 C0295)
を読んだ。
朝日新聞の論壇時評に連載されたものを
新書にしたものである。
答えが出ない問題、
どこかおかしい世論、
間違ったマスコミの判断
気づきにくい考え方
などを論じている。
世の中にはよく考えると
おかしいこと、間違ったことが
いろいろあるものだ。
しかし、そんなことには、
言い難いこと、いっても届かいことがある、
そんなもろもろを
どうどうと述べた時評である。
いろいろ考えされられることがあった。
ひとつひとつは短い部文章だが、
一度に読むと重い内容で
連続的に読めないものであった。

2015年12月24日木曜日

117(1333) サウダージ: 2015.12.24

垣根涼介著「サウダージ」
(ISBN978-4-16-768602-4 C0193)
を読んだ。
ヒートアイランドシリーズの三冊目である。
きつい表現が気になる。
今回は計画が最後のミスが起こる。
これはそのような人材が加わったからだ。
しかしそこにはそれなりの人情もからんである。
少々内容が激しいのこの方向性はなじめない。

2015年12月21日月曜日

116(1332) ノンフィクションは死なない: 2015.12.21

佐野眞一著「ノンフィクションは死なない」
(ISBN978-4-7816*5032-6 C0230)
を読んだ。
佐野氏は橋下事件で大きな痛手を受け、
ノンフィクション全体へもダメージを与えた。
その経緯やノンフィクションへと
至る自分の履歴も書かれている。
佐野氏の作品には少々独善的、
強引なところもあるのだが、
本で提示しているテーマは面白い。
主だったものは一通り読んでいる。
調べて書ているプロセスが面白い。
多分初出が週刊誌連載という形式を
とっているからかもしれない。
これからは、単行本を発表の場に
するとのことだから、
結論ありきの執筆になる。
すると彼の持ち味が
どこまで発揮できるのか。
少々心配だ。
なんとか起死回生の
新作を発表してほしいものだ。
私は、まだ読むべき本もいろいろある。

2015年12月18日金曜日

115(1331) ギャングスター・レッスン: 2015.12.18

垣根涼介著「ギャングスター・レッスン
ヒートラインドII」
(ISBN978-4-16-768603-1 C0193)
を読んだ。
ヒートアイランドの続編である。
大藪春彦を思わせるがもっと軽い。
結構後の後日談が蛇足だった。
しかし前半は面白かった。

2015年12月16日水曜日

114(1330) よろずのことに気をつけよ: 2015.12.16

川瀬七瀬著「よろずのことに気をつけよ」
(ISBN978-4-06-217143-6 C0093)
を読んだ。
呪いを専門とする文化人類学者と
被害者の娘が主人公の物語である。
前に読んだ作品とともに面白い内容であった。
52回の江戸川乱歩賞を受賞した作品なので
はずれはない。
他の作品も続けて読んでいきたい。

2015年12月11日金曜日

113(1329) 一千兆円の身代金: 2015.12.11

八木圭一著「一千兆円の身代金」
(ISBN978-4-8002-3652-4 C0193)
を読んだ。
このミステリーがすごい大賞の受賞作である。
とんでもない身代金の誘拐事件をあつかったものだ。
この金買は、日本政府の国債発行額で、
次世代に押し付けた借金の額である。
その身代金を払えないなら、
これをおこなった、政府の責任を謝罪と
今後の財政再建の方針を
示すことが条件とした。
個人の国を相手にした
誘拐事件である。
犯人とそれを捜査する警察などの
さまざまな登場人物の視点で語られ続ける。
読みにくいかなと思ったが、
作者がうまいのでしっかりと読めた。
なかなかおもしろかった。

2015年12月5日土曜日

112(1328) シンクロニシティ: 2015.12.05

川瀬七瀬著「法医昆虫学捜査官 シンクロニシティ」
(ISBN978-4-06-293138-0 C0193)
を読んだ。
法医昆虫学捜査官の第二弾である。
法医昆虫学者の赤堀と刑事の岩楯のコンビが
今回もでてくる。
学者が事件を解決する設定が面白い。
他のシリーズもあるようなので読んでみたい。

2015年12月2日水曜日

111(1327) ヒートアイランド: 2015.12.02

垣根涼介著「ヒートアイランド」
(ISBN4-16-768601-5 C0193)
を読んだ。
ストリートギャング、闇の金を狙うプロの窃盗団
取られた暴力団。
それぞれの立場で金をめぐって競い合う。
裏を読みながら作戦を考える。
クライム・サスペンスとアクションが混じった
面白い小説であった。

2015年11月27日金曜日

110(1326) 原子炉の蟹: 2015.11.27

長井彬著「原子炉の蟹」
(ISBN4-978-4-06-277111-5 C0193)
を読んだ。
1981年の江戸川乱歩賞の新装版である。
35年前のミステリーを2011年に新装版ででてきた。
内容自体はミステリーだが、
現場が原子炉建屋も密室。
背景が土地買収や原子村の人々。
現在に通じる背景である。
しかし、やはり背景が中途半端に古いので
少々違和感がある。

2015年11月23日月曜日

109(1325) 法医昆虫学捜査官: 2015.11.23

川瀬七瀬著「法医昆虫学捜査官」
(ISBN978-4-06-277890-9 C0193)
を読んだ。
昆虫の種類や分布、生態などを
事件解決の手段にしていく法医昆虫学。
その専門館の赤塚先生と
ハードボイルドの警官の掛け合いから
事件が解決していく。
なかなか軽妙で面白い設定である。
続巻もあるので
読んでみたいものだ。

2015年11月18日水曜日

108(1324) 金色のゆりかご: 2015.11.18

佐川光晴著「金色のゆりかご」
(ISBN978-4-334-92612-0 C0093)
を読んだ。
望まない妊娠と出産をした高校生。
研修医と高校生のかかわり。
海外養子斡旋の闇。
産婦人科医の減少。
多様な課題が込められている。
佐川の作品は面白い。

2015年11月16日月曜日

107(1323) コズミック・マインド: 2015.11.16

西垣通著「コズミック・マインド」
(ISBN978-4-00-022887-9 C0093)
を読んだ。
銀行統合に際して、
両行のSEがプログラムをすり合わせをしていく。
そのとき、小さい銀行のSEたちの物語である。
不正の処理のプログラム、
だれが組み込んだのが、
今後どう処理するか。
左遷されたSE、新しいSE、
大きい銀行から派遣されたSE
いくつかの人脈も入り乱れる。
シナリオは面白いのだが、
コズミック・マインドのテーマが
はっきり伝わらず、
展開と登場人物の魅力が
もう一つであった。

2015年11月13日金曜日

106(1322) 夏帽子: 2015.11.13

長野まゆみ「夏帽子」
(ISBN4-309-40704-8 C0193)
を読んだ。
理科の臨時教師が
各地の小学校を回る。
そこでいろいろな自然、
その地の子どもとの
ゆるく不思議な関係を物語にしている。
宮沢賢治を彷彿とさせる語り口である。

2015年11月12日木曜日

105(1321) 学校のセンセイ: 2015.11.12

飛鳥井千砂著「学校のセンセイ」
(ISBN978-4-591-12098-9 C0193)
を読んだ。
名古屋の私立中学校の教員にった主人公。
何事にも面倒くさいと思っている。
口にしていることと、独白が混在して
物語として進む。
なかなか面白い
人の教師ととして、大人としての
成長物語である。

2015年11月11日水曜日

104(1320) くちびるに歌を: 2015.11.11

中田永一著「くちびるに歌を」
(ISBN978-4-09-386317-9 C0093)
を読んだ。
五島列島にある中学校の合唱部が
NHKの合唱コンクールに出場する話だ。
音楽の先生が産休に入り
代わりの臨時教員がくる。
そのせいで、3年生になってから
にわかに部員になる学生が何人かいた。
「手紙ー15才の君に」が課題曲である。
それと同じように部員に
手紙を書くこととがいいわたされる。
何人かが代わる代わる語り手になり
話が進んでいく。
そこがわかりにくい。
青春物語であるが、
少々物足りなさがあった。

2015年11月8日日曜日

103(1319) チップス先生 さようなら: 2015.11.08

ヒルトン著「チップス先生 さようなら」
(ISBN4-10-206201-7 C0197)
を読んだ。
19世紀末から20世紀に初頭。
イギリスのパブリック・スクールで
長年古典の教師を務めたチップス先生の
回想によって展開される物語である。
当時の時代を背景して、
老教師と生徒、先生が体験した学校での出来事を
チップスのユーモア、洒落で回想していく。
独身だと思われていた結婚していた時期があり
まれに奥さんを覚えている生徒が訪れてきたりする。
校長の退職勧告に激高し学校が味方をしてくれこと。
いろいろな回想によって展開される物語だ。
こんな先生としての一生もいいかもしれないが、
なかなか難しいだろうな。
ちなみの「チップス先生さようなら」
ということばは、
奥さんが結婚する直前の別れ際に言った挨拶と
新入生が先輩たちにだまされてチップスの下宿にいって
それにチップスがうまく対応した。
その生徒が帰るときにいった挨拶であった。
そのあとチップスは息をひきとる。

2015年11月7日土曜日

102(1318) 鉄童の旅: 2015.11.07

佐川光晴著「鉄童の旅」
(ISBN978-4-408-53638-5 C0093)
を読んだ。
佐川氏の作品はどれも面白い。
鉄童とよばれる不思議な少年。
その少年が大人になって
鉄道に関係する仕事につく。
彼の作品は自分の経歴を
反映しているのかとおもえるほど
リアリティがある。

2015年11月6日金曜日

101(1317) 感傷コンパス: 2015.11.06

多島斗志之著「感傷コンパス」
(ISBN978-4-04-873776-0 C0093)
を読んだ。
小学校の昭和30年、
伊賀の田舎の小学校に赴任した
新任教員の話である。
課題図書とにしようかなと思って読んだが
そのようなタイプの本ではなかった。
作品してはなかなか良かった。

2015年11月4日水曜日

100(1316) 力学の発見: 2015.11.04

高野義郎著「力学の発見
ガリレオ・ケプラー・ニュートン」
(ISBN978-4-00-500738-7 C0242)
を読んだ。
ガリレオからニュートンにいたる
古典力学の成立までの
思考と人の歴史、
そして著者が訪れた縁の地の
話題が混在している。
それなりに面白いが、
紀行のだけのほうが面白そうである。
他の著書を読んでみたくなった。

2015年10月31日土曜日

99(1315) EndNote活用ガイドデジタイル文献整理術: 2015.10.31

讃岐美智義著「EndNote活用ガイドデジタイル文献整理術第4版」
(ISBN978-4-7719-0360-9 C3040)
に目を通した。
前のホント同じ動機だ。

98(1314) EndNote100の裏ワザ: 2015.10.31

富澤康子著「EndNote100の裏ワザ」
(ISBN978-4-87962-382-9 C3055)
に目を通した。
EndNoteのお試し版を使っている時
以前使っていたMendeleyとの違いを
知りたかったからだ。

97(1313) 超訳「哲学用語」事典: 2015.10.31

小川仁志著「超訳「哲学用語」事典」
(ISBN978-4-569-67673-9 C0110)
を読んだ。
なかなかおもしろい本である。
哲学の用語を、普段使いの言葉にして
解説したものである。
なかなかいい企画だが、
概観するのににはいい本である。
哲学用語の難解さにも
歴史を感じ、面白みがあるのだが。

2015年10月28日水曜日

96(1312) 本棚探偵の冒険: 2015.10.28

喜国雅彦著「本棚探偵の冒険」
(ISBN4-575-71290-6 C0195)
を読んだ。
漫画家である喜国氏が
ミステリィーの古本にはまり、
その道を邁進する話である。
マニアの世界が展開されている。
マニアは自分の興味があれば
その道への行動力はすごいものがある。
そんなマニアな人を
遠目で眺めているのは楽しい。
もちろんマニアは
その行為自体も楽しんでいるのだろうが。

2015年10月24日土曜日

95(1311) 空より高く: 2015.10.24

重松清著「空より高く」
(ISBN978-4-12-004423-6 C0093)
を読んだ。
今年限りで廃校になる高校の3年生の物語。
二学期に非常勤の先生が赴任する。
終わろうとする学校なのに元気な先生がくる。
そんな先生に釣られて
何かを始めようとする学生がでてくる。
終わりからはじめようとする青春物語。

2015年10月22日木曜日

94(1310) ゼロの迎撃: 2015.10.22

安住正著「ゼロの迎撃」
(ISBN978-4-8002-3822-1 C0193)
を読んだ。
前作とにた作風だが、
本作は、東京が他国軍に攻撃を受けたという
設定の話である。
日本が現在抱えている問題を
浮き彫りにしているでもある。
なかなか面白いものである。
そして現実に連携している終わりがあり、
続編があってもいい気がする。
そんな作品である。

2015年10月18日日曜日

93(1309) 川相昌弘: 2015.10.15

吉田武著「川相昌弘 背番号0闘志∞」
(ISBN4-583-03177-7 C0075)
を読んだ。
吉田氏の作品である。
多分、この本があの吉田武氏のものだと
知っているいる人は少ないだろう。
まして手に入りにくい本なので
数学関係、現在の吉田武のファンで
読んでいる人は少ないだろう。
彼の著作は、綿密な取材、データに基づき、
その対象に心酔することである。
その熱は同社にも伝わる。
私は、川相選手や巨人軍、
プロ野球にも興味がない。
しかし、この本は興味深かった。

2015年10月16日金曜日

92(1308) VTJ前夜の中井祐樹: 2015.10.16

増田俊也著「VTJ前夜の中井祐樹」
(ISBN978-4-7816-1270-6 C0095)
を読んだ。
増田氏は北大柔道部を
中心に執筆している。
もとはシャトゥーンから
はじまった小説家だったが、
今ではまったく違う世界観をもって
執筆をされている。
それが私には面白い。
この本では、今後の小説?群
あるいはノンフィクションも含めての
道標も示されている。
期待したいものだ。

2015年10月15日木曜日

91(1307) 生命の星の条件を探る: 2015.10.15

阿部豊著「生命の星の条件を探る」
(ISBN978-4-16-390322-4 C0095)
を読んだ。
著者の阿部さんは知り合いだ。
阿部さんは着実に研究を
進めていたことが
この本を通じてわかった。 。
不自由な条件でも
研究を続けておられたのだ。
その姿勢に敬服する。
生命誕生の条件を
天文学の新知見と地球を素材にし、
自分たちのシミュレーションの成果を加えて
新たな進展を紹介されている。
わからないこと、不確かなことは
正直に表明され、
その上で言えることを述べられている。
真摯な姿である。
今度は教科書を書きたいを意欲を持っておられる。
期待したいものだ。

2015年10月11日日曜日

89(1305) 新世界: 2015.10.11

柳広司著「新世界」
(ISBN978-4-04-382901-9 C0193)
を読んだ。
原爆開発をしていたロスアラモスを舞台にした小説である。
ただし、設定も内容も複雑なものである。
書いた人は、研究総括者のオッペンハイマーだが
友人の科学者のイザドア・ラビが
叙述している形式である。
その原稿が発見され
柳が手にいれ翻訳したという設定である。
一人の作業員がロスアラモスの病室で殺害された。
それをオッペンハイマーに頼まれたラビが捜査することになる。
柳は、原爆を落としたアメリカ人、原爆を作った科学者、
軍人や正論の世界、妄想か現実がわからない人物、
などが複雑に入り乱れる。
そして原爆や原発事故の恐怖、
不思議が寓話の引用、
なぜが福島第一を想起される記述さえある。
いろいろな要素が混在する。
不思議な小説であった。

2015年10月9日金曜日

88(1304) Excelピボットテーブル大事典: 2015.10.09

寺田裕司著「Excelピボットテーブル大事典」
(ISBN978-4-86354-060-6 C2004)
を見た。
ピボットテーブルのさまざまな使い方が示されている。
実際に使ってみるしか身につかないはずだ。
初歩的な集計、とりまとめから
統計処理、作図、データベースとの連携まで
いろいろなことができるようだ。
机上ではだめだ。
体験的に学ばなければ。

2015年10月7日水曜日

87(1303) 21世紀地球寒冷化と国際変動予測: 2015.10.07

丸山茂徳著「21世紀地球寒冷化と国際変動予測」
(ISBN978-4-7989-1293-6 C1040)
を読んだ。
複雑な経緯の本である。
「「地球温暖化論」に騙されるな」を
英語版に大幅に改定して
翻訳した吉田勝氏がその英語版を
再度日本語に翻訳したものである。
2015年に出版されたもので
内容的には古い部分もあり、
一部は訳注などがつけられているが、
残念なところもある。
しかし、丸山氏には
もっと独創的で奇抜なアイディアを
いっぱい提示してもらいたい気もする。
だから、細かい点については
周辺の協力者が
深めていけばいいような気がする。
この本もそんな路線になっている。

2015年10月3日土曜日

86(1302) Excel2013ユーザー・ハンドブック: 2015.10.03

金白俊哉著「Excel2013ユーザー・ハンドブック
グラフ表現&マクロ作成&ピボットテーブル活用技」
(ISBN978-4-7980-3940-4 C3055)
を走り読み。
ピボットテーブルに関する部分を読んで
理科を深める。
実際に体験、実践することが本当が一番なのだが。

85(1301) 3・11本当は何が起こったか: 2015.10.03

丸山茂徳著 「3・11本当は何が起こったか:
巨大地震と福島原発
科学の最前線を教材にした
暁星国際学園「ヨハネ研究の森コース」の教育実践 」
(ISBN978-47989-0129-9C3037)
を読んだ。
丸山氏が力を入れて行っている
教育活動の一環だ。
なかなかおもしろい教育である。
小学生から高校生まで
丸山氏の講演と学生との質疑応答で
5時間に及ぶ記録だ。
高校生のレポートも2つ掲載さている。
いずれも単なる知識だけんでなく
自分の考え、実践、体験が守られている。
面白いレポートである。
このような不思議な教育の場が
成立した背景も示されている。

84(1300) ペンローズの<量子脳>理論: 2015.10.03

ロジャー・ペンローズ著
竹内薫・茂木健一郎訳・解説
「ペンローズの<量子脳>理論」
(ISBN4-4480-09006-1 C0140)
を読んだ。
ペンローズの論文1編、
各分野の専門家への反論
の翻訳を中心に
当時、新進の脳科学者の茂木健一郎
駆け出しのサイエンス・ライターの竹内薫が
それぞれの個性をむき出しに解説している。
ペンローズの論旨もさることながら、
両者の個性がにじみ出ている。
やはりペンローズの知性は
一段上を言っているようの思う。
彼の思い描いている理論、アイディアが
検証されるとの大分先のようだが
新たな天才を待つしかないのだろう 。

2015年10月2日金曜日

83(1299) 伝わるデザインの基本: 2015.10.02

高橋佑磨・片山なつ著「伝わるデザインの基本
良い資料を作るためのレイアウトのルール」
(ISBN978-4-7741-6613-1 C3055)
を読んだ。
以前、PowerPiontで使用する
フォントを考えるとき
ネットで探していた時に
見つけたサイトがあり、
それでフォントやデザインを参考に
構成 していたところがあった。
別の機会に書店にいったとき、
デザインのハウツー本で
わかりやすい本を見つけたので購入した。。
読んでいるうちに
どこかで見た内容だと思ったら
実はサイトの内容が
書籍化されたものだった。
購入したので空き時間に
ポツリポツリと読んでいた。
それが読み終わった。
実際にはデザインは
なかなかうまくいかないのものだ。

2015年9月25日金曜日

81(1297) 現代科学論: 2015.09.25

井山弘幸・金森修著「現代科学論
科学をとらえ直そう」
(ISBN978-4-7885-0740-1 C1040)
を読んだ。
二人の著者がそれぞれ違った考えで
本書を執筆している。
前半は科学論を歴史的視点で
総括的にまとめられている。
科学論のポータルとして
非常に参考になる。
後半はいろいろな現代的問題を
著者の考えでまとめている。
読むのに時間がかかったが、
なかなか参考になった。

2015年9月12日土曜日

79(1295) 梟のシエスタ 2015.09.12

伊与原新著「梟のシエスタ」
(ISBN978-4-334-91038-9 C0093)
を読んだ。
伊与原氏の作品である。
短編集で、夜型の大学教員の不思議な物語である。
決していいことばかりをするわけでなく
悪役のようなこともする。
しかし、予定通りに深遠な謀略を巡らす。
なかなかおもしろいものだった。

2015年9月11日金曜日

78(1294) 蝶が舞ったら、謎のち晴れ: 2015.09.11

伊与原新著「蝶が舞ったら、謎のち晴れ
気象予報士・蝶子の推理 」
(ISBN978-4-10-180038-7 C0193)
を読んだ。
幼なじみの民間の気象予報官と
私立探偵の主人公との
気象に関する短編ミステリィである。
気象の説明は科学的だが、
ミステリィが少々物足りない気がする。
しかし、伊与原氏の小説なので
無条件に読んでしまう。
好きな作家になっているようだ。

77(1293) 相田家のグッドバイ: 2015.09.11

森博嗣著「相田家のグッドバイ」
(ISBN978-4-344-02135-8 C0093)
を読んだ。
森氏の両親をモデルとした
私小説のようだ。
もちろん小説なので
設定は事実は少々変わっている。
かなりの部分が
事実に基いているようだ。
それはさておき、
なかなかユニークな親である。
両親の個性的な思いが、
ものや行動に込められている。
何も大きなことは起きないが、
淡々として静かないい物語だ。

2015年9月7日月曜日

76(1292) 高千穂の神楽: 2015.09.07

高千穂観光協会「祈りと伝承の里
高千穂の神楽」
を購入。
神楽すべての説明と
きれいな写真で紹介している。
これをもってみると、
神楽も一段と楽しめそうだ。

75(1291) 高千穂の神社: 2015.09.07

高千穂観光協会「神々の坐す里
高千穂の神社」
(ISBN978-4-9906095-0-4 C0026)
を購入。
神楽の始まるまでパラパラと見る。
地元の神社のこと、神話、神々や
神式のこと、などいろいろ書かれている。
きれいな写真とともに作成されている

74(1290) 科学者たちの奇妙な日常: 2015.09.07

松下祥子著「科学者たちの奇妙な日常」
(ISBN978-4-532-26030-9 C1240)
を読んだ。
職業として研究者をしている自分にとって、
確かに、と心あたりがあるところも多々あった。
そんなことない、とおもえることもあった。
しかし、分野が違うかもしれないが
こんな世界であったことをも思う。
現状の自分はそこから一歩引いていたが
それでも、似た世界にいることを感じる。
なかなかおもしろい本であった。
ところでこの人、まだ専任講師なの。
私学だったら教授でもおかしくないのに、ともおもってしまう。

2015年9月6日日曜日

73(1289) ここまでわかった宮崎の大地: 2015.09.06

高速の無料区間をだいぶ進んだので
目的地にの手前の道の駅に寄った。
地方出版の本のコーナーがあり、
そこで、地質に関係する書籍があった。
もちろん、購入した。
青山尚友著「ここまでわかった宮崎の大地
大地の遺産と地震・噴火災害[増補新装版]」
(ISBN978-4-86061-549-9 C0044)
ホテルで内容をよく見たら、
目的の地の詳しい説明が
あまり書いてなかった。
残念であった。
しかし、資料としては重要だ。

2015年9月5日土曜日

72(1288) ジョーカー・ゲーム 2015.09.05

柳広司著「ジョーカー・ゲーム」
(ISBN978-4-04-382906-4 C0193)
を読んだ。
戦前の陸軍中野学校をモデルにした、
インテリジェンス短篇集である。
なかなかおもしろい、
毎回違ったスパイたちが登場し、
不思議なストーリーが展開する。
あまり短篇集は読まないのだが、
巧者の手による短編は面白いものだ。

2015年9月2日水曜日

71(1287) 工学部・水柿助教授の逡巡: 2015.09.02

森博嗣著「工学部・水柿助教授の逡巡」
(ISBN978-4-344-41039-8 C0193)
を読んだ。
私小説的であるが、
冗長な部分が多々ある。
もしかすると、そこにこそ
創造性があるのかもしれない。
質素な生活を続けながらも
膨大な印税にも左右されない
生活をしている著者。
もちろんフィクションなので
どこまで本当のことかわかならないが
著者の生活、正確の一面を
見た気がする。
シリーズの二作目だが
不思議な雰囲気を漂わせた小説であった。

2015年8月30日日曜日

70(1286) 地球を突き動かす超巨大火山: 2015.08.30

佐野貴司著「地球を突き動かす超巨大火山
新しい「地球学」入門」
(ISBN978-4-06-257925-4 C0244)
を読んだ。
LIP(Large Igneous Province、大規模火成区)にかんする
自分の研究を中心に紹介した本である。
なかなか面白いし内容で、
いくつかのユニークなアイディアも紹介されていた。
今後も研究を進めて成果をあげていもらいたいものだ。
真剣に研究を進めている人が書く、
普及書は拙さがあっても、
やはり興味深い内容である。

2015年8月29日土曜日

69(1285) 沢田マンションの冒険: 2015.08.28

加賀谷哲郎著「沢田マンションの冒険
驚嘆!セルフビルド建築」
(ISBN978-4-480-43244-5 C0152)
を読んだ。
高知にある不思議なマンション。
もと建築業者の沢田夫妻が
自分たちの夢である賃貸マンションを含めた
巨大な住居を自作した。
夫婦そしていまは娘婿の手伝い
改築、改修が継続している。
屋上に断熱を兼ねた田んぼ、畑がある。
建材も、自分たちのもっている森の間伐材を使う。
エレベーターも手作りだ。
もちろん建築法違法である。
ところで、法律は、人の生存や
実際の生活より優先するのか。
望む生活を自力でし、
コミュニティに溶け込んでいるとき
それが人類の幸福に寄与する可能性があるとき
法律に反すれば
その生活を止めなければならないのか。
少々考えさせられた。
そんなことは関係なく、
このマンションは魅了的で面白い。

68(1284) 捏造のロジック: 2015.08.28

喜多喜久著「捏造のロジック
文部科学省研究公正局二神沙希 」
(ISBN978-4-8002-3345-9 C0093)
を読んだ。
利権のSTAP細胞の事件を
下敷きにしたフィクションである。
どこにもいそうな平凡だが人を和ませる主人公と
脇役ではあるが二神も個性的で魅力的である。
最先端の研究施設の舞台に、
研究者の生態をつかったミステリーである。
なかなか面白かった。

2015年8月24日月曜日

67(1283) 達成の人: 2015.08.24

植松三十里著「達成の人
二宮金次郎早春録」
(ISBN978-4-12-205588-9 C1193)
を読んだ。
軽い内容なのでスラスラ読めた。
内容は面白い。
帯に、今日だから読むというような
キャッチがあった。
確かにそう思える。
生活に苦しむことでも
努力が活きてくる。
そこで成長することもできる。
そんな共感を得た。

2015年8月23日日曜日

66(1282) キング&クィーン: 2015.08.23

柳広司著「キング&クィーン」
(ISBN978-4-06-2771986 C0197)
を読んだ。
最初から引き込まれていった。
大げさな展開ではなく、
身近な等身大のストーリーとして展開していく。
それがわかりやすく面白かった。

2015年8月20日木曜日

65(1281) 事故係生稲翔太の多感: 2015.08.20

首藤瓜於著「事故係生稲翔太の多感」
(ISBN4-06-275024-4 C0193)
を読んだ。
以前の「脳男」とは全く違った
軽く読める内容だ。
これは、これで面白いが、
少々軽い内容に思える。
今後の成長譚があるのかと思ったが、
次作はないようだ。
他の作品に期待したい。

2015年8月17日月曜日

64(1280) 特命指揮官: 2015.08.17

梶永正史著「警視庁捜査二課・郷間彩香
特命指揮官」
(ISBN978-4-8002-3638-8 C0193)
を読んだ。
「このミス」大賞シリーズである。
新人の作品とは思えないような
結末である。
途中は中だるみがあるが、
複雑なドンデン返しですべて回収されている。
なかなか面白かった。

2015年8月14日金曜日

63(1279) 量子コンピューターが本当にすごい: 2015.08.14

竹内薫著「量子コンピューターが本当にすごい
Google、NASAで実用が始まった“夢の計算機”」
(ISBN978-4-509-82498-7 C0242)
を読んだ。
量子コンピューターに至る経緯を
詳しく説明している。
わかりやすい解説なので理解しやすい。
なにより、本当に実用化さされていのがすごい。
量子コンピューターの話題については
以前NHKのドキュメンタリーでみたことがある。
その時の司会が竹内氏であった。
その延長ではあるが、
きっちりと物理的説明がされているので、
わかりやすかった。
ただ文章がくだけすぎている点が
気に入らない人もいるだろう。
私もこのようなくだけ方はあまり好きではないが
最新の話題をわかりやすく説明するというは
必要なことであろう。

2015年8月5日水曜日

61(1277) 悩む力: 2015.08.05

姜尚中著「悩む力」
(ISBN978-4-08-720444-3 C0236)
を読んだ。
新書なので短い文章量で
重要な内容を論じています。
その展開を夏目漱石と
社会学者のマックス・ウェーバーの
書作に基づいて論じている。
自分が若いときに悩み抜いき
それを通り抜けた時突き抜けたという。
その突き抜けた先に、
「横着になる」ことがあったという。
私も、そんな老人になれればいいのだが。

60(1276) 磁極反転: 2015.08.05

伊与原新著「磁極反転」
(ISBN978-4-10-336211-1 C0093)
を読んだ。
いつ起こってもおかしくない現象である。
以前、岩波ジュニア新書で
同じ現象を扱った本は
面白かったが、
それを重厚な小説に仕上げたものだ。
現実の地磁気逆転は
もっとゆっくりと進むであろう。
それは著者も了承の上である。
しかし説としては可能性が残されている。
行政や医療事件も関わってくる。
いろいろな伏線が最後にまとまる。
なかなか面白い小説であった。

2015年7月30日木曜日

59(1275) プロテウス・オペレーション: 2015.07.30

ジェイムズ・P・ホーガン著「プロテウス・オペレーション」
(ISBN978-4-15-011765-8 C0197)
を読んだ。
大作で読むのに時間がかかった。
テーマは、時間旅行、タイムマシーンの話しである。
複雑な構成であるが、
ホーガンなりの決着をつけている。
時間旅行の矛盾をはらんでいる。
アインシュタインなど有名科学者を
多数登場させ、核や原子力の議論をさせる。
科学の謎の一部を解明したりなど
科学的に深い内容も折込まれている。
登場人物が多いので、
私は、理解がなかなか含まらないのが
問題なのだが、
それでも面白かった。

2015年7月20日月曜日

58(1274) チューリングの計算理論入門: 2015.07.20

高岡詠子著「チューリングの計算理論入門
チューリング・マシンからコンピュータ」
(ISBN978-4-06-257851-658(1274) チューリングの計算理論入門: 2015.07.20

高岡詠子著「チューリングの計算理論入門
チューリング・マシンからコンピュータ」
(ISBN978-4-06-257851-6 C0255)
を読んだ。
コンピュータの原理が発想された
その核心的なところを示している。
チューリングマシーンや
オートマトンなどもある。
計算可能性やN=PN問題も
そこにはあることが示している。 C0255)
を読んだ。
コンピュータの原理が発想された
その核心的なところを示している。
チューリングマシーンや
オートマトンなどもある。
計算可能性やN=PN問題も
そこにはあることが示している。

2015年7月19日日曜日

57(1273) 秘密結社にご注意: 2015.07.19

新藤卓広著「秘密結社にご注意」
(ISBN978-4-8002-2494-1 C0193)
を読んだ。
構成が複雑である。
いくつもの話が混在して進む。
そのばらばらの話が少しずつ合わさっていく。
そして最後にすべてがひとつに繋がる。
見事な手腕である。
これが最初の作品だとは思えない力量である。
今後に期待したい。

2015年7月18日土曜日

56(1272) コレクター: 2015.07.18

深津十一著「コレクター
不思議な石の物語」
(ISBN978-4-8002-252-3 C0193)
を読んだ。
「このミステリーがすごい」大賞の
優秀賞を受賞した作品である。
石に関する話しであるが、
ミステリーだろうか、
それともSF、ファンタジーだろか。
ジャンルも少々不思議で
展開も不思議である。
まさに不思議な石の話であった。

2015年7月15日水曜日

55(1271) 工学部ヒラノ教授の青春: 2015.07.15

今野浩著「工学部ヒラノ教授の青春
試練と再生と父をめぐる物語」
(ISBN978-4-7917-6817-2 C0095)
を読んだ。
アメリカの2つの留学と
父の話が書かれている。
苦労と明るさのある最初の留学。
苦労、心労ばかりが募る2度目の留学。
しかし、その留学の研究テーマが
後の研究ネタになるという
どんでん返し。
批判的に見ていた父の人生。
自分の晩年に
実は偉大な業績をもっていたが、
それがまわりの都合で潰された
という話を聞く。
それを父の友人で上司であった人から聞く。
なかなか面白い実話だ。
ただ、少々重複などの編集ミスがあるので
読んでいて混乱した。

2015年7月14日火曜日

54(1270) 工学部ヒラノ名誉教授の告白: 2015.07.14

今野浩著「工学部ヒラノ名誉教授の告白
エンジニアが「物書き」になったワケ」
(ISBN978-4-7917-6726-7 C0095)
を読んだ。
気軽に読める本だ。
ついつい一気に読んでしまう。
今、次の本を読んである。
なぜ物書きにになったのか、
退職後、どのような生活をしているか、
奥さんの介護など、身近な話題を取り上げて、
エンジニアの生活を書いている。

2015年7月12日日曜日

53(1269) 工学部ヒラノ助教授の敗戦:No. 5310 2015.07.12

今野浩著「工学部ヒラノ助教授の敗戦」
(ISBN978-4-7917-6688-8 C0095)
を読んだ。
筑波大学の情報学類の
ややこしい事情により
助教授が荒波に揉まれるはなしである。
似たような話はあちこちの大学で
多かれ少なかれある。
この原稿は、だいぶ前に書かれたそうだが、
あまりにショッキングな内容なの
出さないでくれという願いを受けて
10年間、眠っていたものだそうだ。
部外者としては、
なかなか面白い読み物だった。

2015年7月11日土曜日

52(1268) アメリカ武者修行: 2015.07.11

今野浩著「工学部ヒラノ教授の
アメリカ武者修行」
(ISBN978-4-10-314764-0 C0095)
を読んだ。
この著者の本は面白い。
小説仕立てだが
すべて実話である。
今回はアメリカ留学時代の話を集めたものだ。

2015年7月9日木曜日

51(1267) 大洋に一粒の卵を求めて: 2015.07.09

塚本勝巳著「大洋に一粒の卵を求めて
東大研究船、ウナギ一億年の謎に挑む」
(ISBN978-4-10-126006-8 C0195)
を読んだ。
ウナギの産卵場所を見つけた研究者が
卵を発見するまでの経緯と
その努力を書いたものである。
そしてウナギの保護を
研究者がどう取り組むかの話もある。
フィールドワークの研究手法の
大変さと面白さを伝えるものであった。

2015年7月5日日曜日

50(1266) 眼球堂の殺人~The Book~: 2015.07.05

周期律著「眼球堂の殺人~The Book~」
(ISBN978-4-06-182872-8 C0293)
を読んだ。
密室殺人のミステリーだ。
この手のミステリーは久しぶりだったが、
今は密室ミステリーには興味がなくなっている。
しかし、登場人物が放浪の数学者エルデシュをモデルにしているので
興味があった。
その設定にだけ興味を覚えた。
しかししばらく密室ミステリーは興味が湧かないかも。

2015年7月1日水曜日

49(1265) 櫻子さんの足下には死体が埋まっている: 2015.07.01

太田紫織著「櫻子さんの足下には死体が埋まっている
白から始まる秘密」
(ISBN978-4-04-101631-2 C0193)
を読んだ。
軽くさらりと読める小説である。
連絡で、櫻子と最初の出会いと
前作から続く伏線が今回もある。
特に広範囲に大きくなる。
なかなか面白い。

2015年6月28日日曜日

48(1264) 国境の雪: 2015.06.28

柴田哲夫著「国境の雪」
(ISBN978-4-04-110375-3 C0093)
を読んだ。
脱北者とそれを助ける情報部員、
さらに追いかける北の人間という単純なストーリだが
そこに中国の2010年から2012年あたりの
現在起こっている事件が次々と話の中に組まれていく。
連載中の実際の事件と
その背景事情が小説なっている。
ストーリの面白さより、
その背景のフィクションが面白い作品であった。

2015年6月20日土曜日

47(1263) 伝え方が9割: 2015.06.20

佐々木圭一著「伝え方が9割」
(ISBN978-4-478-01721-0 C0030)
を読んだ。
典型的なハウツー本である。
しかし、これは使えるかもしれない。
明日の校務に適用してみようか。

46(1262) 創世記機械: 2015.06.20

ジェームズ・P・ホーガン著「創世記機械」
(ISBN978-4-488-66304-9 C0197)
を読んだ。
やはり面白い。
統一場理論を小説の中で作り上げている。
なおかつ定常宇宙説を証明している。
無限のエネルギーを作り上げ、
無敵の武器になっていく。
そこから主人公の科学者が
平和な社会生み出していく。
ホーガンにはハズレはない。

45(1261) 学年ビリのギャル: 2015.06.20

坪田信貴著「学年ビリのギャルが
1年で偏差値を40上げて慶應大学に
現役合格した話」
(ISBN978-4-04-891983-8 C0095)
を読んだ。
昨日の病院の待合室や
自宅で一気に読んだ。
読みやすいのですぐに読めた。
必死に勉強すると
超一流とよばれる私立大学にも
合格できるということを実例で示したものだ。
ビリギャルがユニークなので
楽しく読める。
受験のテクニックも書かれているが
これは人それぞれだろうが。

2015年6月16日火曜日

44(1260) 凶悪: 2015.06.16

「新潮45」編集部編「凶悪
ある死刑囚の告発」
(ISBN978-4-10-1239187-7 C0193)
を読んだ。
映画にもなったノンフィクションである。
編集部が編者になっているが、
実際には、記者の宮本太一が
中心になって死刑囚に対応し、取材し、
事件の裏を撮っている。
また本文も執筆している。
非常におしろい内容であったが、
記者の調査から実際の犯人が捕まえられた。
複雑な人間関係もあるのが、
凶悪な犯人である。

2015年6月14日日曜日

43(1259) 虐殺器官: 2015.06.14

伊藤計劃著「虐殺器官」
(ISBN978-4-15-030984-8 C0193)
を読んだ。
非常に評判のいいSFである。
日本だけでなく翻訳され海外でも
屈指の作品と評価されている。
固有の世界を生み出している。
しかし、私は直前にホーガンを読んでいるので
彼の作品と比べてしまうので、
どうしても見劣りがしてしまう。
夭折の作家だから作品数は少ないが、
あとひとつ長編があるので
入手しておき、いい時期に読んでみたい。

2015年6月7日日曜日

42(1258) 繋がれた明日: 2015.06.07

真保裕一著「繋がれた明日」
(ISBN4-02-264359-5 C0193)
を読む。
病院で少し読みだしたが、
テーマが重い内容で
なかなか読み進められなかったが、
やめられない魅力もあった。
自宅で読み進めたら
だんだん面白くなってやめられなくなり
一気に読んでしまった。

2015年6月6日土曜日

41(1257) 造物主の掟: 2015.06.06

ジェームス・P・ホーガン「造物主の掟」
(ISBN978-4-488-66307-0 C0197)
を読む。
少し読みかけていたものを入院中に読み切る。
ハードSFで設定や世界観を理解するのに
少々時間がかかるが、
それに入り込めば
目指している世界が大きく
圧倒される。
さすがホーガンである。
生命の進化と知性の展開をロボットの世界で描いている。
面白い。
この続編があるので楽しみだ。
ひさしぶりにホーガンを読む。
これの作品の翻訳が
あまり進んでいないのは残念だ。
絶版になりつつあるのもでているので、
少しずつ集めておくことにする。

2015年5月30日土曜日

40(1256) 超訳 種の起源: 2015.05.30

チャールズ・ダーウィン著 夏目大訳
「超訳 種の起源 生物はどのようにして進化してきたのか」
(ISBN978-4-7741-5004-8 C3045)
を読んだ。
ダーウィンの「種の起源」はなかなか読めない本である。
本書によって概略だがあらすじがわかった。
そしてなによりダーウィンの凄さがわかった。
現在私たちが考えている進化の多数の疑問に対して
ダーウィンはすでに深く考えている。
当時、DNAや遺伝、生化学にかんする知識はなかった。
150年も前にこのような考察ができるのである。
同時代のメンデルの情報をダーウィンが知っていたら、
「種の起源」はもっとすごい本になっていただろう。
知識人の知性の確かさは素晴らしいいものである。
一方、生物学は精緻にはなっているが、
ダーウィンの疑問に関して、
まだ答えを出せていないのは、どういうことだろう。
それは、生物学、進化ということの難しさだろうか。
それとも知性の足りなさのためだろうか。
今後、本編も参照しながら再確認をしたい。

2015年5月27日水曜日

39(1255) ポアンカレ予想: 2015.05.27

ジョージ・G・スピーア著「ポアンカレ予想
世紀の謎を掛けた数学者
解き明かした数学者」
(ISBN978-4-15-208885-7 C0041)
を読んだ。
なかなか手ごわい本であった。
数学的な解説が難しかったが
興味深かった。
ポアンカレがどのように予想を生み出し、
ベレルマンが最終的に解くまでの話しが
詳しく描かれている。
トポロジーの数学的背景を
それに関わった数学者の経歴と
その貢献を書いている。
なかなかおもしろかった。

2015年5月20日水曜日

38(1254) プリンキピアを読む: 2015.05.20

和田純夫著「プリンキピアを読む
ニュートンはいかにして「万有引力」を証明したのか?」
(ISBN978-4-06-257638-3 C0242)
を読んだ。
プリンキピアの数学的証明の
重要な部分を解説している本である。
部分的微積分を使ってはいるが
証明のすべては
幾何学的に証明している。
それだけでもスゴイことなのに、
二十歳過ぎの短期間に
この証明のすべてを成し遂げていることがスゴイ。
やはり天才的だったのだ。
素晴らしい集中力である。
そして、ニュートンも
時代の中に生きていた。
歴史の流れや学説に影響されて
プリンキピアを書いていることもわかる。

2015年5月17日日曜日

37(1253) 大絶滅: 2015.05.17

デイヴィッド・M・ラウプ著「大絶滅
遺伝子が悪いのか運が悪いのか?」
(ISBN4-89203-265-4 C0045)
を読んだ。
原本は1991年発行で
かなり古い本であるが
述べていることは面白い。
ただし、5回の大絶滅が
すべて隕石説や地球外原因の説であるが
現代ではかなり否定的である。
当時と比べて、現在では白亜紀末の大絶滅は
隕石説が有力でP-T境界は地球内の
複雑な要因の組み合わせである
「プルームの冬」説が主力となっている。
この本での重要なキーワード;
種分化と系統の変遷の違い(ダーウィンの誤解)
弾幕の戦場:種はランダムに殺戮された
殺戮曲線:待ち時間ごとの殺戮種数の平均値の図
絶滅の選択制:相関が偶然によってだけもたらされる可能性
系統性の制約:進化には既存の構造に重要でない変化しか加えられない
ギャンブラーの破産問題:胴元の資金に比べて
ギャンブラーの資金は少ないので破産するのはギャンブラーである

2015年5月11日月曜日

36(1252) 宇宙人の探し方: 2015.05.11

鳴沢真也著「宇宙人の探し方
地球外知的生命探査の科学とロマン」
(ISBN978-4-344-98328-1 C0295)
を読んだ。
あまり期待せずに読んだが、
なかなか面白かった。
科学者がどのような思い出SETIをやっているのか。
ただし、本格的な科学にはならない。
本業でするのはほんの一部の
恵まれた条件を持っている人になるだろう。
しかし、多人数が興味を持っていることも確かだ。
なかなかおもしろかった。

2015年5月10日日曜日

35(1251) E=mc2: 2015.05.10

ディヴィッド・ボダニス著「E=mc2
世界一有名な方程式の「伝記」」
(ISBN978-4-15-050371-0 C0142)
を読んだ。
有名な式E=mc^2に関する
いろいろな科学的背景、科学者の思い、
科学の歴史的背景などを紹介している。
まとまりがなさそうにみえたが、
それなりに読めたのは
作者の腕力であろう。
また、注が90ページ近くあり、
それもなかなか読み応えのあるものであった。

2015年5月3日日曜日

34(1250) フーコーの振り子 2015.05.03

アミール・D・アクゼル著「フーコーの振り子
科学を勝利に導いた世紀の大実験」
(ISBN4-15-208680-7 C0040)
を読んだ。
コペルニク、ケプラー、ガリレオなど西洋科学者で
宗教の呪縛に悩み、修正、格闘した人がいる。
しかし、彼は地球が太陽の周りを回っていることを
万人がわかる形で示したわけではない。
一番わかりやす方法は、
フーコーの振り子だろう。
コリオリの力を示すことで、
地球の自転を示すのだ。
この実験は一目瞭然。
バチカンもやがてはこの実験を受入た。
しかし、この実験を提示したフーコーは
フランスで不遇時代が長かった。
それは学閥、学歴、肩書など因襲によるもので
実力、実績での評価を嫌ったからだ。
しかし、フーコーを支持した大物たちもいた。
ナポレオン3世やアラゴーだ。
時代を感じさせる。
最後に感想を。
アクゼルの本なのに、
フーコー自身の履歴や業績に関するストーリーが不鮮明だ。
それが残念だ。

15(1231) 黄昏の光と影: 2015.03.03

柴田哲孝著「黄昏の光と影」
(ISBN978-4-334-92923-7 C0093)
を読んだ。
年配と若手の刑事が
独居老人の孤独死を探る。
その部屋には発行化した女性の死体もあった。
探るといろいろな歴史といくつも事件があった。
柴田氏の作品としては、
緻密津田があまり個性がない作品となっている。
少々残念だ。
主人公の個性が明確な作品が好みである。

2015年4月28日火曜日

33(1249) WOLF: 2015.04.28

柴田哲孝著「WOLF ウルフ」
(ISBN978-4-04-102740-0 C0093)
を読んだ。
ニホンオオカミの存在を思わせる兆候があり、
実際にオオカミの存在が明らかになる。
しかしそれは純粋のニホンオオカミではなかった。
自然の摂理によって絶滅するが、
その摂理として
本物のニホンオオカミの存在が
あったかもしれないという終わりになる。
この本の存在は知らなかったが、
長男が読みたいというので購入した。
一連の柴田氏の作品は読んでいるので、
読めてよかった。

2015年4月25日土曜日

32(1248) 無駄学: 2015.04.25

西成活裕著「無駄学」
(ISBN978-4-10-603623-1 C0334)
を読んだ。
前著、渋滞学は面白かった。
しかし、こちらは内容的、レベル的にもうひとつだ。
アッと思うような原理や
事実が書かれているわけではない。
無駄をとるためのハウツー本に
なってしまっている気がする。
もう少し学問にして欲しかった。

31(1247) NHK考えるカラス: 2015.04.25

NHK「考えるカラス」製作班編「NHK考えるカラス
「もしか?」からはじまる楽しい科学の考え方」
(ISBN978-4-14-011336-3 C0040)
を読んだ。
NHKのEテレでやっていた科学番組だ。
現在も放送中である。
なかなかおもしろい番組だ。
その番組で募集した
読者からの答えを集めて作成された本だ。
番組ではいろいろ不思議な実験をして、
その実験の答えを述べる途中で切って
あとは自分で考えるという番組だ。
分からないという不満が残るが
それが科学の好奇心を生むのだろう。

2015年4月21日火曜日

30(1246) 心は量子で語れるか: 2015.04.21

ロジャー・ペンローズ著「心は量子で語れるか
21世紀物理の進む道をさぐる」
(ISBN4-06-257251-6 C0242)
を読んだ。
面白いが、難しい。
天才数学のペンローズが、
難解な数学物理から心を語る。
量子重力の理論には
不完全さがあり、
それを目指すべきだという。
切り口が独自でシャープである。
これがペンローズの入門書だから、
次は「皇帝の新しい心」だが、
これがなかなか大変そうなんだが、
いずれチャレンジしたい。

2015年4月16日木曜日

29(1245) 時空と生命: 2015.04.16

橋元淳一郎著「時空と生命
ー物理学思考で読み解く主体と世界ー」
(ISBN978-4-7741-4042-1 C3042)
を読んだ。
前著の「0と1から意識は生まれるか」
の詳細版、発展版である。
前著は読み物風の書き方であったが、
今回の作品は論文調に書いている。
図も多用されている。
なかなかいいが、
少々理解できないところがある。
しかし、重要な指摘をしていると思える。

2015年4月12日日曜日

28(1244) 0と1から意識は生まれるか: 2015.04.12

橋元淳一郎著「0と1から意識は生まれるか
意識・時間・実在をめぐるハッシー式思考実験」
(ISBN978-4-15-050360-4 C0140)
を読んだ。
面白い。
時間を自然、宇宙とどういう関係にあるのか。
それは意識があるから存在するということ。
それを物理的に、どう示すか。
非常の面白いアプローチである。
非常に刺激を受けた。
もう一冊より議論を進めた本があるので
それを読み進めることにする。

2015年4月7日火曜日

27(1243) 公認「地震予知」を疑う: 2015.04.07

島村英紀著「公認「地震予知」を疑う」
(ISBN4-7601-2488-8 C0036)
を読んだ。
大震法は予知が可能である
という前提で成立している。
東海地震も同様だ。
しかし現状では、予知はできないことは
阪神淡路地震、新潟中越地震、東日本地震など
失敗例はいっぱいある。
科学的には予知は不能であることは明らかだ。
それでも政府は言葉を微妙に変えながら
予算をつぎ込んでいる。
その分前に預かっている研究者もいる。
原子力と同じ構造ではないか。
そんなことを警告を発している本である。

2015年4月4日土曜日

26(1242) 偶然の確率: 2015.04.04

アミール・D・アクゼル著「偶然の確率」
(ISBN4-90288-66-5 C0041)
を読んだ。
アクゼルの著書でなおかつ専門としている
確率の本なので期待して読んだ。
短いエッセイのようなもので
確率を簡単に紹介する内容であった。
少々物足りなかった。
できれば、しっかりとした確率の歴史や意義を
紹介する本を書いて欲しいものだ。

25(1241) アンモの地球生命誌: 2015.04.04

小川隆章著「アンモの地球生命誌」
(ISBN978-4-575-30548-7 C0079)
を読んだ。
アンモナイトを主人公にした
生命誌を綴ったものだ。
古代の生物を精密に描いている。
古生物への慈しみを感じる。
全体として生命の連鎖、進化を
考える内容になっている。
ただし、個々の話しは短く深みがなく
もう少しストーリーに仕掛けが欲しかった。

2015年4月2日木曜日

24(1240) 葬式は、要らない: 2015.04.02

島田裕巳著「葬式は、要らない」
(ISBN978-4-344-98158-4 C0295)
を読んだ。
葬式仏教がなぜ生じたのが。
簡素な葬式をするにはどうすればいいのか。
戒名はどうつけるか。
そんな知っているようで知らないことが
わかり幼スク紹介されている。
日本の仏教を中心とした
宗教土壌について考察されている。
軽く読めて面白かった。

2015年4月1日水曜日

23(1239) ウラニウム戦争: 2015.04.01

アミール・D・アクゼル著「ウラニウム戦争
核開発を競った科学者たち」
(ISBN978-4-7917-6526-3 C0040)
を読んだ。
ウランと核、放射能に関する研究者の苦闘。
ウランがエネルギー源や兵器として
使えることを気付き
それを実用化する過程。
核分裂のエネルギーを兵器として利用する過程。
非常にドラマチックに述べられた
ノンフィクションである。
さすがアクゼルと思えるものだ。
しかし、少々訳が気になるとこがあったが。

2015年3月25日水曜日

22(1238) 日本辺境論: 2015.03.25

内田樹著「日本辺境論」
(ISBN978-4-10-610336-0 C0233)
を読んだ。
多様な文化を受け入れている風土。
真名と仮名、表意と表音を融合した言語体系。
多様な人称名詞の使い分け。
翻訳の充実した文化。
厳密さより空気や曖昧さを重視する文化。
西洋合理主義が日本ではうまくいかない理由。
師弟関係も師を選ぶことなく、
すべてを吸収していく心構えがもともとあり
そこから師を超える悟り、学びが発生しうるという考え。
納得できる。
それらすべてが、
日本が位置しているところが
辺境であることで
解読できるという。
なかなか面白い考えで、
日本人には腑に落ちるものだろう。

2015年3月22日日曜日

21(1237) 青函トンネル物語: 2015.03.22

青函トンネル物語編集委員会「青函トンネル物語
津軽海峡の底を掘り抜いた男たち」
(ISBN978-4-330-37613-4 C0265)
を読んだ。
以前函館に行った時、
駅のキオスクで見つけた本である。
インターネットではなかなか知り得ない情報が
いろいろと詳しく書かれていた。
トンネルに従事した人たちがいろいろ原稿を書き、
それを編集したものである。
なかなかリアルな物語であった。

2015年3月15日日曜日

20(1236) 木材・石炭・シェールガス: 2015.03.15

石井彰著「木材・石炭・シェールガス
文明史が語るエネルギーの未来」
(ISBN978-4-569-81797-2 C0220)
を読んだ。
再生可能エネルギーが
どれだけ環境負担を強いているのかが
よく理解できる本であった。
そして現状シェールガスの潜在能力、
エネルギーと電力の関係と
そのベストミックスについてもわかりやすかった。
ただ、書き方が少々鼻につく。
あまり話をしたくない人に思える。

2015年3月13日金曜日

19(1235) 宇宙創造の一瞬をつくる: 2015.03.13

アミール・D・アクゼル著「宇宙創造の一瞬をつくる
CERNと究極の加速器の挑戦」
(ISBN978-4-15-209204-5 C0042)
を読んだ。
CERNの内容、目指しているもの、
素粒子とその究極の姿など、
広くまとめている。
一線級、ノーベル賞科学者にも
多数のインタビューを実施して、
CERNの運転時にも立ち会っている。
アクゼルだからできた本でもある。
なかなか面白かった。

2015年3月7日土曜日

18(1234) 紙とデジタルとノスタルジー: 2015.03.07

出張があるときは、
いつも本を何冊が持っていく。
今回も3冊選んだ。
単行本、新書、文庫だ・
日頃、時間があまりなくて
じっくりと読みたい科学ノンフィクションや
哲学、思想関係の本をメインのの本として持っていく。
それは、単行本が多い。
他に軽い本として新書や文庫。
その他に気分転換用の本も。
すると、3、4冊の本をもっていくことにある。
時には旅先で購入することもある。
荷物になるが仕方がない。

本来であればデジタル版の本を持って行きたのだが、
私は、本をデジタルで読むことができない。
何冊かはデジタルで読んだが、馴染めない。
デジタルで本を読むことは
今のところあきらめている。
うちの大学の情報系の先生にいわせると、
デジタルで読める読めないは
単に慣れの問題だという。
若者はデジタル本を抵抗なく受け入れているのは、
それに慣れているからだという。
私は紙でないと、なんとなくじっくりと読めない。

デジタルの利点は理解している。
iPadの初期ロットの予約注文で購入。
その便利さは理解したし、
今では3台を保有し、
3台とも使用している。
しかし、これで本を読むに至っていない。
SONYのREADERの最初のバージョンを買った。
何冊か読んだが、やはり馴染めなかった。
データの転送のあまりの遅さに読む以前に
使用を諦めた。
そして、いまだに紙媒体での読書が継続している。
私の世代はこれでいいのだろう。
目に見る形、手に取れる形、
ページに触り、捲り、折れ目を入れる。
デジタルで達成されていることもある。
しかし、紙の本には、
デジタルでは出てこない感触、感慨がある。
これは読書の意義の一部ではないか。
本には、中古の流通体系がある。
中古の本に、
古さ、歴史、風格、過ぎ去った時間を感じ、
前の持ち主の痕跡を感じることもある。
しかし、これは紙媒体への
単なるノスタルジーなのかもしれない。
本を持つことには、
そんな物質へのノスタルジーや感覚をも
一緒に持つことなのではないだろうか。
すべては、個人の心の趣の範疇かもしれない。
私は、そのノスタルジーから逃れられないのだ。
本には多分にノスタルジーが含蓄されているのだから。

17(1233) 中村修二 ノーベル物理学賞受賞までの闘い: 2015.03.07

杉田望著「中村修二 ノーベル物理学賞受賞までの闘い
日本を捨てた男が日本を変える」
(ISNB978-4286-16117-4 C0195)
を読んだ。
小説仕立ての物語だ。
中村氏については知っていることばかりであったが、
弁護士については初めて知った。
文庫本だが、誤字脱字がいくつか見つかったので
少々気になった。
小説としてもノンフィクションとしても
少々物足りない気がした。

2015年3月4日水曜日

16(1232) ぼくの住まい論: 2015.03.04

内田樹著「ぼくの住まい論」
(ISBN978-4-10-330012-0 C0095)
を読んだ。
定年退職をして、
借家住まいから自宅兼道場を立てた。
凱風館という。
こだわりながら成り行きに任せつつ
自宅を建てた。
内田氏の生き方がよく分かる書であった。
ただし、私には真似ができない姿勢でもある。

2015年3月1日日曜日

14(1230) いちえふ(2): 2015.32.01

竜田一人著「いちえふ
福島第一原子力発電所労働記(2)」
(978-4-06-388396-1 C)
を読んだ。
前号につづく実体験に基づくマンガだ。
著者は2012年末まで働き
2014年夏からまだ働き出した。
この話は2012年末までの話だ。
記憶だけに基づき、
テロ防止のための詳細に書けない部分もあるそうだ。
過酷さとデマ、風説などが混じっていることがわかる。
なかなか面白い作品だ。

2015年2月26日木曜日

13(1229) 呼鈴の科学: 2015.02.26

吉田武著「呼鈴の科学」
(ISBN978-4-06-288244-6 C0242)
を読んだ。
吉田武の著作は強い。
古武士のような精神性を感じる。
ポリシーと主張を
全面に出して書かれている。
彼の本業である理工学分野での
作品となっている。
しかし、歳だろうか。
もと電子少年の私は、今では電子少年に戻れない。
実は、若い頃の回想を含む文章を
現在執筆中なので
少々驚きをもって読んだ。

2015年2月20日金曜日

12(1228) 神は妄想である:No. 5147 2015.02.20

リチャード・ドーキンス著「神は妄想である
宗教との決別」
(ISBN978-4-15-208836-5 C0040)
を読んだ。
ページも内容も重厚で読み応えがあった。
丸2週間かけて読んだことになる。
西洋の多数の知識人たちが
このような本を読んでいる。
グールドの時にも感じたが
西洋諸国の知的レベルの高さがわかる。
そして書ける人も輩出していることも
知的階級を抱えていることもすごい。
この本は、グールドとは違って、
完全に宗教を否定しているものである。
無宗教のすすめである。
宗教の一番の問題は
子どもは、親や家庭、コミュニティ、
民族、国の影響下で
簡単に宗教的思想に染まっていき
大人になっても抜け出れないというものである。
宗教の無限ループに入り込んでいく。
現在の世界では原理主義的宗教をもつ民族、
コミュニティや国会大きな問題となっている。
その背景が洗脳的宗教である。
重厚な論であるが、面白かった。

2015年2月7日土曜日

11(1227) 死なないやつら: 2015.02.07

長沼毅著「死なないやつら
極限から考える「生命とは何か」」
(ISBN978-4-06-257844-8 c0245)
を読んだ。
なかなかおもしろかった。
生命の起源に関するアイディアもなかなかいい。
しかし、なぜか全般的にぱっとしないのは、
なぜだろうか。

2015年2月5日木曜日

10(1226) 生物部な毎日: 2015.02.05

桝太一著「理系アナ桝太一の生物部な毎日」
(ISBN978-4-00-500780-6 C0245)
を読んだ。
時間ができたので本屋を覗いたら目についたので
時間つぶしになると思い読んだ。
短いの移動や待時間で読めた。
軽るすぎるので、
もう少し中身を刻しても良かったのではないだろうか。

2015年2月1日日曜日

9(1225) 防壁: 2015.02.01

真保裕一著「防壁」
(ISBN4-06-264911-X C0193)
を読んだ。
4つの短編からなら作品集だった。
公務員でも、危険にさらされる。
警視庁SP、自衛隊の不発弾処理係、
海上保安庁の救難救助員、消防士が
それぞれ主人公の作品である。
単に公務員が主人公であるだけでなく、
公務と女性関係が織りなす綾が描かれている。
あまり短篇集はすきではないが、
面白かった。

2015年1月29日木曜日

8(1224) デッド・エンド: 2015.01.29

柴田哲孝著「デッド・エンド」
(ISBN978-4-575-23860-0 C0093)
を読んだ。
面白い。
囚人が刑務所から脱伍する。
凄くシンプルな方法でおこなう。
実はこの脱走犯が主人公で
知能が高く、行動力もある。
巨大なインサイダー取引による陰謀を
暴こうとして嵌められて
犯人として刑務所に逃れた。
脱走してからその巨悪を暴こうとする。
ストーリーはいろいろな伏線が錯綜する。
面白かった。
柴田の作品にはずれはない。

2015年1月26日月曜日

7(1223) 流星ひとつ:No. 5123 2015.01.26

沢木耕太郎著「流星ひとつ」
(ISBN978-4-10-327516-9 C0095)
を読んだ。
藤圭子が芸能界を引退する直前に
インタヴューをして
ノンフィクションにしたものだ。
会話だけで構成されいている本だ。
しかし、この本は、30年間出版されずに
藤圭子のものと一冊だけ
オリジナル原稿が製本されて渡されたそうだ。
沢木の手元にはコピーだけが残されていたようだ。
そして藤圭子か投身自殺した後、
関係者や子どもに若いころの藤圭子を伝えるために
出版したという。
藤圭子の歌手時代は知っているが、
詳しくは知らなかったが、
一人の人間として興味あるい人生であった。

2015年1月23日金曜日

6(1222) ぼくは上陸している 上: 2015.01.23

スティーヴィン・ジェイ・グールド著
「ぼくは上陸している 上
進化をめぐるたびの始まりの終わり」
(ISBN978-4-15-209231-1 C0045)
を読んだ。
グールド最後のエッセイ集だ。
読むのがもったいなく置いておいた。
2011年に出てすぐ上下巻を購入した。
1週間ほどかけて読んだ。
読み応えがある内容だ。
集中して読まないと
なかなか理解できない内容だ。
はやりグールドはすごい。
あと一巻残っているので
それはまたしばらくしてから読もう。

2015年1月17日土曜日

5(1221) 地球システムを科学する: 2015.01.17

伊勢武史著「地球システムを科学する」
(ISBN978-4-86064-376-8 C0044)
を読んだ。
システム科学で地球環境を考える研究者で
その紹介をする本であった。
ありきたりの論理なので
新鮮味はなく、共感ができなかった。
まあ、研究者の考えを
示したいのだろう。

2015年1月13日火曜日

4(1220) 四人はなぜ死んだのか: 2015.01.13

三好万季著「四人はなぜ死んだのか
インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」」
(ISBN4-16-765608-6 C0195)
を読んだ。
著者が中学生3年生の夏休みに
和歌山毒入りカレー事件が起こった。
夏休みの宿題として、
それを調べることにした。
すると、保健所、病院、警察の患者に対する
対処のミスがあった。
そんなことは、中学生が、
書籍やネットを使って
調べると、すぐにわかることだった。
レポートを整理して
文藝春秋に持ち込んだら
記事になり、最終的に読者賞をとった。
それが本になり、文庫本にもなった。
文庫本では中学生2年生の時の
レポートも掲載されていたが、
なかなか面白かった。
今どうしているか、興味があるが、
どうなんだろう。

2015年1月11日日曜日

3(1219) 粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う: 2015.01.11

中垣俊之著「粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う」
(ISBN978-4-15-660984-0 C0245)
を読んだ。
粘菌の行動原理に知性を見出し、
それを物理の方程式や原則で導こうという試みは面白い。
科学と自然の境界にあり、
科学が切り捨ててきた領域に見える。
こんな研究は非常に面白いだろうと想像できる。
ただし、その背景には
科学としての積み上げられた実績と
失敗から培われた経験とがあるからだろう。
なかなか面白い本であった。

2015年1月9日金曜日

2(1218) サイコパス: 2015.01.09

柴田哲孝著「サイコパス」
(ISBN978-4-19-86311-6 C0093)
を読んだ。
元FBIの捜査官のエミコ・クルーニルと
西新宿署の刑事、城島秀明が
別々に犯人を追っていく。
ただし、その犯人は
エミコの近くにいる人物であった。
サイコパスという精神病の区分は
明瞭ではなく
人間固有の特性ではないか、
という柴田の主張は理解できる。

2015年1月4日日曜日

1(1217) ビブリア古書堂の事件手帖 6: 2015.01.04

三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖 6」
(ISBN978-4-04-869189-5 C0193)
を読んだ。
今回は長編で、太宰治の「晩年」をめぐる物語である。
「晩年」という稀覯本をめぐって、
執着している人物たちの物語が、
その関係者の過去の物語とリンクする。
稀覯本を扱う主人公たちが攻防を繰り返す。
今回は栞子ではなく
五浦が傷を負うことになる。
面白かった。
すぐに読めるはずだったが、
諸事情でなかなかはかどらなかった。

2015年1月1日木曜日

0(1216) 番号のリセット: 2015.01.01

今年から、番号のリセットをすることにした。
以前、このリストに入っていない読書メモが39冊あった。
それはホームページに示していたものだ。
しかし、それを今年から加えてトータル数を示すことにした。
ブログも変更していくことにする。