2015年3月25日水曜日

22(1238) 日本辺境論: 2015.03.25

内田樹著「日本辺境論」
(ISBN978-4-10-610336-0 C0233)
を読んだ。
多様な文化を受け入れている風土。
真名と仮名、表意と表音を融合した言語体系。
多様な人称名詞の使い分け。
翻訳の充実した文化。
厳密さより空気や曖昧さを重視する文化。
西洋合理主義が日本ではうまくいかない理由。
師弟関係も師を選ぶことなく、
すべてを吸収していく心構えがもともとあり
そこから師を超える悟り、学びが発生しうるという考え。
納得できる。
それらすべてが、
日本が位置しているところが
辺境であることで
解読できるという。
なかなか面白い考えで、
日本人には腑に落ちるものだろう。

2015年3月22日日曜日

21(1237) 青函トンネル物語: 2015.03.22

青函トンネル物語編集委員会「青函トンネル物語
津軽海峡の底を掘り抜いた男たち」
(ISBN978-4-330-37613-4 C0265)
を読んだ。
以前函館に行った時、
駅のキオスクで見つけた本である。
インターネットではなかなか知り得ない情報が
いろいろと詳しく書かれていた。
トンネルに従事した人たちがいろいろ原稿を書き、
それを編集したものである。
なかなかリアルな物語であった。

2015年3月15日日曜日

20(1236) 木材・石炭・シェールガス: 2015.03.15

石井彰著「木材・石炭・シェールガス
文明史が語るエネルギーの未来」
(ISBN978-4-569-81797-2 C0220)
を読んだ。
再生可能エネルギーが
どれだけ環境負担を強いているのかが
よく理解できる本であった。
そして現状シェールガスの潜在能力、
エネルギーと電力の関係と
そのベストミックスについてもわかりやすかった。
ただ、書き方が少々鼻につく。
あまり話をしたくない人に思える。

2015年3月13日金曜日

19(1235) 宇宙創造の一瞬をつくる: 2015.03.13

アミール・D・アクゼル著「宇宙創造の一瞬をつくる
CERNと究極の加速器の挑戦」
(ISBN978-4-15-209204-5 C0042)
を読んだ。
CERNの内容、目指しているもの、
素粒子とその究極の姿など、
広くまとめている。
一線級、ノーベル賞科学者にも
多数のインタビューを実施して、
CERNの運転時にも立ち会っている。
アクゼルだからできた本でもある。
なかなか面白かった。

2015年3月7日土曜日

18(1234) 紙とデジタルとノスタルジー: 2015.03.07

出張があるときは、
いつも本を何冊が持っていく。
今回も3冊選んだ。
単行本、新書、文庫だ・
日頃、時間があまりなくて
じっくりと読みたい科学ノンフィクションや
哲学、思想関係の本をメインのの本として持っていく。
それは、単行本が多い。
他に軽い本として新書や文庫。
その他に気分転換用の本も。
すると、3、4冊の本をもっていくことにある。
時には旅先で購入することもある。
荷物になるが仕方がない。

本来であればデジタル版の本を持って行きたのだが、
私は、本をデジタルで読むことができない。
何冊かはデジタルで読んだが、馴染めない。
デジタルで本を読むことは
今のところあきらめている。
うちの大学の情報系の先生にいわせると、
デジタルで読める読めないは
単に慣れの問題だという。
若者はデジタル本を抵抗なく受け入れているのは、
それに慣れているからだという。
私は紙でないと、なんとなくじっくりと読めない。

デジタルの利点は理解している。
iPadの初期ロットの予約注文で購入。
その便利さは理解したし、
今では3台を保有し、
3台とも使用している。
しかし、これで本を読むに至っていない。
SONYのREADERの最初のバージョンを買った。
何冊か読んだが、やはり馴染めなかった。
データの転送のあまりの遅さに読む以前に
使用を諦めた。
そして、いまだに紙媒体での読書が継続している。
私の世代はこれでいいのだろう。
目に見る形、手に取れる形、
ページに触り、捲り、折れ目を入れる。
デジタルで達成されていることもある。
しかし、紙の本には、
デジタルでは出てこない感触、感慨がある。
これは読書の意義の一部ではないか。
本には、中古の流通体系がある。
中古の本に、
古さ、歴史、風格、過ぎ去った時間を感じ、
前の持ち主の痕跡を感じることもある。
しかし、これは紙媒体への
単なるノスタルジーなのかもしれない。
本を持つことには、
そんな物質へのノスタルジーや感覚をも
一緒に持つことなのではないだろうか。
すべては、個人の心の趣の範疇かもしれない。
私は、そのノスタルジーから逃れられないのだ。
本には多分にノスタルジーが含蓄されているのだから。

17(1233) 中村修二 ノーベル物理学賞受賞までの闘い: 2015.03.07

杉田望著「中村修二 ノーベル物理学賞受賞までの闘い
日本を捨てた男が日本を変える」
(ISNB978-4286-16117-4 C0195)
を読んだ。
小説仕立ての物語だ。
中村氏については知っていることばかりであったが、
弁護士については初めて知った。
文庫本だが、誤字脱字がいくつか見つかったので
少々気になった。
小説としてもノンフィクションとしても
少々物足りない気がした。

2015年3月4日水曜日

16(1232) ぼくの住まい論: 2015.03.04

内田樹著「ぼくの住まい論」
(ISBN978-4-10-330012-0 C0095)
を読んだ。
定年退職をして、
借家住まいから自宅兼道場を立てた。
凱風館という。
こだわりながら成り行きに任せつつ
自宅を建てた。
内田氏の生き方がよく分かる書であった。
ただし、私には真似ができない姿勢でもある。

2015年3月1日日曜日

14(1230) いちえふ(2): 2015.32.01

竜田一人著「いちえふ
福島第一原子力発電所労働記(2)」
(978-4-06-388396-1 C)
を読んだ。
前号につづく実体験に基づくマンガだ。
著者は2012年末まで働き
2014年夏からまだ働き出した。
この話は2012年末までの話だ。
記憶だけに基づき、
テロ防止のための詳細に書けない部分もあるそうだ。
過酷さとデマ、風説などが混じっていることがわかる。
なかなか面白い作品だ。