2015年5月30日土曜日

40(1256) 超訳 種の起源: 2015.05.30

チャールズ・ダーウィン著 夏目大訳
「超訳 種の起源 生物はどのようにして進化してきたのか」
(ISBN978-4-7741-5004-8 C3045)
を読んだ。
ダーウィンの「種の起源」はなかなか読めない本である。
本書によって概略だがあらすじがわかった。
そしてなによりダーウィンの凄さがわかった。
現在私たちが考えている進化の多数の疑問に対して
ダーウィンはすでに深く考えている。
当時、DNAや遺伝、生化学にかんする知識はなかった。
150年も前にこのような考察ができるのである。
同時代のメンデルの情報をダーウィンが知っていたら、
「種の起源」はもっとすごい本になっていただろう。
知識人の知性の確かさは素晴らしいいものである。
一方、生物学は精緻にはなっているが、
ダーウィンの疑問に関して、
まだ答えを出せていないのは、どういうことだろう。
それは、生物学、進化ということの難しさだろうか。
それとも知性の足りなさのためだろうか。
今後、本編も参照しながら再確認をしたい。

2015年5月27日水曜日

39(1255) ポアンカレ予想: 2015.05.27

ジョージ・G・スピーア著「ポアンカレ予想
世紀の謎を掛けた数学者
解き明かした数学者」
(ISBN978-4-15-208885-7 C0041)
を読んだ。
なかなか手ごわい本であった。
数学的な解説が難しかったが
興味深かった。
ポアンカレがどのように予想を生み出し、
ベレルマンが最終的に解くまでの話しが
詳しく描かれている。
トポロジーの数学的背景を
それに関わった数学者の経歴と
その貢献を書いている。
なかなかおもしろかった。

2015年5月20日水曜日

38(1254) プリンキピアを読む: 2015.05.20

和田純夫著「プリンキピアを読む
ニュートンはいかにして「万有引力」を証明したのか?」
(ISBN978-4-06-257638-3 C0242)
を読んだ。
プリンキピアの数学的証明の
重要な部分を解説している本である。
部分的微積分を使ってはいるが
証明のすべては
幾何学的に証明している。
それだけでもスゴイことなのに、
二十歳過ぎの短期間に
この証明のすべてを成し遂げていることがスゴイ。
やはり天才的だったのだ。
素晴らしい集中力である。
そして、ニュートンも
時代の中に生きていた。
歴史の流れや学説に影響されて
プリンキピアを書いていることもわかる。

2015年5月17日日曜日

37(1253) 大絶滅: 2015.05.17

デイヴィッド・M・ラウプ著「大絶滅
遺伝子が悪いのか運が悪いのか?」
(ISBN4-89203-265-4 C0045)
を読んだ。
原本は1991年発行で
かなり古い本であるが
述べていることは面白い。
ただし、5回の大絶滅が
すべて隕石説や地球外原因の説であるが
現代ではかなり否定的である。
当時と比べて、現在では白亜紀末の大絶滅は
隕石説が有力でP-T境界は地球内の
複雑な要因の組み合わせである
「プルームの冬」説が主力となっている。
この本での重要なキーワード;
種分化と系統の変遷の違い(ダーウィンの誤解)
弾幕の戦場:種はランダムに殺戮された
殺戮曲線:待ち時間ごとの殺戮種数の平均値の図
絶滅の選択制:相関が偶然によってだけもたらされる可能性
系統性の制約:進化には既存の構造に重要でない変化しか加えられない
ギャンブラーの破産問題:胴元の資金に比べて
ギャンブラーの資金は少ないので破産するのはギャンブラーである

2015年5月11日月曜日

36(1252) 宇宙人の探し方: 2015.05.11

鳴沢真也著「宇宙人の探し方
地球外知的生命探査の科学とロマン」
(ISBN978-4-344-98328-1 C0295)
を読んだ。
あまり期待せずに読んだが、
なかなか面白かった。
科学者がどのような思い出SETIをやっているのか。
ただし、本格的な科学にはならない。
本業でするのはほんの一部の
恵まれた条件を持っている人になるだろう。
しかし、多人数が興味を持っていることも確かだ。
なかなかおもしろかった。

2015年5月10日日曜日

35(1251) E=mc2: 2015.05.10

ディヴィッド・ボダニス著「E=mc2
世界一有名な方程式の「伝記」」
(ISBN978-4-15-050371-0 C0142)
を読んだ。
有名な式E=mc^2に関する
いろいろな科学的背景、科学者の思い、
科学の歴史的背景などを紹介している。
まとまりがなさそうにみえたが、
それなりに読めたのは
作者の腕力であろう。
また、注が90ページ近くあり、
それもなかなか読み応えのあるものであった。

2015年5月3日日曜日

34(1250) フーコーの振り子 2015.05.03

アミール・D・アクゼル著「フーコーの振り子
科学を勝利に導いた世紀の大実験」
(ISBN4-15-208680-7 C0040)
を読んだ。
コペルニク、ケプラー、ガリレオなど西洋科学者で
宗教の呪縛に悩み、修正、格闘した人がいる。
しかし、彼は地球が太陽の周りを回っていることを
万人がわかる形で示したわけではない。
一番わかりやす方法は、
フーコーの振り子だろう。
コリオリの力を示すことで、
地球の自転を示すのだ。
この実験は一目瞭然。
バチカンもやがてはこの実験を受入た。
しかし、この実験を提示したフーコーは
フランスで不遇時代が長かった。
それは学閥、学歴、肩書など因襲によるもので
実力、実績での評価を嫌ったからだ。
しかし、フーコーを支持した大物たちもいた。
ナポレオン3世やアラゴーだ。
時代を感じさせる。
最後に感想を。
アクゼルの本なのに、
フーコー自身の履歴や業績に関するストーリーが不鮮明だ。
それが残念だ。

15(1231) 黄昏の光と影: 2015.03.03

柴田哲孝著「黄昏の光と影」
(ISBN978-4-334-92923-7 C0093)
を読んだ。
年配と若手の刑事が
独居老人の孤独死を探る。
その部屋には発行化した女性の死体もあった。
探るといろいろな歴史といくつも事件があった。
柴田氏の作品としては、
緻密津田があまり個性がない作品となっている。
少々残念だ。
主人公の個性が明確な作品が好みである。