2015年8月30日日曜日

70(1286) 地球を突き動かす超巨大火山: 2015.08.30

佐野貴司著「地球を突き動かす超巨大火山
新しい「地球学」入門」
(ISBN978-4-06-257925-4 C0244)
を読んだ。
LIP(Large Igneous Province、大規模火成区)にかんする
自分の研究を中心に紹介した本である。
なかなか面白いし内容で、
いくつかのユニークなアイディアも紹介されていた。
今後も研究を進めて成果をあげていもらいたいものだ。
真剣に研究を進めている人が書く、
普及書は拙さがあっても、
やはり興味深い内容である。

2015年8月29日土曜日

69(1285) 沢田マンションの冒険: 2015.08.28

加賀谷哲郎著「沢田マンションの冒険
驚嘆!セルフビルド建築」
(ISBN978-4-480-43244-5 C0152)
を読んだ。
高知にある不思議なマンション。
もと建築業者の沢田夫妻が
自分たちの夢である賃貸マンションを含めた
巨大な住居を自作した。
夫婦そしていまは娘婿の手伝い
改築、改修が継続している。
屋上に断熱を兼ねた田んぼ、畑がある。
建材も、自分たちのもっている森の間伐材を使う。
エレベーターも手作りだ。
もちろん建築法違法である。
ところで、法律は、人の生存や
実際の生活より優先するのか。
望む生活を自力でし、
コミュニティに溶け込んでいるとき
それが人類の幸福に寄与する可能性があるとき
法律に反すれば
その生活を止めなければならないのか。
少々考えさせられた。
そんなことは関係なく、
このマンションは魅了的で面白い。

68(1284) 捏造のロジック: 2015.08.28

喜多喜久著「捏造のロジック
文部科学省研究公正局二神沙希 」
(ISBN978-4-8002-3345-9 C0093)
を読んだ。
利権のSTAP細胞の事件を
下敷きにしたフィクションである。
どこにもいそうな平凡だが人を和ませる主人公と
脇役ではあるが二神も個性的で魅力的である。
最先端の研究施設の舞台に、
研究者の生態をつかったミステリーである。
なかなか面白かった。

2015年8月24日月曜日

67(1283) 達成の人: 2015.08.24

植松三十里著「達成の人
二宮金次郎早春録」
(ISBN978-4-12-205588-9 C1193)
を読んだ。
軽い内容なのでスラスラ読めた。
内容は面白い。
帯に、今日だから読むというような
キャッチがあった。
確かにそう思える。
生活に苦しむことでも
努力が活きてくる。
そこで成長することもできる。
そんな共感を得た。

2015年8月23日日曜日

66(1282) キング&クィーン: 2015.08.23

柳広司著「キング&クィーン」
(ISBN978-4-06-2771986 C0197)
を読んだ。
最初から引き込まれていった。
大げさな展開ではなく、
身近な等身大のストーリーとして展開していく。
それがわかりやすく面白かった。

2015年8月20日木曜日

65(1281) 事故係生稲翔太の多感: 2015.08.20

首藤瓜於著「事故係生稲翔太の多感」
(ISBN4-06-275024-4 C0193)
を読んだ。
以前の「脳男」とは全く違った
軽く読める内容だ。
これは、これで面白いが、
少々軽い内容に思える。
今後の成長譚があるのかと思ったが、
次作はないようだ。
他の作品に期待したい。

2015年8月17日月曜日

64(1280) 特命指揮官: 2015.08.17

梶永正史著「警視庁捜査二課・郷間彩香
特命指揮官」
(ISBN978-4-8002-3638-8 C0193)
を読んだ。
「このミス」大賞シリーズである。
新人の作品とは思えないような
結末である。
途中は中だるみがあるが、
複雑なドンデン返しですべて回収されている。
なかなか面白かった。

2015年8月14日金曜日

63(1279) 量子コンピューターが本当にすごい: 2015.08.14

竹内薫著「量子コンピューターが本当にすごい
Google、NASAで実用が始まった“夢の計算機”」
(ISBN978-4-509-82498-7 C0242)
を読んだ。
量子コンピューターに至る経緯を
詳しく説明している。
わかりやすい解説なので理解しやすい。
なにより、本当に実用化さされていのがすごい。
量子コンピューターの話題については
以前NHKのドキュメンタリーでみたことがある。
その時の司会が竹内氏であった。
その延長ではあるが、
きっちりと物理的説明がされているので、
わかりやすかった。
ただ文章がくだけすぎている点が
気に入らない人もいるだろう。
私もこのようなくだけ方はあまり好きではないが
最新の話題をわかりやすく説明するというは
必要なことであろう。

2015年8月5日水曜日

61(1277) 悩む力: 2015.08.05

姜尚中著「悩む力」
(ISBN978-4-08-720444-3 C0236)
を読んだ。
新書なので短い文章量で
重要な内容を論じています。
その展開を夏目漱石と
社会学者のマックス・ウェーバーの
書作に基づいて論じている。
自分が若いときに悩み抜いき
それを通り抜けた時突き抜けたという。
その突き抜けた先に、
「横着になる」ことがあったという。
私も、そんな老人になれればいいのだが。

60(1276) 磁極反転: 2015.08.05

伊与原新著「磁極反転」
(ISBN978-4-10-336211-1 C0093)
を読んだ。
いつ起こってもおかしくない現象である。
以前、岩波ジュニア新書で
同じ現象を扱った本は
面白かったが、
それを重厚な小説に仕上げたものだ。
現実の地磁気逆転は
もっとゆっくりと進むであろう。
それは著者も了承の上である。
しかし説としては可能性が残されている。
行政や医療事件も関わってくる。
いろいろな伏線が最後にまとまる。
なかなか面白い小説であった。