2006年11月28日火曜日

40(281) 月のきほん: 2006.11.28

白尾元理著「月のきほん」
(ISBN4-416-20612-6 C0044)
を読んだ。
白尾氏の月に関する本だ。
月については、科学的なデータ集はもっていたので
不自由は感じなかったが、
この本を読んで、まさに月の基本がわかった。
天文写真のプロといっても良い白尾氏が
あえてイラストで説明をしたのは、
そのほうが分かりやすいからである。
この本は子供から大人まで、
分かりやすさにこだわって作成されたものである。
私にも面白く分かりやすい内容であった。
いくつか誤植もあったが、それはあとがきにあったように
急いで書いたせいかもしれない。
しかし、それはささやかのことである。
この本はいい。

2006年11月21日火曜日

39(280) 絶滅古生物学: 2006.11.21

平野弘道著「絶滅古生物学」
(ISBN4-00-006273-5 C0044)
を読んだ。
古生物学を絶滅という視点で捉えたものである。
著者の主張はよくわかる。
地球の歴史を解明するためには、
古生物学的情報は不可欠である。
それはあまりに記載的である。
現在の科学の進歩や方向性からは
なかなか古生物学の研究が評価されないのは
学問の性格上仕方がないような気がする。
もっとのびのびと学問できる環境が必要だ。
このような学問は博物館のようなところで
もっと主力を移してやるべき分野のような気がする。
そして、子供や市民に古生物学の面白さを
伝えていくべきであろう。
研究者養成は、大学の地質学や生物学を専攻したものが、
博物館で専門の訓練を受けながら
行うのが理想的ではないだろうか。

38(279) 島物語I: 2006.11.21

灰谷健次郎著「島物語I」
(ISBN4-04-352025-5 C0193)
を読んだ。
以前にも読んだ記憶があるのだが、
新入生用の推薦図書の候補として、再度読んだ。
面白くいろいろ考えさせられる内容であった。
現実にこのようなことが
可能なのだろうか疑問に思うこともある。
しかし、これは小説なのだ。
伝えたいことがあっての虚構である。
著者の伝えたいことについて考えをめぐらすべきであろう。

2006年11月15日水曜日

37(278) 砂場の少年: 2006.11.15

灰谷健次郎著「砂場の少年」
(ISBN4-04-352024-7 C0193)
を読んだ。
35歳の臨時採用の中学校教師が
「札付き」のクラスを担当させられる。
しかし、教師と生徒が理解しあうことで
より深い教育について考えていくものである。
小説である。
最近急遽小説をいくつか読み出した。
新入生に入学前のガイダンスとして、
書籍を指定し、感想を書くというものがある。
そのための素材探しである。
灰谷健次郎は以前結構読んでいた。
今ではほとんど忘れている。
しかし、教育を扱った内容が多いので、
今後も読み進めていこうと考えている。

36(277) 眼の誕生: 2006.11.15

アンドリュー・パーカー著「眼の誕生」
(ISBN4-7942-1478-2 C0040)
を読んだ。
カンブリアの大爆発とよばれる生物の飛躍的進化が
光を感じる眼の進化によるものであるという説が
展開されている。
「光スイッチ」と呼ばれるものである。
当たり前のように見える説であるが、
今までだれも真剣に唱えてこなかったものである。
当たり前に見える説であるから、
非常に多くの面から論じられている。
なかなか面白い説だと思う。
しかし、古生物の進化を考えるときいつも
仮説と真実について考えてしまう。
進化とはあくまでも説にすぎない。
人間の自然の見方といってもいい。
だから進化を支配する要因を考えるのは、
もっと実証困難となる。
現在の生物の環境への適応や小進化ですら、
現象は捉えることができても、
その本当の原因は完全にはわからない。
説をつくっても、それが唯一の解であり、
真実だという証明ができないからだ。
古生物の進化とは過去のできごとである。
だから、論理として一番もっともらしいものが
もっとも真理に近いと考えざる得ない。
そんな当たり前のことであるが、
有力な説が真理だと間違って伝わることには
注意が必要だ。
そんなことを考えた。