2014年11月30日日曜日

135(1166) 漂流者たち: 2014.11.30

柴田哲孝著「漂流者たち」
(ISBN978-4-396-63417-9 C0093)
を読んだ。
3.11直後に依頼受けた私立探偵の
神山健介を主人公とするシリーズである。
被災地を彷徨う容疑者。
それを追う探偵と女性。
被害者を私立探偵が追ううちに
実は黒幕に嵌められていることがわかってくる。
なかなか面白い。

2014年11月28日金曜日

134(1165) 秋霧の街: 2014.11.28

柴田哲孝著「秋霧の街」
(ISBN978-4-396-63385-1 C0093)
を読んだ。
神山健介の探偵物語である。
新潟で殺人事件の被害者の依頼で探ると、
行方不明の被疑者や混血の女性、
ロシアや腐敗警官など
巨悪がだんだん明らかになってくる。
一個人がその巨悪を
崩壊させるというストーリである。
なかなか面白い。
柴田の書く小説は
どれも私の好みにあっているようだ。

2014年11月25日火曜日

133(1164) ベイジン 下: 2014.11.25

真山仁著「ベイジン 下」
(ISBN978-4-344-41469-3 C0193)
を読んだ。
重要人物の逮捕、北京オリンピックの開催
原子力発電の完成。
そして逮捕におけるどんでん返しと原発事故。
ストーリは大きく展開する。
原発事故は、
福島第一原発の事故を思い浮かばせる。
似たパターンで事故が起こる。
この小説は事故前に書かれたものだ。
事故処理の最中で話が終わる。
嫌な終わり方だ。

2014年11月22日土曜日

132(1163) 失敗学のすすめ: 2014.11.22

畑村洋太郎著「失敗学のすすめ」
(IBSN978-4-06-210346-6)
を読んだ。
失敗から学ぶ重要性を示した本である。
主張は理解できる。
畑村氏の活躍も知っている。
だからこの重要性もわかる。
しかし、なぜが学ぶ気がしない。
どうしてだろうか。

131(1162) ベイジン 上: 2014.11.22

真山仁著「ベイジン 上」
(IBSN978-4-344-41468-6 C0193)
を読んだ。
最新で最大の原子力発電所の
建築を巡る小説である。
中国の現状を反映した
危機感がリアリティをもって描かれている。
なかなか面白い。

2014年11月19日水曜日

130(1161) 永遠の誓い: 2014.11.19

佐川光晴著「永遠の誓い」
(ISBN4-06-212990-6 C0093)
を読んだ。
県職員から中学校教員になった夫と
地元で生まれ育った保育士の妻。
小説は2部にわかれていて、
夫の視点で結婚と中学校教師の生活と
そこで起こる事件が夫婦に亀裂を生む。
次に妻の視点で
事件以降の短い期間の話がすする。
生活に密着した視点の転換が面白い。

129(1160) 悟浄出立: 2014.11.19

万城目学著「悟浄出立」
(ISBN978-4-10-336011-7 C0093)
を読んだ。
短篇集で、
西遊記の沙悟浄、
三国志の趙雲、
四面楚歌の虞美人、
秦の刺客と同名の役人、
司馬遷の娘と、
有名な物語や歴史の人物で
主役じゃない人たちを取り上げたものだ。
中国色をきっちりと出せているので、
それなりの取材がされている。
読み応えがあった。

2014年11月15日土曜日

128(1159) 異聞太平洋戦記: 2014.11.15

柴田哲孝著「異聞太平洋戦記」
(ISBN978-4-06-216722-2 C0093)
を読んだ。
短篇集だが、
第二次世界大戦の日本軍のミステリーを
小説として可能性を示している。
どこまで事実でどこまらフィクションなのかが
歴史に詳しくないので、わかならない。
しかし、それでも面白い。
なかなかの力量である。

2014年11月11日火曜日

127(1158) 小泉政権―非常の歳月: 2014.11.11

佐野眞一著「小泉政権―非常の歳月」
(ISBN4-16-734007-0 C0195)
を読んだ。
異形の総理である小泉を
政権在籍中に書いたルポをまとめたものである。
小泉自身より秘書の飯島勲、
政権の生みの母ともいうべき田中真紀子、
女系一家を背負う姉の信子を
書き、そして小泉純一郎の本質に迫るものだ。
綿密な取材にもとづいたノンフィクションであった。

2014年11月7日金曜日

126(1157) 牛を屠る: 2014.11.07

佐川光晴著「牛を屠る」
(ISBN978-4-575-71417-3 C0195)
を読んだ。
佐川氏の実際の屠殺場での
仕事についての話を書いたものだが。
「生活の設計」の背景になっているものである。
被差別などの問題をはらむ職業なので
それにからんだ背景を
だれもが想像するのだが、
佐川氏はまったくその気がないようだ。
ただたんに体を使って働くこと。
仕事には自分の技術が
仕事の効率や出来栄えに反映される。
ひらすら体を使って働くことが
佐川氏の喜びになるという。
それを素直に書いた作品であった。
佐川氏の書く本は実体験があるので面白い。

2014年11月6日木曜日

125(1156) 初恋よ、さよならのキスをしよう: 2014.11.06

樋口有介著「初恋よ、さよならのキスをしよう」
(ISBN4-488-45902-1 C0193)
を読んだ。
ミステリーだが、会話が洒脱なところがいいが、
今回の作品はそれほどではなかった。
主人公の柚木のだらしなさが際立っていた。
ミステリーとしては、比較的単純だが、
彼の作品の面白さは、
主人公の視点だけで書かれている点である。
著者や他者の視点が全く入っていない。
これは、気にしなければ気づかないが、
なかなか面白い試みである。

2014年11月2日日曜日

124(1155) チャイナ・インベイジョン: 2014.11.02

柴田哲孝著「チャイナ・インベイジョン」
(ISBN978-4006-218066-5 C0093)
を読んだ。
中国に関する日本の尖閣問題、
水源地、不動産の購入などの話題をもとに、
中国の脅威を小説としてまとめたものだ。
終わりが戦争への突入となり、
後味の悪いものであるが、
現実に近いシナリオに見える。
それが恐ろしさを増す。
前作の中国毒に通じる恐ろしさがある。