2015年2月26日木曜日

13(1229) 呼鈴の科学: 2015.02.26

吉田武著「呼鈴の科学」
(ISBN978-4-06-288244-6 C0242)
を読んだ。
吉田武の著作は強い。
古武士のような精神性を感じる。
ポリシーと主張を
全面に出して書かれている。
彼の本業である理工学分野での
作品となっている。
しかし、歳だろうか。
もと電子少年の私は、今では電子少年に戻れない。
実は、若い頃の回想を含む文章を
現在執筆中なので
少々驚きをもって読んだ。

2015年2月20日金曜日

12(1228) 神は妄想である:No. 5147 2015.02.20

リチャード・ドーキンス著「神は妄想である
宗教との決別」
(ISBN978-4-15-208836-5 C0040)
を読んだ。
ページも内容も重厚で読み応えがあった。
丸2週間かけて読んだことになる。
西洋の多数の知識人たちが
このような本を読んでいる。
グールドの時にも感じたが
西洋諸国の知的レベルの高さがわかる。
そして書ける人も輩出していることも
知的階級を抱えていることもすごい。
この本は、グールドとは違って、
完全に宗教を否定しているものである。
無宗教のすすめである。
宗教の一番の問題は
子どもは、親や家庭、コミュニティ、
民族、国の影響下で
簡単に宗教的思想に染まっていき
大人になっても抜け出れないというものである。
宗教の無限ループに入り込んでいく。
現在の世界では原理主義的宗教をもつ民族、
コミュニティや国会大きな問題となっている。
その背景が洗脳的宗教である。
重厚な論であるが、面白かった。

2015年2月7日土曜日

11(1227) 死なないやつら: 2015.02.07

長沼毅著「死なないやつら
極限から考える「生命とは何か」」
(ISBN978-4-06-257844-8 c0245)
を読んだ。
なかなかおもしろかった。
生命の起源に関するアイディアもなかなかいい。
しかし、なぜか全般的にぱっとしないのは、
なぜだろうか。

2015年2月5日木曜日

10(1226) 生物部な毎日: 2015.02.05

桝太一著「理系アナ桝太一の生物部な毎日」
(ISBN978-4-00-500780-6 C0245)
を読んだ。
時間ができたので本屋を覗いたら目についたので
時間つぶしになると思い読んだ。
短いの移動や待時間で読めた。
軽るすぎるので、
もう少し中身を刻しても良かったのではないだろうか。

2015年2月1日日曜日

9(1225) 防壁: 2015.02.01

真保裕一著「防壁」
(ISBN4-06-264911-X C0193)
を読んだ。
4つの短編からなら作品集だった。
公務員でも、危険にさらされる。
警視庁SP、自衛隊の不発弾処理係、
海上保安庁の救難救助員、消防士が
それぞれ主人公の作品である。
単に公務員が主人公であるだけでなく、
公務と女性関係が織りなす綾が描かれている。
あまり短篇集はすきではないが、
面白かった。

2015年1月29日木曜日

8(1224) デッド・エンド: 2015.01.29

柴田哲孝著「デッド・エンド」
(ISBN978-4-575-23860-0 C0093)
を読んだ。
面白い。
囚人が刑務所から脱伍する。
凄くシンプルな方法でおこなう。
実はこの脱走犯が主人公で
知能が高く、行動力もある。
巨大なインサイダー取引による陰謀を
暴こうとして嵌められて
犯人として刑務所に逃れた。
脱走してからその巨悪を暴こうとする。
ストーリーはいろいろな伏線が錯綜する。
面白かった。
柴田の作品にはずれはない。

2015年1月26日月曜日

7(1223) 流星ひとつ:No. 5123 2015.01.26

沢木耕太郎著「流星ひとつ」
(ISBN978-4-10-327516-9 C0095)
を読んだ。
藤圭子が芸能界を引退する直前に
インタヴューをして
ノンフィクションにしたものだ。
会話だけで構成されいている本だ。
しかし、この本は、30年間出版されずに
藤圭子のものと一冊だけ
オリジナル原稿が製本されて渡されたそうだ。
沢木の手元にはコピーだけが残されていたようだ。
そして藤圭子か投身自殺した後、
関係者や子どもに若いころの藤圭子を伝えるために
出版したという。
藤圭子の歌手時代は知っているが、
詳しくは知らなかったが、
一人の人間として興味あるい人生であった。

2015年1月23日金曜日

6(1222) ぼくは上陸している 上: 2015.01.23

スティーヴィン・ジェイ・グールド著
「ぼくは上陸している 上
進化をめぐるたびの始まりの終わり」
(ISBN978-4-15-209231-1 C0045)
を読んだ。
グールド最後のエッセイ集だ。
読むのがもったいなく置いておいた。
2011年に出てすぐ上下巻を購入した。
1週間ほどかけて読んだ。
読み応えがある内容だ。
集中して読まないと
なかなか理解できない内容だ。
はやりグールドはすごい。
あと一巻残っているので
それはまたしばらくしてから読もう。

2015年1月17日土曜日

5(1221) 地球システムを科学する: 2015.01.17

伊勢武史著「地球システムを科学する」
(ISBN978-4-86064-376-8 C0044)
を読んだ。
システム科学で地球環境を考える研究者で
その紹介をする本であった。
ありきたりの論理なので
新鮮味はなく、共感ができなかった。
まあ、研究者の考えを
示したいのだろう。

2015年1月13日火曜日

4(1220) 四人はなぜ死んだのか: 2015.01.13

三好万季著「四人はなぜ死んだのか
インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」」
(ISBN4-16-765608-6 C0195)
を読んだ。
著者が中学生3年生の夏休みに
和歌山毒入りカレー事件が起こった。
夏休みの宿題として、
それを調べることにした。
すると、保健所、病院、警察の患者に対する
対処のミスがあった。
そんなことは、中学生が、
書籍やネットを使って
調べると、すぐにわかることだった。
レポートを整理して
文藝春秋に持ち込んだら
記事になり、最終的に読者賞をとった。
それが本になり、文庫本にもなった。
文庫本では中学生2年生の時の
レポートも掲載されていたが、
なかなか面白かった。
今どうしているか、興味があるが、
どうなんだろう。

2015年1月11日日曜日

3(1219) 粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う: 2015.01.11

中垣俊之著「粘菌 偉大なる単細胞が人類を救う」
(ISBN978-4-15-660984-0 C0245)
を読んだ。
粘菌の行動原理に知性を見出し、
それを物理の方程式や原則で導こうという試みは面白い。
科学と自然の境界にあり、
科学が切り捨ててきた領域に見える。
こんな研究は非常に面白いだろうと想像できる。
ただし、その背景には
科学としての積み上げられた実績と
失敗から培われた経験とがあるからだろう。
なかなか面白い本であった。

2015年1月9日金曜日

2(1218) サイコパス: 2015.01.09

柴田哲孝著「サイコパス」
(ISBN978-4-19-86311-6 C0093)
を読んだ。
元FBIの捜査官のエミコ・クルーニルと
西新宿署の刑事、城島秀明が
別々に犯人を追っていく。
ただし、その犯人は
エミコの近くにいる人物であった。
サイコパスという精神病の区分は
明瞭ではなく
人間固有の特性ではないか、
という柴田の主張は理解できる。

2015年1月4日日曜日

1(1217) ビブリア古書堂の事件手帖 6: 2015.01.04

三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖 6」
(ISBN978-4-04-869189-5 C0193)
を読んだ。
今回は長編で、太宰治の「晩年」をめぐる物語である。
「晩年」という稀覯本をめぐって、
執着している人物たちの物語が、
その関係者の過去の物語とリンクする。
稀覯本を扱う主人公たちが攻防を繰り返す。
今回は栞子ではなく
五浦が傷を負うことになる。
面白かった。
すぐに読めるはずだったが、
諸事情でなかなかはかどらなかった。

2015年1月1日木曜日

0(1216) 番号のリセット: 2015.01.01

今年から、番号のリセットをすることにした。
以前、このリストに入っていない読書メモが39冊あった。
それはホームページに示していたものだ。
しかし、それを今年から加えてトータル数を示すことにした。
ブログも変更していくことにする。

2014年12月31日水曜日

読書メモ: 2014.12.31

今年は、145冊の読書メモをした。
中でも小説をよく読んだ気がする。
精神的に疲れていると、
気分転換に小説を読んでしまう。
専門書はなかなか読まなくなった。
必要で目を通す専門書は多数ある。
購入してる本でみると、
専門書の方へ使用している
金額の方が多いだろう。
娯楽のための本は、
古本で購入することが多いので、
使用金額は以前と比べると
少なくなっているはずだ。
しかし購入冊数は
多くなっているような気がする。
書店で見て、思いつきで
買う本がかなり少なくなってきた。
街に出なくなったせいもあるのだろ。
ネットで選んで関連したテーマの本を
購入することが多くなった。

最近の研究者の傾向として、
専門書より一般向けの
新書などでの出版が
多くなってきたような気がする。
新書でも論文ではないが、
最新情報が紹介され、
そこに著者のアイディアが提示されている。
なかなかおもしろ状況である。
科学好きの市民や、初学者、
知的好奇心を満たしたい人には
非常にいい状態である。

145(1176) 地球はどうしてできたのか: 2014.12.31

吉田晶樹著「地球はどうしてできたのか」
(ISBN978-4-06-257883-7 C0244)
を読んだ。
コンピュータによるマントルの
シミュレーションからみた
地球の仕組みを考えた本である。
大陸移動のメカニズム、
マントル対流の実態を知る方法を
まとめたものである。

2014年12月26日金曜日

144(1175) The Profiler: 2014.12.26

柴田哲孝著「The Profiler
悪魔は天使の胸の中に」
(ISBN978-4-19-893159-9 C0193)
を読んだ。
もとFBIのプロファイラーと
日本の刑事がネットをもちいた
サブリミナル効果を利用した
殺害計画の犯人と戦う話しである。
なかなか面白かった。

2014年12月24日水曜日

143(1174) 銀座ブルース: 2014.12.24

柴田哲孝著「銀座ブルース」
(ISBN978-4-575-51447-6 C0193)
を読んだ。
戦後の数年間に起こった、
不思議な事件、帝銀事件、山下国鉄総裁事件、
昭電疑獄事件、小平事件など
現実にあった事件や
実在の刑事や裏で動いた人物などが
登場して物語がすすむ。
短篇連作集だが
共通する何人かの登場人物が
物語が進み、事件の時系列とともに
人の関係も進む。
この作家はやはり面白い。

2014年12月21日日曜日

142(1173) 西川麻子は地理が好き: 2014.12.21

青柳碧人著「西川麻子は地理が好き」
(ISBN978-4-16-790221-6 C0193)
を読んだ。
地理を題材にした
小さなミステリーの短篇集である。
地理の知識をいろいろ使った謎解きが使われている。
まあ、それに力を入れすぎたせいか、
ミステリー時代の謎は深くない。
他の青柳の作品と同様、
軽いミステリーである。

2014年12月19日金曜日

141(1172) 気候変動はなぜ起こるのか: 2014.12.19

ブロッカー著「気候変動はなぜ起こるのか」
(ISBN978-4-06-287846-2 C0244)
を読んだ。
オーシャン・コンベアーモデルを
提唱した研究者が書いた
一般向けの本である。
最終氷期から現在の間氷期への
転換をテーマとしている。
1000年周期の海洋循環を
水温と塩分濃度(熱塩循環)が
原因であるという説である。
しかし、この本から、
大きな気候変動の原因究明することの
難しさがよくわかる。
生涯をかけて研究している
多くの人の努力をもってしても、
結論にはいたらないのだ。