2008年4月27日日曜日

30(397) 背信の科学者たち:2008.04.27

ウイリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド著
「背信の科学者たち」
(ISBN4-06-257535-3 C0240)
を読んだ。
科学者たちの不正行為の実例を、
古くはプトレマイオスから、
ガリレオ、ニュートン、メンデルなどの巨人、
そして最近までの実例を挙げている。
ただ、実例をあげるだけではなく、
なぜそのような行為が起こるのかを論じている。
なかなか面白い内容であった。
現在固有の理由、
科学が本来抱えている問題、
明らかに個人の個性の問題まで
多様な様相ががあることがわかる。
なかなか結論が出ないもんだいである。
現在の研究者養成過程では、
専門性、先端を追うこと、
業績を出すことなどは教育するが、
科学の方法論や考え方、論理性、そして倫理感など、
研究者とて必要な部分の教育が
もれている気がする。
そのような教育こと必要なのかもしれない。
あるいは、別の方策として、
本書でも示されているが、
研究者をもっと減らすべきなのかもしれない。
大学では、教育に専念、もしくは重点をおいた
教員が多数いていいのではないだろうか。
そのような場で、研究成果を問われることなく、
趣味とはいわないが、好きな研究を自由な気分で、
好きなだけ行えばいいのではないだろか。
そんなことを考えた。