2014年12月26日金曜日

144(1175) The Profiler: 2014.12.26

柴田哲孝著「The Profiler
悪魔は天使の胸の中に」
(ISBN978-4-19-893159-9 C0193)
を読んだ。
もとFBIのプロファイラーと
日本の刑事がネットをもちいた
サブリミナル効果を利用した
殺害計画の犯人と戦う話しである。
なかなか面白かった。

2014年12月24日水曜日

143(1174) 銀座ブルース: 2014.12.24

柴田哲孝著「銀座ブルース」
(ISBN978-4-575-51447-6 C0193)
を読んだ。
戦後の数年間に起こった、
不思議な事件、帝銀事件、山下国鉄総裁事件、
昭電疑獄事件、小平事件など
現実にあった事件や
実在の刑事や裏で動いた人物などが
登場して物語がすすむ。
短篇連作集だが
共通する何人かの登場人物が
物語が進み、事件の時系列とともに
人の関係も進む。
この作家はやはり面白い。

2014年12月21日日曜日

142(1173) 西川麻子は地理が好き: 2014.12.21

青柳碧人著「西川麻子は地理が好き」
(ISBN978-4-16-790221-6 C0193)
を読んだ。
地理を題材にした
小さなミステリーの短篇集である。
地理の知識をいろいろ使った謎解きが使われている。
まあ、それに力を入れすぎたせいか、
ミステリー時代の謎は深くない。
他の青柳の作品と同様、
軽いミステリーである。

2014年12月19日金曜日

141(1172) 気候変動はなぜ起こるのか: 2014.12.19

ブロッカー著「気候変動はなぜ起こるのか」
(ISBN978-4-06-287846-2 C0244)
を読んだ。
オーシャン・コンベアーモデルを
提唱した研究者が書いた
一般向けの本である。
最終氷期から現在の間氷期への
転換をテーマとしている。
1000年周期の海洋循環を
水温と塩分濃度(熱塩循環)が
原因であるという説である。
しかし、この本から、
大きな気候変動の原因究明することの
難しさがよくわかる。
生涯をかけて研究している
多くの人の努力をもってしても、
結論にはいたらないのだ。

2014年12月14日日曜日

140(1171) 木嶋先生の静かな世界: 2014.12.14

森博嗣著「木嶋先生の静かな世界」
(ISBN978-4-06-21-6636-2 C0093)
を読んだ。
いい本である。
森氏の本はミステリィ以外では
あまり読んだことがなく、
読むの自体も久しぶりだ。
この本は久しぶり感動した本である。
静かだが頭脳の巨人である木嶋先生と
そこに配属され研究者というものに
成長していく主人公の精神的な成長を描いている。
静かだが、そこには壮絶な精神性が蠢いている。
私も大学院時代に、
こんな気持の時があったことを思い出させてくれた。

2014年12月12日金曜日

139(1170) 地球外生命: 2014.12.12

長沼毅・井田茂著「地球外生命
われわれは孤独なのか」
(ISBN978-4-00-431469-1 C0244)
を読んだ。
なかなか面白い本であったが、
専門や考えの違う研究者が
一つのテーマについて書くのはいい。
しかし、この本に関しては、
別々に書いたほうが面白かった。
お互いの専門に踏み込まないような
遠慮があったり、
思い切った意見表明が
されていない気がする。
二人とも十分一冊の本が書け
そこそこ売れるものになはるはずなので、
それぞれで書いて欲しかった。

2014年12月8日月曜日

138(1169) 1たす1は2にならない: 2014.12.08

三浦つとむ著「1たす1は2にならない」
(ISNM4-7503-2396-9 C0010)
を読んだ。
子ども向けの生き方、考え方の本である。
失敗をどう考えるか、
ものごとにはひとつの見方、考え方ではなく、
いろいろものがあることをしめしている。
いろいろな視点で書かれている。
もうひとつわかりにくい本だ。

2014年12月3日水曜日

136(1167)とうさんは、大丈夫: 2014.12.03

佐川光晴著「とうさんは、大丈夫」
(ISBN978-4-06-216107-7 C0093)
を読んだ。
児童相談所の児童福祉司が
ストレスでうつ病にかかる。
治療をして復帰するときに、
児童養護施設でリハビリを兼ねて働き出す。
自主的に1週間の当直をかってでる。
幻聴や妄想が現実と錯綜して
トラブルをおこすぎりぎりのところまでいく。
家族との電話やメール、コミュニケーションで
なんとか踏みとどまっている。
そして1週間の当直を終えて
作品も終わる。

2014年11月30日日曜日

135(1166) 漂流者たち: 2014.11.30

柴田哲孝著「漂流者たち」
(ISBN978-4-396-63417-9 C0093)
を読んだ。
3.11直後に依頼受けた私立探偵の
神山健介を主人公とするシリーズである。
被災地を彷徨う容疑者。
それを追う探偵と女性。
被害者を私立探偵が追ううちに
実は黒幕に嵌められていることがわかってくる。
なかなか面白い。

2014年11月28日金曜日

134(1165) 秋霧の街: 2014.11.28

柴田哲孝著「秋霧の街」
(ISBN978-4-396-63385-1 C0093)
を読んだ。
神山健介の探偵物語である。
新潟で殺人事件の被害者の依頼で探ると、
行方不明の被疑者や混血の女性、
ロシアや腐敗警官など
巨悪がだんだん明らかになってくる。
一個人がその巨悪を
崩壊させるというストーリである。
なかなか面白い。
柴田の書く小説は
どれも私の好みにあっているようだ。

2014年11月25日火曜日

133(1164) ベイジン 下: 2014.11.25

真山仁著「ベイジン 下」
(ISBN978-4-344-41469-3 C0193)
を読んだ。
重要人物の逮捕、北京オリンピックの開催
原子力発電の完成。
そして逮捕におけるどんでん返しと原発事故。
ストーリは大きく展開する。
原発事故は、
福島第一原発の事故を思い浮かばせる。
似たパターンで事故が起こる。
この小説は事故前に書かれたものだ。
事故処理の最中で話が終わる。
嫌な終わり方だ。

2014年11月22日土曜日

132(1163) 失敗学のすすめ: 2014.11.22

畑村洋太郎著「失敗学のすすめ」
(IBSN978-4-06-210346-6)
を読んだ。
失敗から学ぶ重要性を示した本である。
主張は理解できる。
畑村氏の活躍も知っている。
だからこの重要性もわかる。
しかし、なぜが学ぶ気がしない。
どうしてだろうか。

131(1162) ベイジン 上: 2014.11.22

真山仁著「ベイジン 上」
(IBSN978-4-344-41468-6 C0193)
を読んだ。
最新で最大の原子力発電所の
建築を巡る小説である。
中国の現状を反映した
危機感がリアリティをもって描かれている。
なかなか面白い。

2014年11月19日水曜日

130(1161) 永遠の誓い: 2014.11.19

佐川光晴著「永遠の誓い」
(ISBN4-06-212990-6 C0093)
を読んだ。
県職員から中学校教員になった夫と
地元で生まれ育った保育士の妻。
小説は2部にわかれていて、
夫の視点で結婚と中学校教師の生活と
そこで起こる事件が夫婦に亀裂を生む。
次に妻の視点で
事件以降の短い期間の話がすする。
生活に密着した視点の転換が面白い。

129(1160) 悟浄出立: 2014.11.19

万城目学著「悟浄出立」
(ISBN978-4-10-336011-7 C0093)
を読んだ。
短篇集で、
西遊記の沙悟浄、
三国志の趙雲、
四面楚歌の虞美人、
秦の刺客と同名の役人、
司馬遷の娘と、
有名な物語や歴史の人物で
主役じゃない人たちを取り上げたものだ。
中国色をきっちりと出せているので、
それなりの取材がされている。
読み応えがあった。

2014年11月15日土曜日

128(1159) 異聞太平洋戦記: 2014.11.15

柴田哲孝著「異聞太平洋戦記」
(ISBN978-4-06-216722-2 C0093)
を読んだ。
短篇集だが、
第二次世界大戦の日本軍のミステリーを
小説として可能性を示している。
どこまで事実でどこまらフィクションなのかが
歴史に詳しくないので、わかならない。
しかし、それでも面白い。
なかなかの力量である。

2014年11月11日火曜日

127(1158) 小泉政権―非常の歳月: 2014.11.11

佐野眞一著「小泉政権―非常の歳月」
(ISBN4-16-734007-0 C0195)
を読んだ。
異形の総理である小泉を
政権在籍中に書いたルポをまとめたものである。
小泉自身より秘書の飯島勲、
政権の生みの母ともいうべき田中真紀子、
女系一家を背負う姉の信子を
書き、そして小泉純一郎の本質に迫るものだ。
綿密な取材にもとづいたノンフィクションであった。

2014年11月7日金曜日

126(1157) 牛を屠る: 2014.11.07

佐川光晴著「牛を屠る」
(ISBN978-4-575-71417-3 C0195)
を読んだ。
佐川氏の実際の屠殺場での
仕事についての話を書いたものだが。
「生活の設計」の背景になっているものである。
被差別などの問題をはらむ職業なので
それにからんだ背景を
だれもが想像するのだが、
佐川氏はまったくその気がないようだ。
ただたんに体を使って働くこと。
仕事には自分の技術が
仕事の効率や出来栄えに反映される。
ひらすら体を使って働くことが
佐川氏の喜びになるという。
それを素直に書いた作品であった。
佐川氏の書く本は実体験があるので面白い。

2014年11月6日木曜日

125(1156) 初恋よ、さよならのキスをしよう: 2014.11.06

樋口有介著「初恋よ、さよならのキスをしよう」
(ISBN4-488-45902-1 C0193)
を読んだ。
ミステリーだが、会話が洒脱なところがいいが、
今回の作品はそれほどではなかった。
主人公の柚木のだらしなさが際立っていた。
ミステリーとしては、比較的単純だが、
彼の作品の面白さは、
主人公の視点だけで書かれている点である。
著者や他者の視点が全く入っていない。
これは、気にしなければ気づかないが、
なかなか面白い試みである。

2014年11月2日日曜日

124(1155) チャイナ・インベイジョン: 2014.11.02

柴田哲孝著「チャイナ・インベイジョン」
(ISBN978-4006-218066-5 C0093)
を読んだ。
中国に関する日本の尖閣問題、
水源地、不動産の購入などの話題をもとに、
中国の脅威を小説としてまとめたものだ。
終わりが戦争への突入となり、
後味の悪いものであるが、
現実に近いシナリオに見える。
それが恐ろしさを増す。
前作の中国毒に通じる恐ろしさがある。