2012年4月30日月曜日

26(843)あんぽん 孫正義伝: 2012.04.30

佐野眞一著「あんぽん 孫正義伝」
(ISBN978-4-09-388231-6 C0095)
を読んだ。
面白い。
一気に読んでしまった。
孫の背景や生い立ち、親族にも
奇妙な面白さがあるのはもちろん、
著者である佐野氏の人間性を
反映しながら書かれていることが、
彼のルポルタージュの面白さだろう。
ルポしている人物に
入れ込んでいる姿が面白い。
のめり込んだ取材から、
不思議なめぐり合わせで
いろいろなニュースソースを発掘し、
新たな人脈が生まれる。
そんな体験も読者は同時に味わえる。
扱っている人、素材が
大きなニュースバリューがあるが、
今のマスメディアが扱わない視点がある。
それは佐野氏の個性を反映しているからであろう。
彼の作品をしばらく読んでみるつもりだ。

2012年4月26日木曜日

25(842)倒幕の紋章: 2012.04.26

加地将一著「倒幕の紋章」
(ISBN978-4-569-67779-8 C0193)
を読んだ。
幕末の時代小説じたての
幕末論である。
中途半端に終わったと思ったら、
今後も続くようである。
期待したいが、
著者は他のシリーズ本を書いているので
どうなることやら。

2012年4月22日日曜日

24(841)失われた秘紋: 2012.04.22

加地将一著「失われた秘紋」
(ISBN978-4-396-61370-9 C0021)
を読んだ。
漢字を頼りに、
古代史を探る。
日本人の由来と民族の由来を探る。
それをシリーズの小説としている。
論証部分は、小説らしくないが、
読めるので面白い。
ただし、いつものように結論は定かでないが。

2012年4月11日水曜日

23(840)西郷の貌: 2012.04.11

加治将一著「西郷の貌」
(ISBN978-4-396-61413-3 C0021)
を読んだ。
著者の最近著である。
幕末の13人の武士の写真を中心に
話が展開していく。
そこに写っている人物はだれか、
なぜ写っているのか。
しかし、ストーリーはごろごろ転がり、
写真からは離れていく。
最後に戻ってくる。
ノンフィクションなら論理展開に
ついていけないところだが、
小説であるから面白い。

2012年4月10日火曜日

22(839)13歳の娘に語るガロアの数学: 2012.04.10


金重明著「13歳の娘に語るガロアの数学」
(ISBN978-4-00-005211-5 C0041)
を読んだ。
20歳で夭折した天才数学者ガロアの業績を
大学での整理された形ではなく、
形成史を追いながら
わかりやすく説明している。
群と置換、体などの概念を導入して、
高次方程式を抽象化してどう眺めるか
を解説している。
なかなか難解だが、
忠実にフォローすれば、
なんとなく理解できる。
しかし、ガロアの見ていた景色は
私にはなかなか見えない。

2012年4月4日水曜日

21(838)舞い降りた天皇: 2012.04.04

加治将一著「舞い降りた天皇」上・下
(ISBN978-4-396-33625-7 C0121
ISBN978-4-396-33626-4 C0121)
を読んだ。
天皇と書いて「すめろぎ」と読む。
加治氏の小説による
歴史推理である。
彼の小説は面白い。
明石散人の著書と同じ面白さがある。
明石散人が書かなくなったので、
加治氏がその後継者だろうか。
継続的に読んでいこうか。

2012年3月23日金曜日

20(837)龍馬の黒幕: 2012.03.23

加治将一著「龍馬の黒幕」
(ISBN978-4-396-33506-9 C0120)
を読んだ。
フリーメイソンと明治維新の関連を
述べたはずだが、
あまりフリーメイソンについては
強調されていない。
また、龍馬暗殺についての新説を提唱している。
説明や時系列、人文描写が飛び飛びなので
フォローするのが大変である。
ノンフィクションの書き方として理解しづらい。
また、フィクションでは許される論理が、
ノンフィクションでは許されない論理が多数あり、
信頼性が低く感じる。
彼の作品は小説じたてのほうが面白い。

2012年3月18日日曜日

19(836)幕末維新の暗号 2012.03.18

加治将一著「幕末維新の暗号」

(ISBN978-4-396-61286-3 C0021)
を読んだ。
歴史を素材にした小説である。
明石散人のような小説である。
自分の陰謀史観をいろいろな証拠によって
展開するものである。
論理的には証拠不十分のところが多々あるが、
小説として考えれば
面白みは増す。
同じ著者の他の本も読みだした。

2012年3月11日日曜日

18(835)はじめてのえころじい:No. 4002 2012.03.11

藤井宏一編著「はじめてのえころじい」
(ISBN4-7853-0603-3 C0045)
を読んだ。
少々古い内容であるが、
会話文による話題の展開である。
このような展開は好きである。
内容が深いものをわかりやすくするつもりが
少々わかりにくくなっている気がする。
でも複数の著者が統一した会話調で
かけているのがすごい。

2012年3月7日水曜日

17(834)海底ごりごり 地球史発掘: 2012.03.07

須藤斎著「海底ごりごり 地球史発掘」
(ISBN978-4-569-80164-3 C0244)
を読んだ。
IODPの航海である。
友人がH氏がコチーフをしているレグだ。
ニュージーランド沖を数箇所
掘削するプロジェクトである。
もう、私は地質学のプロパーを降りたので、
乗船する機会はないので、
羨ましさ半分、あきらめ半分。
自分なりのやりたいことをすることへの
意識の確認半分、動機の増進半分。
彼の書くものは、等身大で共感できる。

2012年3月5日月曜日

16(833)決着!恐竜絶滅論争: 2012.03.05

後藤和久著「決着!恐竜絶滅論争」
(ISBN978-4-00-029586-4 C0344)
を読んだ。
なかなか面白い内容であった。
恐竜絶滅が地質学者では自明とおもっていたが、
メディアに流れるのが反対論者の説ばかりなので、
それに決着を付けるために、
41名でサイエンスに掲載された論文。
その裏舞台から内容を
わかりやすくまとめた本である。
なかなか面白かった。

2012年3月3日土曜日

15(832)リブート!: 2012.03.03

福田和代著「リブート!」
(ISBN978-4-575-23733-7 C0093)
を読んだ。
銀行のIT関連のSEたちのトラブルへの対処と
その人間関係を描いものである。
コンピュータやプログラムのトラブルが中心で
人間模様が薄感じた。
舞台やパーツはいいのだが、
ストーリが今ひとつであった。

2012年3月1日木曜日

14(831)写楽閉じた国の幻: 2012.03.01

島田荘司著「写楽閉じた国の幻」
(ISBN978-4-10-325231-3 C0093)
を読んだ。
大作である。
読むのに時間がかかったが、
面白かった。
作家が歴史的な事柄に
独自の説を出すということはよくある。
研究者ではないから詰めが甘いところがある。
しかし、作家であるから、
その書き様、ストーリーは面白い。

2012年2月21日火曜日

13(830)津波と原発: 2012.02.21

佐野眞一著「津波と原発」
(ISBN978-4-06-217038-3 C0095)
を読んだ。
二部構成で、一部で津波の現場を歩くルポで、
二部が原発街道のルポと
その周辺の取材によるものである。
どうしても原発には正力松太郎、
利権、原子力村などどろどろしたものがでてくる。
こんな実体があることが日本の弱さなのだろうか。
隠蔽することなく公開して
ものごとを進められないだろうか。

12(829)格闘する者に○: 2012.02.21

三浦しをん著「格闘する者に○」
(ISBN4-7942-0960-6 C0095)
を読んだ。
不思議なタイトルだと思っていたが、
出版社の就職試験とき
案内の人が、該当を「かくとう」と
何度も誤読したエピソードがある。
それからとったものだ。
内容は就職に格闘する学生の話である。
不思議な趣のある本である。
さすが三浦しをんだ。
内容は面白い。

2012年2月17日金曜日

11(828)天使のナイフ: 2012.02.17

薬丸岳著「天使のナイフ」
(ISBN4-06-213055-6 C0093)
を読んだ。
51回江戸川乱歩賞の受賞作である。
審査委員の満場一致での受賞だ。
少年法と加害者、被害者との重いテーマである。
引きこまれて一気に読んだ。
ストーリーは面白いが、
内容が暗く重いので、
読後感がすっきりしない。

2012年2月15日水曜日

10(827)東電OL殺人事件: 2012.02.15

佐野眞一著「東電OL殺人事件」
(ISBN4-10-436901-2 C0095)
を読んだ。
表題の事件を、裁判とともに
長期にわたって取材したものである。
社会の暗部を書いたものだ。
一部独善、思い入れの部分があるが、
なかなかすごいルポであった。
いくつか彼のルポを読む予定である。

2012年2月7日火曜日

9(826)算聖伝: 2012.02.07

鳴海風著「算聖伝」
(ISBN4-404-02882-2 C0093)
を読んだ。
関孝和の伝記小説である。
日本の算学の創始者で、
世界でももっとも進んでいた数学者であった。
その生涯があまり記録されていないようだ。
数学に著作は多数あるのにだ。
そこにはフィクションの余地が生じる。
これそれを最大限に活かした物語である。
なかなか面白かった。

2012年2月2日木曜日

8(825)小暮写眞館: 2012.02.02

宮部みゆき著「小暮写眞館」
(ISBN978-4-06-216222-7 C0093)
を読んだ。
大部であるが、面白い。
幽霊や心霊写真が題材になるが、
中心は人や家族のさまざまなあり方を
表現しているのであろう。
読むのに時間がかかったが、
やめられずに最後まで読みきれた。

2012年1月27日金曜日

7(824)鉱物アソビ: 2012.01.27

フジイキョウコ著「鉱物アソビ」
(ISBN978-4-86020-294-1 C0076)
を読んだ。
変わった本である。
鉱物を楽しんできた著者の
鉱物の楽しみ方を紹介している。
非常に不思議な本である。
鉱物の専門家ではなく、
愛好家の本だ。
鉱物のこんな見方もあるのだと思った。