2002年8月26日月曜日

43 暦と数の話: 2002.08.26

スティーブン・ジェイ・グールド著
「暦と数の話 グールド教授の2000年問題」
(ISBN4-15-208195-3 C0045)
を読んだ。
この本は、グールドが暦の2000年問題に関して 述べたものだが、
なぜ関心を持ったのかが、よくわかった。
サヴァンで日付曜日計算家の次男ジェシィが
いたからかもしれない。
ちなみに次男のイーサンは、ジャズギターリストである。
この問題は、決着のつけようがないとしている。
しかし、この本には、暦を越えた何かが存在する。 

この本の献辞は
「当代随一の情熱的合理主義者にして
今千年紀最高の科学の代弁者
わが友カール・セーガンのすてきな思い出に本書を捧げる」

「1980年代半ばに癌で死んでいくはずだったところを生還したとき、
私は、今の世で生きる数ある喜びのうち二つだけをあげた。
『私はいろいろなことを考えた。
二人のわが子の成長をじっと見守るためだけにも
生きねばならないし、
来るべき新千年紀を目前にして
去らねばならないなんてむごすぎる』」

「当時の人々には、自分たちがあくせく働きながら生きている年が
0年なのか1ねんなのかなどかんがえたことも なかったわけだし、
10年代が9年か10年か、1世紀が99年か100年かなんてことにも
頓着していなかったのだ。
紀元前/紀元後という年代表記システムが発明されたのは
6世紀のことだったし、
ヨーロッパに普及したのはそれよりずっと後のことである。」

「私が暦の問題を愛してやまないのは、
人間が抱える癖のずべてが、
そこに縮図として表れているからである。」