2003年4月13日日曜日

30(108) ゼロエミッションと日本経済: 2003.04.13

三橋規宏著「ゼロエミッションと日本経済」
(ISBN4-00-430491-1 C0236)
を読んだ。

「日本人には、昔から自然と共生してきた
長い伝統があります。」

「政府がリーダーシップを取らないのが悪い、
企業の責任がある、などと評論家的な言辞を弄していては、
時代を前に進めることはできません。
政府が悪ければそれを改めさせればよい、
企業行動に問題があれば、具体的にそれを指摘し、
改善を求めればよい。
民主主義国家では、国民が主役であり、
国民の行動力こそが時代を変えるエネルギーに
ならなければなりません。」

「百の説法より、ひとつの実行です」

「ゼロエミッションとは、廃棄物ゼロといういみです。
廃棄物をゼロにすることで、
資源を100%有効に利用し、同時に環境負荷を
まったく伴わない社会を目指すための「キーワード」です。」

「10世紀を支えた経済思想は、「劣化しない、無限の自然(地球)」が前提だった」

「今日の我々は「劣化する、有限の自然(地球)」を前提に
物事を考えていかなければならないことを知っている。」

「山口さんは言う。
私は金儲けだけが目的で事業を起こしたのではない。
・北海道の自然を守るためには、
何が大切で、何が無駄なのか
・北海道の人間を守るためには、
何が大切で、何が無駄なのか
・北海道の地域を守るためには、
何が大切で、何が無駄なのか
北海道の自然、人間、地域を守るために、
残された生涯をかける覚悟であると。」

「ISO14000シリーズは、(中略)
環境分野の国際規格のための番号である。」

「この時代(江戸時代)を支えた経済システムは、
自然の生態系と似て、無駄がなく、
環境保全型の「クローズドシステム」になっていた。
正確環境も清潔で、人間と自然がうまく調和していた。
自然を構成する一員としての人間が
十分に認識されていた。
循環型の経済社会を支えたのは、地元を住みよい、
持続可能な地域として維持していこうとする地域住民の
「コミュニティ・スピリット(愛郷精神)」にほかならなかった。
それぞれが持つ能力や労働力を提供して地域のために
奉仕する精神が、地域の環境を守るうえで
大きな成果をあげてきたのである。」

北九州方式
「第一は、市民の一人一人が
草の根のレベルで参加すること。
第二は、行政や企業を批判しているだけでは、
問題解決にならないという共通認識があること。
第三は、市民と行政、企業が情報を持ち寄り、
協力して問題可決にあたること。」

新しい常識の提案
・有限で、劣化する地球
・植物あっての動物
・人類だけが増え続けることはできない