2003年5月29日木曜日

37(115) 大江戸仙界紀 2003.05.29

石川英輔著「大江戸仙界紀」
(ISBN4-263302-7 C0193)
を読んだ。

これで、この著者の一連の著作を読んだ。
最初のよかったが、やはり小説である。
現実感、マンネリ感が6冊も続けて読むと出てくる。
しかし、著者の主張はわかりいい。
江戸時代を過去の封建社会というだけで否定すべきでなく、
学ぶ分べき点が、いろいろあるということである。

「庶民たちが服従したのは、
武士たちが腰に帯びている大刀の威力ではなく、
いかに貧しくても、
自分たちに手の届かないほど高いモラルを守り、
教養を身につける禁欲性だったのではないだろうか」

「日本も、美しい風景を破壊することではじめて成り立った
富国強兵や産業立国などという立派な政策の代わりに、
この景観にはできるだけ手をつけず、
しかも、人口がこの時代より増えないようにして、
観光を主にして生きる清貧ならぬ清富の道を選んだ方が
結果として得策だったのではないだろうかという気がしてならない」