2005年4月18日月曜日

12(196) 匂いの帝王: 2005.04.18

チャンドラー・バール著「匂いの帝王」
(ISBN4-15-208536-3 C0040)
を読んだ。
副題が
「天才科学者ツカ・トゥリンが挑む嗅覚の謎」
となっている。
この本は面白かった。
大著で読むのに時間がかかったが、
最後まで飽きずに読めた。
これは、型破りな天才的な研究者が、
画期的な発見をして、それを科学的な手順にしたがって
証明していくのだが、
画期的な内容すぎて、
学界に認められないでも抱いている姿を描いている。
この本の著者は、ジャーナリストとして、
その研究者の正しさを信じているいるのである。
現在は執筆当事よりは、この説に
多くの人が賛同しているようである。
しかし、科学の手法は証拠と論理によって成り立つのだが、
実際にそれをおこなう科学者は人間である。
名誉や地位、あるいは金、経済を考えると
今までの自分の説を否定されるのはいい気分はしない。
そんな時人間的などろどろしたものが、
沸き起こる。
そんなどろどろも描き出されている。