2005年5月14日土曜日

16(200) Sue: 2005.05.14

ピーター・ラーソン クリスティン・ドナン著「Sue」
(ISBN4-02-250010-7 C0045)
を読んだ。
3月の恐竜展2005を見に行く前に買って、
4月の頭から読み始めたので、
1ヶ月半かけて読んだことになる。
このようなしっかりと書かれた本は読み応えがあるが、
本を読む時間の少ない人間には、
なかなか大変である。
この本はもっとも保存状態のよい
「Sue」と呼ばれるティラノサウル・レックスの騒動と
ティラノサウルスに関わる科学的検討に関する本である。
面白かった。
Sueに関する、事件の被告の側の文章だから
それなりに差し引いて読むべきだが、
それにしても原告側の政府や裁判官の
不公正さにはあまりある。
政府や古生物学会の申し立ては、
古生物学的資料の公正な取り扱いや
悪徳業者に高価格化の防止であったはずだ。
しかし、最終的にはSueの競売という処分、
博物館には入ったが、マクドナルド、ディズニーという、
もっとも商売毛のあるスポンサーが
836万ドルというとんでもない金額まで吊り上げた。
これは化石を商売とする
業者への見せしめであったのだろうか。
先進国アメリカ合衆国でこのようなことが
公然と起こっていることが信じがたいが、
いずれも人間のなすことである。
仕方がないのだろう。
しかし、こんな騒動によって
Sueはますます歴史に残るのであろう。

2005年5月12日木曜日

15(199) 巨大隕石が降る 2005.05.12

金子史郎著「巨大隕石が降る」
(ISBN4-12-0032698-8 C0044)
を読んだ。
シベリアのツングースカの謎の大爆発から
テクタイトの謎などから、
大きな隕石がけっこう落ちていることを示してきた。
なかなか面白い本であった。

2005年4月21日木曜日

14(198) 世にも美しい数学入門: 2005.04.21

藤原正彦・小川洋子著「世にも美しい数学入門」
(ISBN4-480-68711-4 C0241)
を読んだ。
軽く読める本である。
藤原氏の本はよく読んだ。
小川氏の本も数学を題材にした本を1冊読んだ。
どちらもはじめて出会う著者ではない。
なじみある人同士の数学に関する対話である。
この手の本はどうしても、
尋ね、教えるという関係が生じ、
それを読者が追体験するようなことが多い。
そうなるとあまり面白くなくなる。
残念ながら、この本もそうであった。

2005年4月19日火曜日

13(197) さおだけやはなぜ潰れないか?: 2005.04.19

山田真哉著「さおだけやはなぜ潰れないか?」
(ISBN4-334-03291-5 C0263)
を読んだ。
会計学をわかりやすく解説したものだ。
いくつかの不思議なトピックスを材料に
会計学に考えるとどういう一般論、
あるいは処世訓が導き出されるかを
わかりやすく紹介したものだ。
私のは、あまり興味がわかなかったら。
それは、書き方にも、内容にも対してである。

2005年4月18日月曜日

12(196) 匂いの帝王: 2005.04.18

チャンドラー・バール著「匂いの帝王」
(ISBN4-15-208536-3 C0040)
を読んだ。
副題が
「天才科学者ツカ・トゥリンが挑む嗅覚の謎」
となっている。
この本は面白かった。
大著で読むのに時間がかかったが、
最後まで飽きずに読めた。
これは、型破りな天才的な研究者が、
画期的な発見をして、それを科学的な手順にしたがって
証明していくのだが、
画期的な内容すぎて、
学界に認められないでも抱いている姿を描いている。
この本の著者は、ジャーナリストとして、
その研究者の正しさを信じているいるのである。
現在は執筆当事よりは、この説に
多くの人が賛同しているようである。
しかし、科学の手法は証拠と論理によって成り立つのだが、
実際にそれをおこなう科学者は人間である。
名誉や地位、あるいは金、経済を考えると
今までの自分の説を否定されるのはいい気分はしない。
そんな時人間的などろどろしたものが、
沸き起こる。
そんなどろどろも描き出されている。

11(195) 時間の分子生物学: 2005.04.18

粂和彦著「時間の分子生物学」
(ISBN4-06-149689-1 C0245)
を読んだ。
時間を感じる分子や遺伝子についての話しで
眠りについての話へのつながる。
最前線で活躍している研究者が
自分の専門の話を書いている。
専門家でないものにでも
内容はよく理解できた。
この著者は、他にも類書を書いている。
しかし、手に取る気にならなかった。
なぜだろう。
この研究テーマが私に興味なかったためだろうか。
それとも、書き方の問題だろうか。
よくわからない。
このようなパターンになる本は多い。

2005年3月16日水曜日

10(194) 偉人と語るふしぎの化学史: 2005.03.16

松本泉著「偉人と語るふしぎの化学史」
(ISBN4-06-257464-0 C0243)
を読んだ。
歴史に登場する化学のビックネームの業績を
その正確とともに再現して、
解説していくものである。
手法としては既存のもので、
勝負は面白さである。
高校生が登場人物の割には、
内容が深くない気がする。
もう少し深い内容であって欲しい。

9(193) 都会のトム&ソーヤ2: 2005.03.16

はやみねかおる著「都会のトム&ソーヤ2」
(ISBN4-06-212505-6 C8093)
を読んだ。
前作に続けて読んだ。
面白かった。

8(192) 都会のトム&ソーヤ1: 2005.03.16

はやみねかおる著「都会のトム&ソーヤ1」
(ISBN4-06-212063-1 C8093)
を読んだ。
子供の本を探しに行った時に見つけた本である。
子供向けの本である。
この作家の本は以前から読んでいた。
今回はふとタイトルに惹かれてかった。
なかなか面白かった。

2005年2月20日日曜日

7(191) 物理学と神: 2005.02.20

池内了著「物理学と神」
(ISBN4-08-720174-0 C0242)
を読んだ。
なかなか面白い本である。
物理学では、物理学者自身によって
神や悪魔などが比喩的にではあるが
歴史上何度も登場している。
それを著者は現代から
なぜそのようなものが登場してきたのかを
解説している。
そして最終的に、現在われわれの知識が
まだまだ不十分で「お釈迦様の掌の上」
にいるにすぎないということなのだと結論付けている。

2005年2月15日火曜日

6(190) 地質学者アーサー・ホームズ伝: 2005.02.15

チェリー・ルイス著「地質学者アーサー・ホームズ伝」
(ISBN4-7722-5080-8 C1044)
を読んだ。
なかなか面白かった。
イギリス人の書く一級の自伝は面白い。
詳細な調査に基づいて十分な資料を
もとに再現されている。
そしてそのような資料を保管する習慣が
イギリスにあるからこそ、
このような本ができるのだ。
ただし、訳が変なところがあって読みづらかった。
多分英語固有の言い回しだろうが、
それを直訳されると、
まるで中学生の英文和訳みたいで読みづらい。
実はこの本の原著を持っているのだが、
まったく読んでいなかった。
しかし、こうして読めたので、よかった。

2005年1月27日木曜日

5(189) ジェイムズ・ハットン: 2005.01.27

ジャック・レプチェック著「ジェイムズ・ハットン」
(ISBN4-393-32219-3 C0010)
を読んだ。
期待はずれであった。
もっと詳細なハットンの生活、研究内容などの
紹介があるのかと思ったが、
あまりにも周辺事情ばかりの紹介で、興ざめした。
詳細なウインチェスターの伝記を
呼んだせいだろうか。
ハットンは、当地の科学界に革命を起こした。
その革命の内容があまりに貧弱にしか伝えられていない。
これでは、ハットンの偉業が矮小化されてしまう。
非常に残念である。

2005年1月15日土曜日

4(188) 直感でわかる数学: 2005.01.15

畑村洋太郎著「直感でわかる数学」
(ISBN4-00-005679-4 C3041)
を読んだ。
羽田の飛行場で買った本だ。
待ち時間と乗り物に乗っている時間で読みきった。
読みやすい本である。
目標は良くわかるのだが、
面白くなかった。
それよりもなぜ岩波書店が
なぜこのような本を出すのか理解に苦しむ。
体裁も岩波らしくない。

3(187) 博士と狂人: 2005.01.15

サイモン・ウィンチェスター著「博士と狂人」
(ISBN4-15-208220-8 C0082)
を読んだ。
やはり彼の著書はきっちりとした取材、
資料集めがしてあるので、面白い。
ジャーナリストの徹底した取材による面白さが
伝わってくる良書であった。

2005年1月2日日曜日

2(186) 川と海辺にチャレンジ: 2005.01.02

地学団体研究会編「川と海辺にチャレンジ」
(ISBN4-272-40513-6 C8344)
を読んだ。
川と海辺で総合的な学習をするための本である。
しかし、内容が少し中途半端な気がする。
子供が読む、読み物風にしようとしているが、
内容が教師が教える副教材的な書き方だ。
だから面白い素材なのに
中途半端な気がするのだろう。

1(185) かわをのぼろう 石のふるさとさがし: 2005.01.02

渡辺一夫著「かわをのぼろう 石のふるさとさがし」
(ISBN4-447-00894-5)
を読んだ。
以前に目を通した本だ。
図書館で見つけたので、
今度はしっかり読もうと借りた。
私がやりたいことをやっているような気がする。
でも、これでは地質学者のすべきことがなくなる。
しかし、もっと面白く踏み込んだことを
考えなければならない。
そんなことを考えさせてくれた。

2004年12月27日月曜日

33(184) 花崗岩が語る地球の進化: 2004.12.27

高橋正樹著「花崗岩が語る地球の進化」
(ISBN4-00-006667-6 C0340)
を読んだ。
市民には少々難しそうだが
地質学を志すもの、学生には
ちょうどよい参考書であろう。
私も花崗岩の基礎を学びなおすにのに丁度よかった。
今度復習をかねて花崗岩のエッセイでも書こうか。

2004年12月23日木曜日

32(183) 石ころがうまれた: 2004.12.23

渡辺一夫著「石ころがうまれた」
(ISBN4-591-08384-5 C8044)
を読んだ。
子供向けの本である。
私が書きたいなと思っていた内容の本である。
渡辺氏は川原の石ころをずっと調べている人である。
研究者ではない。
アマチュアの石愛好家で
子供のための科学ライターである。
面白い内容である。
しかし、私が書きたかった内容なので、
私ならこう書くのにというような読み方をした。
ちょっとあら捜しのようなことをしていた。
でも、私と同じように自然の中の石ころが好きで、
そこから自然の神秘を解明していくことを
楽しみにしている。
私もこんな本を書きたいものだ。

2004年12月20日月曜日

31(182) 土のコレクション: 2004.12.20

栗田宏一著「土のコレクション」
(ISBN4-577-08260-3)
を読んだ。
きれいである。
学術的なことはほとんどかかれていないが、
きれいである。
きれいとというだけでこれだけ
人の目をひきつけるものがある。
自然の造形の素晴らしさかもしれない。
研究することも重要である。
しかし、自然の造形が美しいことを
美しく見せるようにすることが重要かもしれない。
大切なことを見せ付けられて気がする。

2004年12月12日日曜日

30(181) はじまりのうたをさがす旅: 2004.12.12

川端裕人著「はじまりのうたをさがす旅」
(ISBN4-16-322620-6)
を読んだ。
小説である。
川端氏のいつものように、面白いものであった。
しかし、内容がそれほど深くはないような気がする。
最近は読書時間がみじかくなり、
本をあまり読まなくなった。
しただって、小説もほとんど読まなくなった。
それに、小説でも読むのは川端氏のものだけになっている。
でも、彼も主だったものは、ほとんど読んだ。
私の興味あるようなものもう書かれないのだろうか。
もしそうなら残念である。