2003年1月11日土曜日

2(80) 現代倫理学入門: 2003.01.11

1月8日に神について書いたし、
環境問題について何度か書いた。
このようなことをを考える学問として、
倫理学がある。
そして、現代の倫理に役に立つ教科書として、
ミルの「自由論」がある。
見るの倫理は、
「判断力のある大人なら、
自分の生命、身体、財産などあらゆる、
<自分もの>にかんして、
他人に危害を及ぼさない限り、
たとえその決定が当人にとって不利益なことでも、
自己決定の権限をもつ」
というものである。
問題が発生したときのために、
可決策を用意ておくことを、
倫理学では、決疑論(casuistry)という。
神に関しては個人的決疑論であり、
環境については社会的決疑論といえる。

社会的決疑論としては、
・人を助ける嘘は許されるか
・10人ために1人を犠牲にできるか
・1人分の薬を10人の誰に患者に渡すか
・正直者が損をしないようにするには
・他人へ迷惑をかけなければ何をしてもよいか
・貧しい人を助けるのは豊かな人の義務か
・現在の人間は未来の人間への義務があるのか
・正義は時代によって変わるのか
・科学に限界があるのか
がある。
また、個人的決疑論としては、
・エゴイズムはすべて道徳に反するか
・幸福の計算法
・判断能力の判断
また、このような決疑論に答えを出す考え方にも
決疑論を用意しておく必要がある。
メタ決疑論というべきものである。
・「~である」から「~べきである」を導けるか
・正義の原理はどうして決めるか
・思いやりが道徳の原理か
などがある。
このような考え方の指針を与えれくれる本として、
加藤尚武著「現代倫理学入門」
(ISBN4-06-159267 C0112)
である。