地質学と科学教育、そして哲学に興味を持った私がつれづれなるままに読んだ本を記録しています。
千葉著「歌うカタツムリ-進化とらせんの物語」を読んだ。進化学とマイマイ(カタツムリ)の研究の話である。マイマイの研究が歴史をおって語られる。マイマイというローカルな素材が、進化の原理というグルーバルの証明の材料になる。適応主義(自然淘汰を重視)と非適応主義(遺伝的浮動や平衡推移、中立説などを重視)との論争と趨勢の変化が面白い。読んでいて興味が惹かれたのはグールドの進化学とマイマイの研究が紹介されていた。古生物学から進化学へ論争を挑んでそこからでてきた断続平衡説も面白い。