2002年1月22日火曜日

5 数学者の言葉では:2002.1.22

藤原正彦著「数学者の言葉では」(ISBN4-10-124802-8 C0195)「若き数学者のアメリカ」の著者である。かなり前に読んだエッセイで、メールマガジンの読者が彼のファンであったことから、藤原氏の著者を何10年ぶりかで、思い出した。そして去年の暮れ、神田の古本屋で「遥かなるケンブリッジ」の単行本を見つけ、ふと、買って、他のエッセイもないか探したら何冊も出ていたので、購入して、今順番に読み出した。
面白い。父の新田二郎の言葉として、このエッセイ集に書かれていた言葉が印象的だった。「作家になるための条件は、名文を書く力ではない。読者を引っぱて行く力である」さらに、「若き数学者のアメリカ」でガールフレンドとの交流について書かれているところが非常に印象に残ってたのだが、その部分について新田二郎は、「危ない。ああいう所は本当に危ない。あれでぎりぎりだ。もう一行書いたら全体がダメになるところだった。今度は気を付けないといけない」といったそうだ。ぎりぎりのところでの文章だから、印象も強かったのかもしれない。