2012年7月9日月曜日

44(861)偏差値70の野球部1: 2012.07.09

松尾清隆著「偏差値70の野球部1」
(ISBN978-4-09-408720-8 C0193)
を読んだ。
才能のあった少年野球から中学校野球の投手が、
狂った歯車のせいと自分の思い違いで
とんでもない進学校にはいってしまった。
そこには野球部があったが、
活動すらまとめにできない。
そんな野球部に勧誘され、
新しコーチが就任するが、
それがとんでもない外国人教師だった。
というところで終わる。
普通の小説なら導入がなっと終わったところで
1巻が終わる。
消化不良の状態である。

2012年7月8日日曜日

43(860)動物園で逢いましょう:No. 4099 2012.07.08

五條瑛著「動物園で逢いましょう」
(ISBN978-4-575-51500-9 C--193)
を読んだ。
スパイ小説である。
読んだのは、裏見返しにあった、
「鉱物シリーズ」で大活躍とあったので、
気になりよんだ。
しかし、本当に本格スパイ小説であった。

2012年7月3日火曜日

42(859)ビブリア古書堂の事件手帖3: 2012.07.03

三上延著「ビブリア古書堂の事件手帖3」
(ISBN978-4-04-886658-3 C0193)
を読んだ。
古書のまつわる事件がいくつか。
ほのぼのとした事件が起こり
謎が解かれている。
古書店主の家族、登場人物に関する謎が
絡み合っている。
そんな総体的な底流も
重要な役割があるのだろう。

2012年6月30日土曜日

41(858)旅する巨人: 2012.06.30

佐野眞一著「旅する巨人」
(ISBN4-16-352310-3 C0023)
を読んだ。
「宮本常一と渋沢敬三」という副題がある。
渋沢栄一の孫で銀行家から
仕方なく戦時と戦後の政策側にかかわった敬三。
彼は学問を目指したが十分にできなかったが、
パトロンとして柳田とは違った民俗学を起こす。
その一番の弟子が宮本常一であった。
彼はあることに一生を捧げ、
脅威の野外調査と膨大な原稿を残した。
宮本が渋沢から守った教えは
「財界でも学界でも中心に居てはいけない。
いつも少し離れたところに居るべきだ。
そうしないと渦の中に巻き込まれてしまう。
そして自分を見失う。」
何時の時代もこの言葉は重要だ。
もちろん私にも。

2012年6月22日金曜日

40(857)宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか: 2012.06.22

吉田直紀著「宇宙で最初の星はどうやって生まれたのか」
(ISBN978-4-7966-8310-4 C0244)
を読んだ。
うーーん。
文章を書いた人は
わかりやすく書くことができるようなのだが、
文章が不統一である。
そもそも本人が本当に書いたのか。
新知見が少なすぎる。
一冊には内容が少なすぎる。
かなり期待して読んだので
失望が大きい。

2012年6月19日火曜日

39(856)鉄の骨: 2012.06.19

池井戸潤著「鉄の骨」
(ISBN978-4-06-2770972 C0193)
を読んだ。
青森で購入して読みだして
やっと読みおわった。
量が多いので読むのに
時間がかかった。
しかし、面白く読めた。
企業と銀行のサラリーマンの物語である。
市井の普通の人が、
談合にどう対処しするか。
そんなストーリで話を進む。

2012年6月17日日曜日

●のんびり:No. 4080 2012.06.17

昨日は、午前中買い物にいっき、
午後は自宅でくつろいでいたが、
疲れているようで、うとうとしていた。
昨夜10時前に帰宅した。
青森からの出張だった。
青森では、交通の便が悪く、
待ち合わせ時間がたくさんあった。
津軽鉄道を使ってでかけた。
観光と通学が主な利用なのだろうか。
利用客は少ない。
それがのんびりとしていい。
ゆったりとしたのんびりとした
時間の流れを感じた。
五所川原での2時間は、
市内の観光施設を見ることができた。
ただ、空港での待ち時間は
ひたすら読書となった。

●アクセス:No. 4079 2012.06.17

誉田哲也著「アクセス」
(ISBN978-4-10-130871-5 C193)
を読んだ。
ホラーとサスペンスを合わせたものである。
そして一部仮想空間での話しとなる。
少々ついていけないところがあり、
途中でやめかけたが、
終わりに気になり最後まで読んでしまった。

2012年6月14日木曜日

36(853)ビブリア古書堂の事件帖2: 2012.06.14

三上延著「ビブリア古書堂の事件帖2」
(ISBN978-4-04-870824-1 C0193)
を読んだ。
昨日と今朝であっさり読めてしまった。
なかなか面白かった。
短篇集だが、主人公や登場人物たちの
事情は進展していく。
古書を素材にした軽いミステリーだ。

35(852)ビブリア古書堂の事件帖: 2012.06.14

三上延著「ビブリア古書堂の事件帖」
(ISBN978-4-04-870469-4 C0193)
を読んだ。
軽いミステリーである。
死者のでないほのぼのとしたものである。
ボリュウムが少ないので
あっさりと読める。
なかなか面白かった。

2012年6月12日火曜日

34(851)大気の進化46億年O2とCO2: 2012.06.12

田近英一著「大気の進化46億年O2とCO2」
(ISBN978-4-7741-4781-0 C3044)
を読んだ。
この手の一般向けの書籍は、
私にとっては、いい勉強の機会となる。
特に著者が公開すべきだと考えている
最新情報を目にすることができる。
大きな流れの変化があれば、
関連の文献や専門書を見る必要がある。
この本では、 学問の流れには
大きな変化はなかったことがわかった。
ただし、詳細な点ではいろいろな新知見があった。
私にとっては、そんな細々したことも大切なのだが。

2012年6月7日木曜日

33(850)木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか: 2012.06.07

増田俊也著「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」
(ISBN978-4-10-330071-C0093)
を読んだ。
膨大な量のノンフィクションのドキュメントである。
読むのに長い時間がかかったが、
面白かった。
「シャトゥーン」 を書いた作家だ。
不出生の柔道家がプロレスで力道山に負けた。
なぜ負けたのかを
増田氏は追求していく。
負けるはずのない木村が、負けたのは、
なにか裏があるのではないか。
それを多くの関係者や
膨大な資料をあたって追求していく。
しかし、不本意ながら
負けるべくして負けたと結論する。
昭和の時代の柔道や武道、興行、裏社会などからも
解き明かしながら述べていく。
4年間の雑誌連載の後の単行本化なので、
内容に重複する部分、
時間的に前後する部分などもあり、
一気に読むと気になるところがある
その膨大な内容に圧倒されて、
そのような欠点は消えていく。

2012年5月24日木曜日

32(849)理系の子: 2012.05.24


ジュディ・ダットン著「理系の子」
(ISBN978-4-16-375080-4 C0098)
を読んだ。
アメリカの理系大好きの子で
インテル国際学生科学フェア2009に
出場した高校生を紹介している。
恵まれた優等生がタイトルをとるわけではない。
少民族、不幸な家庭、自宅教育の独習、
あるいはらい病にかかった女子高生、
そしてお金持ちの女子高生
核融合炉つくってしまったなどなど
多彩な高校生が登場する。
共通するのは科学に見せられた学生たちだ。
日本語版にはタイトルをとった
千葉の高校生の文章も掲載されている。
面白い。
家の子どもにも読ませたいものだ。
日本の学生にもチャンスがあるのだ。

2012年5月22日火曜日

31(848)昭和の終わりと黄昏ニッポン: 2012.05.22

佐野眞一著「昭和の終わりと黄昏ニッポン」
(ISBN978-4-116-734009-4 C0195)
を読んだ。
昭和天皇の崩御の事件、
昭和の終わり前後の話を
2000年以降に取材して書かれたものだ。
その他に格差や下流社会などを題材に、
書かれたルポがいくつかある。
中でも昭和の終わりは、面白かった。
佐野氏のルポは、
彼自身の視点で書かれているために、
読む側としても通説とは違った面白がある。
そして何より大量の資料と取材が
文章の背景にあることが
このルポからはよみとれる。
これらの手法はメディアや
ジャーナリズムのあり方として
当たり前だろう。
ところが、現状のメディアや
ジャーナリズムと比べると
佐野氏のルポが際立って見える。
寂しい限りである。
あとがきを読むと、
各方面から反響があったようだ。
それに対しても堂々と反論し、
間違いは謝罪する。
潔さを感じてしまう。

2012年5月17日木曜日

30(847)誰も書かなかった石原慎太郎: 2012.05.17

佐野眞一著「誰も書かなかった石原慎太郎」
(ISBN978-4-06-276247-2 C0195)
を読んだ。
長編のルポルタージュであったが
一気に読めるものであった。
ただし、長編であったから
読むのに1週間かかったが。
石原慎太郎の純文学はあまり面白くないが、
青春小説は若い頃に読んで
面白かった覚えがある。
政治家としては、途切れることなく
話題を提供している。
そしてそのべらんめえ調が
大衆ウケしているところもある。
その背景にあるものが、
佐野氏の見方で語られる。
面白い。

2012年5月9日水曜日

29(846)なぜ地球だけに陸と海があるのか: 2012.05.09

巽好幸著「なぜ地球だけに陸と海があるのか」
(ISBN978-4-00-029591-8 C0344)
を読んだ。
巽氏の書く本は面白い。
一線級の研究者が
最新情報だから面白いのか。
それとも巽氏の書く文章が読ませるのか。
多分両方なのだろう。
分量の少ない本なので一気に読んだ。
やはり新しい知見、大胆な知見があった。

2012年5月7日月曜日

28(845)添乗員奮戦記: 2012.05.07

岡崎大五著「添乗員奮戦記」
(ISBN4-04-365402-2 C0195)
を読んだ。
海外旅行の添乗員の体験談である。
パック旅行でも色々な事件があるようだ。
travelはフランス語のtravailを語源とする。
travailは、「仕事」や「骨折り」という意味で
旅をするということは、
大変なことを意味するのだ。
そんな事件がいろいろ紹介されている。
こんな本を読むと、
旅に出たくなる。

2012年5月5日土曜日

27(844)遠い「山びこ」: 2012.05.05

佐野眞一著「遠い「山びこ」」
(ISBN4-10-131637-6 C0195)
を読んだ。
無着成恭の「山びこ学級」の40年後を
詳しルポルタージュしたものである。
「山びこ学級」は、昭和23年に赴任した無着が
山村の中学校で行った教育実践を
まとめたものである。
戦後の民主主義や民主主義教育が
戸惑っている時、その本は出版された。
民主主義教育の典型的実践として、
メディアにもてはやされた。
それは、無着と生徒に大きな影響を与えた。
その後の子供たちや無着の消息を調べ
取材をして、本書は書かれた。
素晴らしい取材、そしてルポである。
佐野氏の徹底した取材の能力には
いつも驚かされる。
そんな取材から、別の何かが見えていくる。
今回のルポからも、
戦後の教育と農業の衰退が、
行政側と現場の葛藤を含めて見えてきた。

2012年4月30日月曜日

26(843)あんぽん 孫正義伝: 2012.04.30

佐野眞一著「あんぽん 孫正義伝」
(ISBN978-4-09-388231-6 C0095)
を読んだ。
面白い。
一気に読んでしまった。
孫の背景や生い立ち、親族にも
奇妙な面白さがあるのはもちろん、
著者である佐野氏の人間性を
反映しながら書かれていることが、
彼のルポルタージュの面白さだろう。
ルポしている人物に
入れ込んでいる姿が面白い。
のめり込んだ取材から、
不思議なめぐり合わせで
いろいろなニュースソースを発掘し、
新たな人脈が生まれる。
そんな体験も読者は同時に味わえる。
扱っている人、素材が
大きなニュースバリューがあるが、
今のマスメディアが扱わない視点がある。
それは佐野氏の個性を反映しているからであろう。
彼の作品をしばらく読んでみるつもりだ。

2012年4月26日木曜日

25(842)倒幕の紋章: 2012.04.26

加地将一著「倒幕の紋章」
(ISBN978-4-569-67779-8 C0193)
を読んだ。
幕末の時代小説じたての
幕末論である。
中途半端に終わったと思ったら、
今後も続くようである。
期待したいが、
著者は他のシリーズ本を書いているので
どうなることやら。

2012年4月22日日曜日

24(841)失われた秘紋: 2012.04.22

加地将一著「失われた秘紋」
(ISBN978-4-396-61370-9 C0021)
を読んだ。
漢字を頼りに、
古代史を探る。
日本人の由来と民族の由来を探る。
それをシリーズの小説としている。
論証部分は、小説らしくないが、
読めるので面白い。
ただし、いつものように結論は定かでないが。

2012年4月11日水曜日

23(840)西郷の貌: 2012.04.11

加治将一著「西郷の貌」
(ISBN978-4-396-61413-3 C0021)
を読んだ。
著者の最近著である。
幕末の13人の武士の写真を中心に
話が展開していく。
そこに写っている人物はだれか、
なぜ写っているのか。
しかし、ストーリーはごろごろ転がり、
写真からは離れていく。
最後に戻ってくる。
ノンフィクションなら論理展開に
ついていけないところだが、
小説であるから面白い。

2012年4月10日火曜日

22(839)13歳の娘に語るガロアの数学: 2012.04.10


金重明著「13歳の娘に語るガロアの数学」
(ISBN978-4-00-005211-5 C0041)
を読んだ。
20歳で夭折した天才数学者ガロアの業績を
大学での整理された形ではなく、
形成史を追いながら
わかりやすく説明している。
群と置換、体などの概念を導入して、
高次方程式を抽象化してどう眺めるか
を解説している。
なかなか難解だが、
忠実にフォローすれば、
なんとなく理解できる。
しかし、ガロアの見ていた景色は
私にはなかなか見えない。

2012年4月4日水曜日

21(838)舞い降りた天皇: 2012.04.04

加治将一著「舞い降りた天皇」上・下
(ISBN978-4-396-33625-7 C0121
ISBN978-4-396-33626-4 C0121)
を読んだ。
天皇と書いて「すめろぎ」と読む。
加治氏の小説による
歴史推理である。
彼の小説は面白い。
明石散人の著書と同じ面白さがある。
明石散人が書かなくなったので、
加治氏がその後継者だろうか。
継続的に読んでいこうか。

2012年3月23日金曜日

20(837)龍馬の黒幕: 2012.03.23

加治将一著「龍馬の黒幕」
(ISBN978-4-396-33506-9 C0120)
を読んだ。
フリーメイソンと明治維新の関連を
述べたはずだが、
あまりフリーメイソンについては
強調されていない。
また、龍馬暗殺についての新説を提唱している。
説明や時系列、人文描写が飛び飛びなので
フォローするのが大変である。
ノンフィクションの書き方として理解しづらい。
また、フィクションでは許される論理が、
ノンフィクションでは許されない論理が多数あり、
信頼性が低く感じる。
彼の作品は小説じたてのほうが面白い。

2012年3月18日日曜日

19(836)幕末維新の暗号 2012.03.18

加治将一著「幕末維新の暗号」

(ISBN978-4-396-61286-3 C0021)
を読んだ。
歴史を素材にした小説である。
明石散人のような小説である。
自分の陰謀史観をいろいろな証拠によって
展開するものである。
論理的には証拠不十分のところが多々あるが、
小説として考えれば
面白みは増す。
同じ著者の他の本も読みだした。

2012年3月11日日曜日

18(835)はじめてのえころじい:No. 4002 2012.03.11

藤井宏一編著「はじめてのえころじい」
(ISBN4-7853-0603-3 C0045)
を読んだ。
少々古い内容であるが、
会話文による話題の展開である。
このような展開は好きである。
内容が深いものをわかりやすくするつもりが
少々わかりにくくなっている気がする。
でも複数の著者が統一した会話調で
かけているのがすごい。

2012年3月7日水曜日

17(834)海底ごりごり 地球史発掘: 2012.03.07

須藤斎著「海底ごりごり 地球史発掘」
(ISBN978-4-569-80164-3 C0244)
を読んだ。
IODPの航海である。
友人がH氏がコチーフをしているレグだ。
ニュージーランド沖を数箇所
掘削するプロジェクトである。
もう、私は地質学のプロパーを降りたので、
乗船する機会はないので、
羨ましさ半分、あきらめ半分。
自分なりのやりたいことをすることへの
意識の確認半分、動機の増進半分。
彼の書くものは、等身大で共感できる。

2012年3月5日月曜日

16(833)決着!恐竜絶滅論争: 2012.03.05

後藤和久著「決着!恐竜絶滅論争」
(ISBN978-4-00-029586-4 C0344)
を読んだ。
なかなか面白い内容であった。
恐竜絶滅が地質学者では自明とおもっていたが、
メディアに流れるのが反対論者の説ばかりなので、
それに決着を付けるために、
41名でサイエンスに掲載された論文。
その裏舞台から内容を
わかりやすくまとめた本である。
なかなか面白かった。

2012年3月3日土曜日

15(832)リブート!: 2012.03.03

福田和代著「リブート!」
(ISBN978-4-575-23733-7 C0093)
を読んだ。
銀行のIT関連のSEたちのトラブルへの対処と
その人間関係を描いものである。
コンピュータやプログラムのトラブルが中心で
人間模様が薄感じた。
舞台やパーツはいいのだが、
ストーリが今ひとつであった。

2012年3月1日木曜日

14(831)写楽閉じた国の幻: 2012.03.01

島田荘司著「写楽閉じた国の幻」
(ISBN978-4-10-325231-3 C0093)
を読んだ。
大作である。
読むのに時間がかかったが、
面白かった。
作家が歴史的な事柄に
独自の説を出すということはよくある。
研究者ではないから詰めが甘いところがある。
しかし、作家であるから、
その書き様、ストーリーは面白い。

2012年2月21日火曜日

13(830)津波と原発: 2012.02.21

佐野眞一著「津波と原発」
(ISBN978-4-06-217038-3 C0095)
を読んだ。
二部構成で、一部で津波の現場を歩くルポで、
二部が原発街道のルポと
その周辺の取材によるものである。
どうしても原発には正力松太郎、
利権、原子力村などどろどろしたものがでてくる。
こんな実体があることが日本の弱さなのだろうか。
隠蔽することなく公開して
ものごとを進められないだろうか。

12(829)格闘する者に○: 2012.02.21

三浦しをん著「格闘する者に○」
(ISBN4-7942-0960-6 C0095)
を読んだ。
不思議なタイトルだと思っていたが、
出版社の就職試験とき
案内の人が、該当を「かくとう」と
何度も誤読したエピソードがある。
それからとったものだ。
内容は就職に格闘する学生の話である。
不思議な趣のある本である。
さすが三浦しをんだ。
内容は面白い。

2012年2月17日金曜日

11(828)天使のナイフ: 2012.02.17

薬丸岳著「天使のナイフ」
(ISBN4-06-213055-6 C0093)
を読んだ。
51回江戸川乱歩賞の受賞作である。
審査委員の満場一致での受賞だ。
少年法と加害者、被害者との重いテーマである。
引きこまれて一気に読んだ。
ストーリーは面白いが、
内容が暗く重いので、
読後感がすっきりしない。

2012年2月15日水曜日

10(827)東電OL殺人事件: 2012.02.15

佐野眞一著「東電OL殺人事件」
(ISBN4-10-436901-2 C0095)
を読んだ。
表題の事件を、裁判とともに
長期にわたって取材したものである。
社会の暗部を書いたものだ。
一部独善、思い入れの部分があるが、
なかなかすごいルポであった。
いくつか彼のルポを読む予定である。

2012年2月7日火曜日

9(826)算聖伝: 2012.02.07

鳴海風著「算聖伝」
(ISBN4-404-02882-2 C0093)
を読んだ。
関孝和の伝記小説である。
日本の算学の創始者で、
世界でももっとも進んでいた数学者であった。
その生涯があまり記録されていないようだ。
数学に著作は多数あるのにだ。
そこにはフィクションの余地が生じる。
これそれを最大限に活かした物語である。
なかなか面白かった。

2012年2月2日木曜日

8(825)小暮写眞館: 2012.02.02

宮部みゆき著「小暮写眞館」
(ISBN978-4-06-216222-7 C0093)
を読んだ。
大部であるが、面白い。
幽霊や心霊写真が題材になるが、
中心は人や家族のさまざまなあり方を
表現しているのであろう。
読むのに時間がかかったが、
やめられずに最後まで読みきれた。

2012年1月27日金曜日

7(824)鉱物アソビ: 2012.01.27

フジイキョウコ著「鉱物アソビ」
(ISBN978-4-86020-294-1 C0076)
を読んだ。
変わった本である。
鉱物を楽しんできた著者の
鉱物の楽しみ方を紹介している。
非常に不思議な本である。
鉱物の専門家ではなく、
愛好家の本だ。
鉱物のこんな見方もあるのだと思った。

2012年1月21日土曜日

6(823)下町ロケット: 2012.01.21

池井戸潤著「下町ロケット」
(ISBN978-4-09-386292-9 C0093)
を読んだ。
以前から読みたいと思っていたが、
大学の図書館でも貸出中が続いていて
なかなか借り出すことができない。
直木賞を受賞したからだ。
そこで、他の作品をいくつか読んでいた。
本書を読んだところ、
パターンは似ているが、
中小企業が窮地に陥る。
そこに強い敵役がある。
独自のポリシー、技術、信頼などによって
その危機を乗り切っていく。
いつものパターンである。
しかし、技術に関する内容なので、
その部分が面白みがある。
なかなかよかった。

2012年1月19日木曜日

5(822)究極のドグマ: 2012.01.19

機本伸司著「究極のドグマ」
(ISBN978-4-7584-3600-7 C0193)
を読んだ。
シリーズの第3作である。
今回は生命の本質についてをテーマにしている。
人は完全な知性を手に入れることができるのか。
できるとすると、どのようにアプローチをすればいいのか。
そんな命題を考えるストーリーだ。
なかなか面白い。
そう来るかと思える展開、
ここでそんだ面白いアイディアを使ってしまうのか、
などいろいろ考えながら楽しめた。
なかなか深い内容だった。

2012年1月15日日曜日

4(821)和算忠臣蔵: 2012.01.15

鳴海風著「和算忠臣蔵」
(ISBN4-09-387371-2 C0093)
を読んだ。
和算についての内容は少しか出てこない。
忠臣蔵の新たな背景を提示する内容であった。
和算についての内容を期待して読んだのだが
そうではなかった。
そんなつもりで読んでなければ
面白かったのかもしれないが
読んだ動機が違うので残念であった。

2012年1月10日火曜日

3(820)算学武芸帳: 2012.01.10

金重明著「算学武芸帳」
(ISBN978-4-02-264586-9 C0193)
を読んだ。
なかなか面白かった。
数学の部分は深入りしないで書かれているが、
そのに興味があるが、
多分、微積分や群、環などの概念の
数学の分野であろうと考えられる。
そのような部分を解説をいれると
多分一般の読者はついていかないのだろうな。

2012年1月8日日曜日

2(819)限界集落株式会社: 2012.01.08

黒野伸一著「限界集落株式会社」
(ISBN978-4-09-386315-5 C0093)
を読んだ。
面白かった。
愛媛県を思い起こさせるような過疎の山村。
そこで地域おこしなが行われる。
地域の特性を生かし、
それを商品として売りだしていく。
どこでもありそうなアイディアだが、
なかなかそれができない。
農協、役場、個人のエゴなど
マイナスイメージも提示されている。
でも、このような正攻法しか
過疎集落は生き残る道なないのだろうな。

2012年1月5日木曜日

1(818)プラチナデータ: 2012.01.05

東野圭吾著「プラチナデータ」
(ISBN978-4-344-01847-1 C0093)
を読んだ。
DNAの解読、解析が進み、
遺伝要素による個人の特性を
読み取る技術が進めば、
犯罪捜査も簡便化できる。
あるいは電気刺激による麻薬のようなシステムなど、
いろいろなアイディアが盛り込まれる。
そんな近未来(?)の話である。
そこに多重人格者の科学者や
自閉症的な天才、
精神科医、陶芸家、自給自足の脱都会組、
簡便化した操作に嫌気のさした刑事、
さまざまな人間が登場し、
ストーリを彩る。
そんな中での殺人事件。
面白かった。

2011年12月31日土曜日

127(817)鉱石倶楽部: 2011.12.31

長野まゆみ著「鉱石倶楽部」
(ISBN4-16-767930-2 C0193)
を読んだ。
不思議な本である。
著者自前の鉱物の結晶を題材にした
詩的な小説、あるいは散文詩のような物語。
そこに、鉱物の写真がある。
不思議な味わいのある本である。
鉱物としては、それほどきれいないものではないが、
専門家、マニアには
もう少し良い結晶がほしいところだが、
著者の思い入れのあるところが、
この鉱物と物語のセットにある。
不思議な記憶に残る本であった。

2011年12月30日金曜日

126(816)いちばんやさしい地球変動の話: 2011.12.30

巽好幸著「いちばんやさしい地球変動の話」
(1ISBN978-4-309-25258-2 C0044)
を読んだ。
非常にわかりやすくかかれた本である。
巽さんは最近マスコミに登場しだしたので、
このような本の依頼があったのだろう。
そして3.11の影響で、専門外の地震についても
紹介している。
少々無理がある様な部分でも、
巽氏の本は読みやすい。
そして刺激をうける。
いい本であった。

2011年12月23日金曜日

125(815)周極星: 2011.12.23

幸田真音著「周極星」
(ISBN978-4-12-003730-6 C0093)
を読んだ。
上海を舞台にした
日本の銀行と中国経済に関するストーリーである。
中国と日本を狭間に生きる男女の
ストーリーが散りばめられている。
全体としては面白いが、
何か物足りなさを感じる。
最後に大きな事件があるのに
物足りなく感じる。
他の経済小説より、
私好みの波乱が少ないからなだろうか。

2011年12月18日日曜日

124(814)吾輩はシャーロック・ホームズである: 2011.12.17

柳広司著「吾輩はシャーロック・ホームズである」
(ISBN978-4-04-382903-3 C0193)
を読んだ。
夏目漱石が精神を病み、
シャーロック・ホームズだと思い込み、
ホームズ不在中のワトソンと組んで、
事件に立ち向かう。
彼の推理はピント外れ、
しかし、その想像性は強く、
後の作家の片鱗を見せる。
そんな不思議な設定で
ストーリは面白く展開する。
柳氏の作品は二作目だが
なかなか面白い。

2011年12月14日水曜日

123(813)吉田キグルマレナイト☆: 2011.12.14

日野俊太郎著「吉田キグルマレナイト☆」
(ISBN978-4-10-331471-4 C0093)
を読んだ。
なかなか面白い。
実体験に基づく話のようで、
展開も引き込まれる。
新人の作品と思えない確かさをある。
ただし、一番のクライマックスが
少々演出不足だ。
そこだけが残念だった。

2011年12月11日日曜日

122(812)舶来屋: 2011.12.11

幸田真音著「舶来屋」
(ISBN978-4-10-463305-0 C0093)
を読んだ。
はじめての作者だ。
戦後から新しい輸入小売を
独自に始めた人の立身物語である。
その内容が実話に基づいているので、
面白く読めた。
ただ、その物語が継続するので
ストーリーの波が穏やかで読みやすいが、
読後感が小さく感じる。
実話に基づいているためだろうか。

2011年12月4日日曜日

121(811)県庁おもてなし課 2011.12.04

有川浩著「県庁おもてなし課」
(ISBN978-4-04-87182-8 C0093)
を読んだ。
おもしろい。
高知県が実際に取り組んだことを
きっかけに出来上がった小説だ。
どこまで事実か、
どこからがフィクションかがさらに面白さを増す。
そして高知県だけでなく、
どのような地方でも適用可能な発想である。
しかし、私は、高知への身近さ、
愛着などがあるので、
よけいに興味があった。

2011年11月30日水曜日

120(810)ギャングエイジ: 2011.11.30

川端裕人著「ギャングエイジ」
(ISBN978-4-569-79764-9 C0093)
を読んだ。
新任教師が訳ありの学年の担任になって、
教師として成長しながら、
その訳がすこじずつ明らかにされている。
1年間連載された話で、
学校の1年とリンクしている。
しかし、決まった量で月の話をつくりで、
尻切れトンボの終わっているストーリがあり、
少々違和感を感じることもあった。
しかし、このような小説の通例だが、
ハッピーエンドで終わるのがいい。

119(809)東京島: 2011.11.30

桐野夏生著「東京島」
(ISBN978-4-10-130636-0 C0193)
を読んだ。
無人島に流れ着いた不思議な集団の話だ。
短編の連作として書かれたものが、
一つのストーリに再構成されている。
なかなかおもしろい展開である。
考えさせられる面がいくつかあった。

2011年11月19日土曜日

118(808)117(807)指し手の顔 脳男II: 2011.11.19

首藤瓜於著「指し手の顔 脳男II
117(807)上:SIBN978-4-06-276800-9 C0193
118(808)下:SIBN978-4-06-276801-6 C0193)
を読んだ。
前作から7年たっての続編である。
ストーリとして、1年後の話である。
前作以上の面白さである。
著者の知識、周辺の情報の調査力には
今回も感心させられた。
そしてなにより意表をつく
ストーリの面白さである。
目の話せない作家となりそうだ。

2011年11月8日火曜日

116(806)なぜ絵版師に頼まなかったのか: 2011.11.08

北森鴻著「なぜ絵版師に頼まなかったのか」
(ISBN978-4-334-74853-1 C0193)
を読んだ。
短篇集であるが、
連作となっている。
時間は数年毎に進む。
共通の主人公が
登場して謎解きがおこなわれる。
主人公たちも年齢が増えている。
明治初期が舞台のミステリーだ。
ただ、短編があまり好きでないので
読みづらかった。

2011年11月4日金曜日

115(805)教師格差: 2011.11.04

尾木直樹著「教師格差」
(ISBN978-4-04-710099-2 C0295)
を読んだ。
少し前の本なので、
社会状況はだいぶ変わっているのだが、
重要な本質が指摘されている。
教師の現状、
児童・生徒の現状、
親の現状などが示されている。
乖離した政策と現状。
現場を知らない行政。
親が臨むものと文科省の目標の乖離。
教師社会の崩壊。
暗い教育の現場が示されている。
本当にこのままでいいのだろうか。

2011年10月31日月曜日

114(804)99%の誘拐: 2011.10.31

岡嶋二人著「99%の誘拐」
(ISBN4-9-569136-2 C0193)
を読んだ。
先日古本屋で購入した中の一冊だ。
著者二人が創り上げる作品だ。
なかなか珍しい形式の作品だが、
面白い。
ミステリーだが暴力的な場面が
出てこないところがいい。
内容もなかなかおもしろい。
IT技術を駆使したものだ。
少々古いが、トリックよりストーリが面白い。

2011年10月30日日曜日

113(803)脳男: 2011.10.30

首藤瓜於著「脳男」
(ISBN4-06-273837-6 C0193)
を読んだ。
第46回江戸川乱歩賞受賞作である。
面白い。
障害を持った人物が、
ありえないような人格を持つ。
そのような人物が何らかの目的を持った時、
そのような事が起こるのか。
それが悪人を殺すとなるとどうなる。
不思議さが充満していく。
不思議な終わりをする。
続編が読みたくなる。

112(802)ブルータスの心臓: 2011.10.30

東野圭吾著「ブルータスの心臓」
(ISBN978-4334-71739-1 C0193)
を読んだ。
主人公が困った事態に陥った時、
同じ人物に同じ動機を持った人物に
共謀殺人を誘われる。
合意してスタートしたら、
その首謀者が殺されるが、
予定通りに計画は進む。
複雑な様相がストーリを面白くする。

2011年10月21日金曜日

111(801)大学教授の株ゲーム: 2011.10.21

斎藤精一郎・今野治著「大学教授の株ゲーム」
(ISBN4-532-19007-X C0133)
を読んだ。
同級生で大学教授の二人は今では、
経済学と数理工学で株に関係する学問をしている。
彼らが現実に株を始めたら
どうなるかを1年間試した企画である。
週刊誌に連載された内容から
作成された本である。
なかなか面白い。
自分の資金を投入しているので
かなり本気なのだろうが、
文章はユーモアを持って書かれているので、
それが面白い。
私には株をヤル気はないが。

2011年10月18日火曜日

110(800)数学ガール 乱択アルゴリズム: 2011.10.18

結城浩著「数学ガール 乱択アルゴリズム」
(ISBN978-4-7973-6100-1 C0041)
を読んだ。
読み応えのある本である。
そして今回はNP完全問題を含む内容であった。
難しい部分もあるが、
完全には理解できなくても、
概念の全貌を知るためにはいい本である。
さらなる続編を読みたいものだ。

2011年10月3日月曜日

108(798)フライ、ダディ、フライ: 2011.10.03

金城一紀著「フライ、ダディ、フライ」
(ISBN4-04-873601-9 C0093)
を読んだ。
ゾンビーズの話しだが、
主人公はダディ。
といっても、どこにでも中年男性。
彼がゾンビーズたちの助けを借りて
恨みを持つ相手に、
仕返しをするというはなし。
単純なストーリーだが、
なかなかおもしろい。

2011年10月1日土曜日

107(797)レヴォリューションNo.0: 2011.10.01

金城一紀著「レヴォリューションNo.0」
(ISBN978-4-04-874140-8 C0093)
を読んだ。
ゾンビーズの高校1年生の頃の話。
彼らがどのようにして出会い、
なぜ、連帯感を持つに至ったかの話である。
なかなか面白い。

2011年9月30日金曜日

106(796) レヴォリューションNo.3: 2011.09.30

金城一紀著「レヴォリューションNo.3」
(ISBN978-4-04-385202-4 C0193)
を読んだ。
落ちこぼれ高校生の青春ものである。
池袋ウエストゲートパークの高校版である。
なかなか面白い。
続編が次々と書かれているようだ。
読んでみたい。

2011年9月27日火曜日

105(795) モルフェウスの領域: 2011.09.27

海堂尊著「モルフェウスの領域」
(ISBN978-4-04-874153-8 C0093)
を読んだ。
未来を題材にした小説である。
テーマは冬眠治療がおこなわれた時、
その治療を受けた人間の人権、
空白、記憶はどうすべきであろうか。
それを考えさあせる表向きのテーマと、
背景には、桜宮、東城大。厚生行政などの
共通する素材がある。
登場人物も重層している。

2011年9月22日木曜日

104(794) ナニワ・モンスター: 2011.09.22

海堂尊著「ナニワ・モンスター」
(ISBN978-4-10-306573-9 C0093)
を読んだ。
なかなか面白いが、
ちょっと並行したストーリーが
錯綜していて、
わかりにくいいものになっている。
週刊誌での連載を基にしているからだろうか。

2011年9月18日日曜日

103(793) 浜村なぎさの計算ノート3さつめ: 2011.09.18

青柳空碧人著「浜村なぎさの計算ノート3さつめ
浜村渚の水色コンパス」
(IEBN978-4-06-282828-4 C0093)
を読んだ。
気楽に読める数学ミステリーだが、
子供向けであっさりしすぎている。
長男がハマっている。
私はそろそろ飽きてきた。

102(792) 魔術はささやく: 2011.09.18

宮部みゆき著「魔術はささやく」
(IEBN978-4-10-136911-2 C0193)
を読んだ。
推理サスペンス大賞受賞作である。
なかなか面白い。
一見なんの関係もない自殺が、
実は関連があり、
自殺ではなく他殺であったというものである。
その謎が解明されていくが、
主人公が生き生きしていて
読ませる内容である。

101(791) 「理系離れ」が経済力を奪う: 2011.09.18

今野浩著「「理系離れ」が経済力を奪う」
(IEBN978-4-532-26040-8 C1234)
を読んだ。
今野氏の著作は面白い。
今回は理系離れを書いているが、
焦点は少々違うような気がするが、
読めせる技術と面白さがある。
エリートであるが、
そのエリートらしさが慣れたせいか
鼻につかなくなってきた。

100(790) 龍は眠る: 2011.09.18

宮部みゆき著「龍は眠る」
(IEBN 978-4101369143 C0193)
を読んだ。
旅行中に読んでいたので、
なかなか読み進まなかったが、
おもしろい本であった。
また宮部みゆきを読みたくなった。

2011年9月7日水曜日

099(789) ふしぎの国の期末テスト: 2011.09.07

青柳碧人著「浜村渚の計算ノート2さつめつ
ふしぎの国の期末テスト」
(ISBN978-4-06-282824-6 C0093)
を読んだ。
数学を題材にしたミステリーである。
前作に続いての2冊目である。
なかなか犯人に近づけない。
それが魅力でもあるのかもしれないが、
どこまで継続するのが。
3作目もあるので、それも読むつもりだが。

2011年9月5日月曜日

098(788) 宇宙は本当にひとつなのか: 2011.09.05


村山斉著「宇宙は本当にひとつなのか」
(ISBN978-4-06-257731-1 C0244)
を読んだ。
今回は前回の著作についていているもので、
宇宙論についての最新情報である。
内容的には新規のものがいくつもあった。
内容に重複がいくつかあったのが
気にかかるところがあった。
しかし、前作と同様最新の情報を知ることができた。

2011年9月1日木曜日

097(787) 科学哲学者柏木龍彦の多忙な夏: 2011.09.01


冨田恭彦著「科学哲学者柏木龍彦の多忙な夏」
(ISBN978-4-04-409404-1 C0110)
を読んだ。
科学哲学のパラダイム、
相対主義、物語論、真理論などの
側面から述べている。
対話形式で進めている点がいい。
これはプラトン以来の哲学の一つの手法でもある。
内容は難解であるが、
とっつきやすさがある。

2011年8月31日水曜日

096(786) 浜村渚の計算ノート: 2011.08.31


青柳碧人著「浜村渚の計算ノート」
(ISBN978-4-06-276981-5 C0193)
を読んだ。
数学のいろいろなテーマを題材にした
軽いサスペンスである。
軽く読めるもので、
数学を題材にしているので
さらりとと読んで、
なかなか面白かった。

2011年8月30日火曜日

095(785) 世界をやりなおしても生命は生まれるか: 2011.08.30


長沼毅著「世界をやりなおしても生命は生まれるか」
(ISBN978-4-255-00594-2 C0095)
を読んだ。
高校向けの3日間の授業を本にしたものだ。
講義なので、その様子は伝わるが、
内容的に充分練られていない気がする。
だから、きっちりと書き込んだ本がいい。

2011年8月24日水曜日

094(784) 働かないアリに意義がある: 2011.08.24


長谷川英裕著「働かないアリに意義がある」
(ISBN978-4-8401-3661-7 C0245)
を読んだ。
なかなか面白い。
8割のアリは働かない。
しかし、働かないアリだけをあつめると、
その中で2割のアリが働き出す。
働かないアリが、なぜ存在するのか、
そこには理由があるのか。
そのような不思議な事実と
正当な理由が地道な実験でわかってきた。
そんな理由が書かれている。

2011年8月22日月曜日

093(783) 地球の中心で何が起こっているのか: 2011.08.22


巽好幸著「地球の中心で何が起こっているのか」
(ISBN978-4-344-98227-7 C0295)
を読んだ。
巽氏の本は知的刺激を強く受ける。
そしてわかりやすく書かれている。
そして重要な成果がそこにあり、
そのために多大な努力が払われていることが
なんとなくわかる。
でも、あっさりと書かれている。
もっとたくさん本を書いて欲しい気がする。
そんな文章である。
しかし、やはり一線級の研究で
日本の科学界を引っぱてもらいたい人だ。

092(782) 太鼓の血脈: 2011.08.22


藤木稟著「太鼓の血脈」
(ISBN978-4-334-92663-2 C0093)
を読んだ。
幻想小説だろうか。
不思議な魅力がある。
最初から飛ばしている小説である。
月刊誌に連載されていたせいだろか。
でも、最後まで疲れることなく読めた。

2011年8月16日火曜日

091(781) 神様のパラドックス: 2011.08.15


機本伸司著「神様のパラドックス」
(ISBN978-4-7584-113-4 C0093)
を読んだ。
神とはどのようなものか。
もしコンピューターが桁違いに進化したら、
すべての物理・化学現象の計算ができるのなら
どこまで現実を再現できるのか。
そして未来予想ができるのか。
そんな疑問を考えさせるSFである。
ストーリーは単調であるが、
そこで交わされる神についての議論は
興味深かった。

2011年8月9日火曜日

091(781)役に立つ一次式 整数計画法「気まぐれな女王」の50年: 2011.08.09


今野浩著「役に立つ一次式 整数計画法「気まぐれな女王」の50年」

(ISBN4-535-55462-5 C3041)
を読んだ。
今野氏の一般向けの少々変わった解説書である。
まあ、応用数学の解説書といえばいいのだろう。
なかなかおもしくて、一気に読んでしまった。
彼の本は、研究者の側の立場で書かれているために、
分野が違うがおもしく読める。
多分、彼の書く能力があるのだろう。
そして彼の文が私の感性にあっているのだろう。

2011年8月7日日曜日

090(780) ザ・万遊記: 2011.08.07

万城目学著「ザ・万遊記」
(ISBN978-4-08-780562-8 C0095)
を読んだ。
雑誌掲載の小さいエッセイを集めたものだ。
それぞれはそれなりの面白さがあるが、
一冊の本にするのは少々難有り。
書籍としては系統性のあるもの、
あるいは内容的に
もう少し読み応えのあるものでないと
単行本としては力不足であろう。

2011年8月3日水曜日

080(770) もし高校野球の女子マネージャーが ドラッカーの『マネジメント』を読んだら: 2011.08.03

岩崎夏海著「もし高校野球の女子マネージャーが
ドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
(ISBN978-4-478-01203-1 C0034)
を読んだ。
面白い仕掛けの本である。
この本を読んで、続きを読みたいというより、
ドラッカーの「マネジメント」を読みたいと思うかどうかだ。
読みたいと思うような内容がありそうだ。
それよりも、それを活かす気があるかどうかが問題だ。
私には今必要ないスキルではないかと思う。
そしれ大著を読む心の余裕が無い。
ただ、興味はある。

2011年8月2日火曜日

079(769)天使に見捨てられた夜: 2011.08.02

桐野夏生著「天使に見捨てられた夜」
(ISBN4-06-263523-2 C0193)
を読んだ。
前作の続編である。
この著者の書くこのシリーズは内容が重い。
少々変わった女性主人公の
ハードボイルド(?)小説。
一種のミステリーでもあるのだが、
ずっしり来る。
でも、なんとなく読ませる内容でもある。

2011年7月30日土曜日

078(768)空飛ぶタイヤ: 2011.07.30

池井戸潤著「空飛ぶタイヤ」
(ISBN4-408-53498-6 C0093)
を読んだ。
今年前期の直木賞作家となった。
そのような作品なのか、
手近にあった本を読んでみる。
なかなか面白く、
終わりがハッピーエンドなのだが、
大部で途中に重苦しい場面が多く、
気楽に読むには少々重い本となった。
しかし、なかなか面白かった。

2011年7月26日火曜日

077(767)顔に降りかかる雨: 2011.07.26

桐野夏生著「顔に降りかかる雨」
(ISBN4-06-263291-8 C0193)
を読んだ。
江戸川乱歩賞受賞作である。
桐野としてのデビュー作である。
少々だるいところがあったが、
なかなか面白い内容であった。
女性が主人公のハードボイルドとなっているが、
あまりハードボイルドなアクションはなく、
淡々と弱い起伏を持ちながらストーリはすすむ。

2011年7月24日日曜日

076(766)πとeの話: 2011.07.24

YEO エイドリアン著「πとeの話」
(ISBN978-4-7917-6469-6 C0041)
を読んだ。
読むというより
級数の複雑さ、
あるいは収束級数と
その収束値の不思議さを
感じる本であった。
中学生でもその証明が
理解できるものは面白い。

075(765)とんび: 2011.07.24

重松清著「とんび」
(ISBN978-4-04-873891-0 C0093)
を読んだ。
父子家庭の成長物語である。
トンビがタカを生んだ
ことからとったタイトルだろう。
一組の親子だけでなく、
孫と子、近所の手厚い付き合い。
それが人や家族を
守り育てるのかもしれない。
そんなことを考えさせる物語であった。

2011年7月23日土曜日

074(764)都立水商!: 2011.07.23

室積光著「都立水商!」
(ISBN4-09-386079-3 C0093)
を読んだ。
発想が面白い。
多くの種類の職業学校があるのに、
水商売の学校がない。
それを解決するために
試験的につくられた学校
という設定の小説である。
非常にユニークな発想で
書かれた小説である。

2011年7月16日土曜日

073(763)希望ヶ丘の人びと 2011.07.16

重松清著「希望ヶ丘の人びと」
(ISBN978-4-09-379797-9 C0093)
を読んだ。
長編小説であるが、面白かった。
母・妻を亡くした家族が
母・妻が中学校時代に住んていて
好きだった街に引っ越す。
その街にいるおなさ馴染み、
関係者、新たな出会い、そして彼らの家族たち。
母・妻の思い出をたどりながら、
この街の嫌なところ、人々の関係、
いろいろなことを知りながらこの町で暮らしていく。
そして最後には、この街や人びとが好きになっていく。

072(762)武士の家計簿: 2011.07.16

磯田道史著「武士の家計簿」
(ISBN978-4-10-610005-5 C0221)
を読んだ。
次男がソロバンを習っている。
そのためもあって、
映画版「武士の家計簿」を見た。
ドラマになっているが、
原作はノンフィクションの研究成果であった。
面白く一気に読んでしまった。
幕末から明治初期にかけての
武士の生活がわかりやすく書かれていた。

2011年7月10日日曜日

071(761)フリーター家を買う。: 2011.07.10

有川浩著「フリーター家を買う。」
(ISBN978-4-344-01722-1 C0093)
を読んだ。
面白かった。
一気に読んでしまった。
現代の若者たちの行動や
精神状態を反映しながら
何かに目覚め、そして行動をしていく。
一見最悪の条件が、幸運を呼ぶこともある。
そんな積み重ねが
人の人生を紡いでいくのだろうか。

070(760)知っておきたい放射能の基礎知識: 2011.07.10

齋藤勝裕著「知っておきたい放射能の基礎知識」
(ISBN978-4-7973-6568-9 C0242)
を読んだ。
福島第一原子力発電所事故にあわせて、
放射能についての基礎知識をまとめたものである。
大部分が既知であったが、
原子炉についていは
いくつか学ぶべきことがあった。
放射能について知りたい人には便利な本であろう。

2011年7月2日土曜日

068(758)ダンサー: 2011.07.02

柴田哲孝著「ダンサー」
(ISBN978-4-416-326140-9 C0093)
を読んだ。
遺伝子操作を受けたキメラ生物。
その生物「ダンサー」が遺伝子の命令に従って
使命を全うしようとする。
柴田氏の常連の登場人物が
時間を経て成長しながら話をすすめる。
面白い本であった。

2011年6月27日月曜日

067(757)武士道エイティーン: 2011.06.27

誉田哲也著「武士道エイティーン」
(ISBN978-4-16-328320-3 C0093)
を読んだ。
3部作の最後の巻である。
面白いので一気に読んでしまった。
剣道を素材にした小説で、
ユニークな主人公や脇役たち。
高校生たちの青春小説である。

2011年6月24日金曜日

066(756)武士道セブンティーン: 2011.06.24

誉田哲也著「武士道セブンティーン」
(ISBN978-4-16-327190-3 C0093)
を読んだ。
前著の続編である。
どこにでもいそうな
高校2年生やその周辺の人々。
それでいてユニークな登場人物。
なかなか面白い。
あと一つ続編があるので、
読みだした。

2011年6月21日火曜日

065(755)武士道シックスティーン: 2011.06.21

誉田哲也著「武士道シックスティーン」
(ISBN978-4-16-326160-7 C0093)
を読んだ。
高校生の剣道少女の話である。
気楽に読めるエンターテイメントである。
あっさりと読めるなかなか面白い本である。
高1時代の話だが、
高2、高3時代の話も継続的書かれている。
続きに読んでしまいそうだ。

2011年6月19日日曜日

064(754)三陸海岸大津波:No. 3747 2011.06.19

吉村昭著「三陸海岸大津波」
(ISBN4-16-716940-1 C0195)
を読んだ。
吉村氏の記録文学である。
明治29年、昭和8年、昭和35年に襲った津波。
その記録を現地の聞き取りや、
当時の記録から書かれたものである。
先日の3.11の東北大震災を思わせる記録だ。
研究者も政府もこの記録をしらかなったのか。
「予想外」としている規模が
当時の記録が示している。
科学がもっていた先入観が、
政治の先入観になり、
それが今回の悲劇の一端になっている。
過去を知ることは重要だ。

063(753)生命は、宇宙のどこで生まれたのか: 2011.06.19

福江翼著「生命は、宇宙のどこで生まれたのか」
(ISBN978-4-396-11229-5 C0240)
を読んだ。
少し前に読み終わったが、
一般向けに書かれた本である。
しかし、あまり新しいことが書かれていなかった。
研究者であったら、
自分の進めている研究を中心に書かれるのが
一番興味を湧くのに、
残念である。

2011年6月12日日曜日

062(752)宇宙137億年のなかの地球史: 2011.06.12

川上紳一著「宇宙137億年のなかの地球史」
(ISBN978-4-569-79653-6 C0244)
を読んだ。
放送大学で授業として行われたものを、
書籍化したものだ。
既知の内容をまとめたようなものだ。
あまり真新しさを感じない内容であった。
しかし、調査のために
いまだに海外を巡っているのはいいことだ。
私も該外調査をしたいのだが、
時間と研究費がないのでできない。

2011年6月4日土曜日

061(751)GEQ: 2011.06.04

柴田哲孝著「GEQ」
(ISBN978-4-04-874023-4 C0093)
を読んだ。
GEQとはGreat Earth Quakeの略号で、
巨大地震のことである。
巨大地震があると、それにまつわる風評が色々起こる。
そこに謀略説もある。
自然現象なので謀略などないだろうと思われる。
911でも謀略説があったが、
これは人為による事件なのであり得る。
根拠には不確かなものもあるが、
本当なら大変というものもある。
GEQではいくつかの巨大地震には
謀略があったのではないかという
発想による小説である。
その背景には、地震を発生させる技術(兵器)が
あるというものだが、
そのあたりは怪しいが。