2008年6月21日土曜日

42(409) 『地球温暖化』論に騙されるな!: 2008.06.21

丸山茂徳著「『地球温暖化』論に騙されるな!」
(ISBN978-4-06-214721-7 C0095)
を読んだ。
わが意を得たりという書物であった。
強引さ、詰めの甘さ、論理の飛躍もある
相変わらずの丸山節であった。
しかし、そのような問題点を差し引いても、
そこには彼なりの説得力のある
論理が展開されている。
実際に彼は研究者を動員して、
研究データを集める努力をしている。
春の惑星地球合同学会でも
セッションを開いて議論をしている。
なぜ、地質学者が今まで
地球温暖化に、反論しなかったのか、
私は不思議でならなかった。
地球の歴史を見ると、
人為でない温暖化、寒冷化が一杯あった。
その原因究明もなされないまま、
現在の地球温暖化を騒ぎ、
二酸化炭素を犯人扱いしている。
私は常に疑問を感じ、
講義でもその点をいろいろ述べてきた。
それが、今丸山氏が学問として展開しようとしている。
もちろん反主流派の集合になるだろう。
しかし、一線級の研究者が最先端の研究手法と考えで
試料を分析・観測機器などでデータを集めながら、
シミュレーションも修正しながら、
学問としていく行動が始まった。
研究者は学問で勝負しなければならない。
そこには、自由で何者にも縛られない発想、
どんな結論でっても阻害されることなく
公開される場を提供すべきであろう。
丸山氏がそんな状況を作ってくれることを願っている。
彼がいれば、賛否両方の一流の研究者が
学問として議論できるような気がする。
そんな気運が日本から生まれれば素晴らしいことだ。
久しぶりに刺激的な本であった。

2008年6月17日火曜日

41(408) 負けてたまるか!: 2008.06.17

中村修二著「負けてたまるか!」
(ISBN4-02-259848-4 C0340)
を読んだ。
久しぶりに中村氏の本を読んだ。
あいかわらずの中村節である。
裁判やアメリカの大学での生活、研究についての
様子がいろいろ知ることとができた。
週刊誌に連載したものを大幅に書き直したものだ。
彼が愛媛県の大洲市の出身だったのは、
興味が引かれた。
勝訴までの話だが、
現在を知りたいものだ。

2008年6月13日金曜日

40(407) 疑似科学入門: 2008.06.13

池内了著「疑似科学入門」
(ISBN978-4-00-431131-7 C0240)
を読んだ。
池内氏のホンはいろいろ読んでいる。
彼が疑似科学について分類し、
それぞれの問題点を指摘している。
地球環境のような複雑系は
科学的に決着のみていない問題への対処も考えている。
著者自身も書いているが、
まだ練れていない点がある気がする。
しかし、このような問題は、
私自身も、まだ判断できない、
対処できないものでもある。
予防措置原則は
私も現在たどりついている対処法であるが、
それを池内氏もいっているので、心を強くした。

2008年6月7日土曜日

39(406) カンブリア爆発の謎: 2008.06.07

宇佐美義之著「カンブリア爆発の謎」
(ISBN978-4-7741-3417-8 C0045)
を読んだ。
チャンジャンの成果を中心に
カンブリア大爆発のまとめたものだ。
最新のデータをいろいろいれているので、
興味深かったが、
個々の種のスケッチは直感的でわかりよく
非常に効果がある。
その記載は専門家やマニア以外には
あまり興味がない内容である。
まあ、久しぶりにカンブリア紀だけの
内容の書を読んだ気がする。

38(405) 情報は一冊のノートにまとめなさい: 2008.06.07

奥野宣之著「情報は一冊のノートにまとめなさい」
(ISBN978-4-901491-76-1 C0034)
を読んだ。
小さいなA6(文庫本サイズ)のノートに
何でも日付をつけて書き込み、
その日付とキーワードをつけて
テキストファイルで管理するというものである。
簡単である。
私は、B5サイズのノートである。
しかしテキストファイルを作っていない。
だいたいいつごとのことがというので、
思い出して探し出す。
それにあまりノートにメモいっぱい書かなくなった。
必要なら直接パソコンに打ち込んでいる。
しかし、いつでもメモを取るというのは重要である。
できれば歩いているときもそうしたいものだ。
それがなかなかできないので
悩みなのだ。
備忘録をどうするかである。
このような本を読むと
いつもそこに戻るような気がする。
それでいいのかもしれない。
そのような啓発書とすればいいのだ。

2008年5月30日金曜日

37(404) いのちの授業: 2008.05.30

吉田和夫著「いのちの授業」
(USBN4-8355-4382-3 C0095)
を読んだ。
もと小中学校の教員の人が、
いのちについて書いた本だ。
授業のやり取り風の会話で展開されている。
本当の授業で教師の指導なく、
このような展開が実際の授業で
起こることは多分ないだろう。
しかし、どこかの授業で
このような場面があったのだろう。
その蓄積がこの本に使われているように思える。

2008年5月29日木曜日

36(403) ダ・ヴィンチの二枚貝(下): 2008.05.29

スティーヴン・ジェイ・グールド著「ダ・ヴィンチの二枚貝(下)」
(ISBN4-15-208397-2 C0045)
を読んだ。
私は、グールドの高尚さ、知性、そしてユーモアを愛する。
だから、その楽しみを長く味わいたい。
以前読んだものをもちろん読み返せるが、
新しいもの、そして時代に即したもの読みたい。
しかし、それはもはや望めない。
なぜならもうグールドはこの世にいないからだ。
またひとつグールドの著作を読んだ。
まだ何冊か未読の本が手元に残されているし、
翻訳されていないものも、
2、3冊あるでの、ゆっくりと読んでいけば、
まだ数年や10年は楽しめる。
やはりグールドはいい。

2008年5月15日木曜日

35(402) 時間とは何か: 2008.05.15

チャールズ・H・ホランド著「時間とは何か」
(ISBN4-7917-6001-8 C0000)
を読んだ。
地質学者が書いた時間の考察である。
深くない。
私の方が深いと思った。
期待はずれである。
哲学者やたの分野の自然科学者の方が
もっと深く考察している気がする。
ホランドは私も知っている地質学者である。
このような本をまとめたことは、重要な貢献といえる。
だが、地質学者として、
もっと哲学者とは違った視点や
もっと地質学に基づいた思索が
あったはずなのに、ホランドは離れすぎた。
ホランドなら地質学的時間について
もっと深く考えてきたはずである。
期待していただけに、
残念である。
だから、、私が地質学的視点で
時間についてまとめる余地があると感じた。

2008年5月11日日曜日

34(401) はじめて考えるときのように: 2008.05.11

野矢茂樹著「はじめて考えるときのように」
(ISBN4-569-66203-X C0110)
を読んだ。
哲学者野矢茂樹と画家植田真の共作である。
私は哲学者が書いたことを読むために、
購入し読んだ。
しかし、絵も最後まで見ると、
その意図がわかり、
考えることについて書いていたことがわかる。
そして見返してみたくなる。
考えることについて、
一般向けに、あるいは子供向けに書いている。
考えること、わかることの意味を問うものだ。
これを読んだから考えることがわかるわけではない。
これを読んで、考えることをはじめるのだ。

2008年5月7日水曜日

33(400) もしもあなたが猫だったら?: 2008.05.07

竹内薫著「もしもあなたが猫だったら?」
(ISBN978-4-12-101924-0 C1240)
を読んだ。
思考実験に関する話である。
言いたいことが鮮明で分かりやすい本である。
そして、軽い本である。
新書とはもう少し内容があるものだと思っていた。
しかし、こんな新書もあっていのだという気がする。
そんなことを感じた。

2008年4月30日水曜日

32(399) 99.9%は仮説:2008.04.30

竹内薫著「99.9%は仮説」
(ISBN4-334-03341-5 C0204)
を読んだ。
軽く読み流せる本である。
いいたいことは、タイトルどおりである。
ただ、科学者に対して、
倫理や科学哲学、科学史などを
しっかりと教育すべきという主張があった。
同感である。
科学の成果を出すための教育は熱心だが、
科学者になるための基礎素養として
そのような教育が必要だと思う。

2008年4月29日火曜日

31(398) 99%は論理力1%は直観力:2008.04.29

竹内薫著「99%は論理力1%は直観力」
(ISBN978-48284-1390-7 C0030)
を読んだ。
ハウツーものであった。
十分論理について書かれていない。
いくつか面白い観点もあった。
しかし、読むならベストセラーになった本を
読んだ方がいいのかもしれない。

2008年4月27日日曜日

30(397) 背信の科学者たち:2008.04.27

ウイリアム・ブロード、ニコラス・ウェイド著
「背信の科学者たち」
(ISBN4-06-257535-3 C0240)
を読んだ。
科学者たちの不正行為の実例を、
古くはプトレマイオスから、
ガリレオ、ニュートン、メンデルなどの巨人、
そして最近までの実例を挙げている。
ただ、実例をあげるだけではなく、
なぜそのような行為が起こるのかを論じている。
なかなか面白い内容であった。
現在固有の理由、
科学が本来抱えている問題、
明らかに個人の個性の問題まで
多様な様相ががあることがわかる。
なかなか結論が出ないもんだいである。
現在の研究者養成過程では、
専門性、先端を追うこと、
業績を出すことなどは教育するが、
科学の方法論や考え方、論理性、そして倫理感など、
研究者とて必要な部分の教育が
もれている気がする。
そのような教育こと必要なのかもしれない。
あるいは、別の方策として、
本書でも示されているが、
研究者をもっと減らすべきなのかもしれない。
大学では、教育に専念、もしくは重点をおいた
教員が多数いていいのではないだろうか。
そのような場で、研究成果を問われることなく、
趣味とはいわないが、好きな研究を自由な気分で、
好きなだけ行えばいいのではないだろか。
そんなことを考えた。

2008年4月26日土曜日

29(396) 素数に憑かれた人たち:2008.04.26

ジョン・ダービーシャー著「素数に憑かれた人たち」
(ISBN4-8222-8204-X C3041)
を読んだ。
読むのに時間がかかったが、面白い本であった。
数学的な基礎からリーマン予想を説明してる。
かなりわかりやすく書かれている。
しかしとびとびに読んでいるので、
完全に理解していない。
熟読、精読すればわかりそうなレベルに書かれている。
また、リーマン予想に関連した研究者たちについても、
力を入れて書かれている。
だからタイトルに「憑かれた人たち」とあるのだろう。
ただし、これは日本語のタイトルであって、
英語は「ベルンハード・リーマンと偉大な未解決問題」
となっている。

2008年4月13日日曜日

28(395)時間はどこで生まれるのか:2008.04.13

橋元淳一郎著「時間はどこで生まれるのか」
(ISBN4-08-720373-5 C0242)
を読んだ。
なかなか面白かった。
物理学者の考えた時間論である。
哲学者の書く時間論よりわかりやすかった。
しかし、どうもわかりにくい部分もある。
それは時間そのものが
非常にわかりにくい概念だからであろう。
もう一つ重要な文献があるので、
それを読まなければならない。
それは地質学者のかい時間論である。
それを読んだら、私も時間論について
考えをまとめていこう。
この本は非常に刺激になった。
再読が必要かもしれない。

2008年3月23日日曜日

27(394) 子どもを理科好きに育てる本:2008.03.23

中野不二男著「子どもを理科好きに育てる本」
(ISBN978-4-04-621150-7 C0095)
を読んだ。
親として子どもにどのように接すればいいかを、
いろいろな視点で書かれている。
私自身気になっている問題だろうか。
日本の理科離れ場、
社会が豊かになったこと、
教育方針がずれていること、
親や社会が体制が理科を重要視していないこと、
理科を毛嫌いしていること、
そしてそれらの状態が長い時間継続したこと、
などが複合して発生しているのではないか。
だから、よほど行政が先を見通して対処し、
そして徹底し、継続しなければならないのではないか。
そんなことを考えた。

2008年3月22日土曜日

26(393) 哲学ということ:2008.03.22

太田光、田中裕二、野矢茂樹著
「爆笑問題のニッポンの教養 哲学ということ 哲学」
(ISBN978-4-06-282602-0 C0010)
を読んだ。
野矢氏の哲学や論理学の入門書をいくつか読んでいる。
この本もその一環で読んだ。
太田光の話はピンボケだが、
野矢氏の話は面白い。
だが、その意図するところが深く理解が難しい。
それでいいのだ。
哲学の問題は、古くから人を悩ませてきたものだ。
早々簡単に解決できるものではない。
論理が間違ってないかは論理学が教えてくれる。
正しい論理をもってしても解決できないのだ。
それが哲学なのだ。
そして、深く考えていくことが重要なのだ。

2008年3月18日火曜日

25(392) 火山の大研究:2008.03.18

鎌田浩毅監修「火山の大研究」
(ISBN978-4-569-68730-8 C8544)
を読んだ。
わかりやすく書かれている。
しかし、子供が本当に興味が
もてるかどうか疑問である。
ハードカバーで出版されているが
図書館用だろうか。
個人で購入するには少々高い本である。

24(391) 千里眼:2008.03.18

松岡圭祐著「千里眼」
(ISBN4-09-403252-5 C0193)
を読んだ。
このシリーズをいくつか読んできた
その最初の作品である。
なかなかのサスペンスで面白く読んだ。
しかし、そろそろ飽きてきた。
しばらく間を空けたほうがいいのかもしれない。

2008年3月15日土曜日

23(390) TVJ:2008.03.15

五十嵐貴久著「TVJ」
(ISBN4-16-323650-3 C0093)
を読んだ。
テレビジャパンをジャックする話である。
経理課の女性が一人で10数人の犯人グループから逃げて
対抗していく話である。
少々軽い気がするが気軽に読める本である。

22(389) TSUNAMI:2008.03.15

高嶋哲夫著「TSUNAMI」
(ISBN4-08-775354-9 C0093)
を読んだ。
東海、東南海、南海地震が連鎖的に起こり、
そのため、超巨大な津波が発生するという話である。
M8に続くような話である。
なかなか面白かった。
各所の人の努力で大惨事が回避されていく。
原子力に関する研究者出身の著者ならではの
面白さがある。

2008年3月7日金曜日

21(388) ヘーメラーの千里眼:2008.03.07

松岡圭祐著「ヘーメラーの千里眼」
(ISBN4-19-386142-0 C0093)
を読んだ。
自衛隊の人身事故と臨床心理治療の問題を
サスペンス小説にしたものである。
長編の話だがなかなか面白かった。

2008年3月3日月曜日

20(387) 千里眼の瞳:2008.0303

松岡圭祐著「千里眼の瞳」
(ISBN4-19-861454-7 C0093)
を読んだ。
北朝鮮と9.11テロなどを題材にした
シリーズのサスペンス小説だ。
フィクションだが、現実の事件としてリンクしていて
面白いものとなっている。

2008年2月26日火曜日

19(386) 科学哲学のすすめ:2008.02.26

高橋昌一郎著「科学哲学のすすめ」
(ISBN4-621-04965-8 C0010)
を読んだ。
非常に面白い本である。
図書館で借りた本だが、
手元におきたくて注文した。
現在、メモをとりながら、再読している。

18(385) 陪審法廷:2008.02.26

楡周平著「陪審法廷」
(ISBN978-4-6-213894-9 C0093)
を読んだ。
日本でもこれから裁判員制度がおこなわれる。
アメリカの陪審員制度の問題点を示す小説である。
明らかな殺人があり、その犯人は15歳で
犯行動機もはっきりしている。
しかし、陪審員は有罪か無罪かをきめるだけで、
その罪のないようについて評価を下せない。
それを問題として提起した小説である。

17(384) 高校生のための東大授業ライブ:2008.02.26

東京大学教養学部編「高校生のための東大授業ライブ」
(ISBN978-4-13-000450-3 C1000)
を読んだ。
15の講義で興味のあるところだけを呼んだ。
リベラル・アーツをこのようにすることができるのである。
そしれなにより大学の教員が、世間の人に向けて
講義をするのは面白い。
似たチャレンジをしていることは多数あるが、
書籍としては私ははじめて読んだ。
しかし、多様すぎて、一つのことに興味をもつ人間には
概略過ぎる気がする。

16(383) 12歳、世界にチャレンジ 雄太君の留学日記:2008.02.26

中川雄太著「12歳、世界にチャレンジ 雄太君の留学日記」
(ISBN4-8062-0505-2 C0095)
を読んだ。
アシナガバチ研究所日記の著者が小学校6年生の1月に
ニュージーランドに留学し、
その後カナダに留学しているときの日記を本にしたものである。
小さいながら自分をしっかり持っていることがわかる。
そして海外の教育への取り組みと
そこで学生が勉学に励む姿をみることができた。
このようなチャレンジ精神をもった子供が増えればいいのだが。

15(382) 雄太昆虫記ぼくのアシナガバチ研究所日記:2008.02.26

中川雄太著「雄太昆虫記ぼくのアシナガバチ研究所日記」
(ISBN4-7743-0631-2 C8045)
を読んだ。
小学生が興味をもったアシナガバチを調べて
その観察日記を本にしたものである。
非常の面白いものであった。
現在長男が読んでいる。

14(381) ラストワンマイル:2008.02.26

楡周平著「ラストワンマイル」
(ISBN4-10-475302-5 C0093)
を読んだ。
「再生巨流」の別の展開の物語である。
アイディアは同じである。
物流業が新しいビジネスをつくという話である。
なかなか面白い話であった。

13(380) 再生巨流:2008.02.26

楡周平著「再生巨流」
(ISBN4-10-475301-7 C0093)
を読んだ。
左遷された男が、
物流業が新しいビジネスチャンスをつくという話である。
なかなか面白い話であった。
これは小説であるが一つのビジネスモデルでもある。

2008年2月17日日曜日

12(379) ぼくには数字が風景に見える:2008.02.17

ダニエル・タメット著「ぼくにいは数字が風景に見える」
(ISBN978-4-06-213954-0 C0098)
を読んだ。
「ブレインマン」というBBCの放送で見たことがある
タメットが書いた本である。
数字と語学に天才的な才能をもっている
サヴァン症候群とアスルガー症候群を
もっている青年自身が書いた自分の生い立ちと
自分の心象風景を克明に、そして素直に書いたの話だ。
家族の暖かい眼差しと現在の彼への注目と、
その個性が、子供時代のいじめに通じていた。
非常に重要な問題をも投げかけている。

2008年2月16日土曜日

11(378) マインドマップ・ノート術:2008.02.16

ウィリアム・リード著「マインドマップ・ノート術」
(ISBN4-89451-199-1 C0030)
を読んだ。
以前読んだマインドマップの方法を
より簡潔にまとめたものだ。
マインドマップを試しに2つ書いてみた。
書いているときは、いろいろ発想が湧くが、
それを練り直さなければ、
頭の中になかなか定着しないようだ。
ソフトウェア版も試したが、
味がなく、ますます定着しない。
マインドマップとは、要はその内容に
今に頭を使い、イメージを広げ、まとめ、
そして時間をかけ、記憶に残すのかが重要である。
問題は。私自身にそれができるかどうかである。

2008年2月11日月曜日

10(377) ザ・マインド・マップ:2008.02.11

トニー・ブザン、バリー・ブザン著
「ザ・マインド・マップ」
(ISBN4-478-76099-3 C0030)
を読んだ。
世界で以前からはやっている思考方法だそうだ。
どのようなものかを知るために、
教科書的な本を買って読んでみた。
確かにいろいろな効用がありそうだ。
コンピュータのソフトによるものもある。
それをインストールして使ってみた。
しかし、この手法の基本は、
紙に自分の手でいろいろ試行錯誤しながら書くことが
一番の創造性を発揮するのだろう。
自分で考え、自分の手を使い、
カラフルに、イメージを用いて完成することが、
一つのテーマについて考え、
連想を促すことになるのだろう。
コンピュータによるものは、
まとめ用としてはいいのかもしれないが、
創造性を生み出し、記憶に定着させるためには、
有効でないのであろう。

2008年2月8日金曜日

9(376) 神と科学は共存できるか?:2008.02.08

スティービン・ジェイ・グールド著
「神と科学は共存できるか?」
(ISBN978-4-8222-4572-6 C0095)
を読んだ。
科学と宗教を共存するためには、
NOMA(Non-Overlapping Magisteria)原理で
対処すべきであるという主張である。
つまり「密度の濃い対話を伴う非干渉」という立場である。
不可知論的立場である。
なぜ、グールドはこのような本を書いたのだろうか。
それはアメリカでは創造主義が活発化してからである。
気になる科学者たちが、
科学に対抗する似非科学や宗教にたいして
言及する例をよくみる。
愛読しているグールドにおいても、そうなった。
そして私自身そのような内容に興味を持っている。
どうしてなんだろうか。
よく分からないが、そういう精神的な時期なのだろうか。

2008年2月3日日曜日

8(375) 風の谷のナウシカ:2008.02.03

宮崎駿著「風の谷のナウシカ」
(ISBN4-19-2100101-X C9979)
を読んだ。
アニメージュ・コミックス・ワイド版
とされているもので、
全7巻で2780円である。
映画で有名なので子供用に買ったのだが、
非常に内容の深いもので、
子供には難しいかもしれない。
しかし、映画とは違った展開で、
背景となっている環境は、
奇異な登場人物などの
すべての謎が明らかにされていく。
なかなか読み応えのある本であった。

2008年1月26日土曜日

7(374) 峰雲へ:2008.01.26

阿部夏丸著「峰雲へ」
(ISBN4-09-366451-X C0093)
を読んだ。
川を愛する子供たちが登場する小説だ。
著者がすごした川の情景を舞台にしている。
なかなか心に沁みる話であった。

2008年1月24日木曜日

6(373) 釣り上げては:2008.01.24

アーサー・ビナード著「釣り上げては」
(ISBN4-7837-1200-X C0092)
を読んだ。
詩集である。
詩集など読むのは何年ぶりだろうか。
実は調査のアーサー氏の対談を
聞いたことが発端である。
彼にとっての詩と何かという話が、
非常にわかりやすく説明されていた。
それでいて日本的な比喩や生活観を漂わせた
語り口から説明される詩が非常にわかりやすかった。
日本人の詩人から、このようなわかりやすい説明を
聞いたことがなかったので、
非常に新鮮に感じた。
彼は日本に来て、日本で生活して
日本語を覚えて、日本語で詩作を始めた。
最初の詩集がこの本である。
久しぶりに詩に触れたせいだろうか、
それとも彼の詩がいいのだろうか。
心にしみる何かを感じた。

2008年1月21日月曜日

5(372) カワウソがいる:2008.01.21

阿部夏丸著「カワウソがいる」
(ISBN4-591-08231-8 C8093)
を読んだ。
四国の川を舞台にした川ガキとカワウソ、
そして大人の物語である。
この小説は私の少年時代の川遊びと通じるものがある。
だから私には理解でき、ノスタルジーのようなものがあり
共感できる。
でも私の子供にこのような感覚がわかるだろうか。
なかなか難しい気がする。
川で遊ぶ楽しさ。
川で味わうスリル。
川の豊かさ。
川の爽快感。
川の危険。
そんなものを味わう環境や
機会が、今では失われつつある。
そんな気持ちを味あわせてやりたい。
彼の小説を読むといつもそう思う。

2008年1月15日火曜日

4(371) 生物と無生物のあいだ:2008.01.15

福岡伸一著「生物と無生物のあいだ」
(ISBN978-4-06-149891-4 C0245)
を読んだ。
生物の本質について
文学的な書き方がなされている。
独特の書き方である。
しかし、不思議な魅力がある。
彼の主張はジグソーパズルを埋める
動的平衡であるが、
それは人智の及ばない生命の神秘が
あるということである。
あまり科学史の表にでてこないが
重要な研究をなした研究者に
スポットを当てた話題がいくつかある。
そして彼らと著者の
かかわりがあることも知らされる。
面白い本であるが、
話題がとびとびになっているので
少々違和感があった。
最後に、月刊誌の連載が初出であることから
その違和感の原因であった。

2008年1月13日日曜日

3(370) 贋作遊戯:2008.01.13

赤木毅著「贋作遊戯」
(ISBN978-4-334-74337-6 C0193)
を読んだ。
詐欺師同士の詐欺を競い合う小説である。
昭和初期の雰囲気を舞台にしたものだが、
文体もそのころを意識して
独特の雰囲気をかもしだしている。
なかなか面白い小説である。

2008年1月9日水曜日

2(369) 戦う物理学者!:2008.01.09

竹内薫著「戦う物理学者!」
(ISBN978-4-534-04265-1 C0042)
を読んだ。
これは、もともとミニ講義をもとした本である。
そために、話した内容からの文章なので、
厳密でない表現がいろいろ見当たった。
しかし、言わんとしている内容は理解できる。
対照的な物理学者を登場させ、
その業績や考え方に触れていくものである。
なかなか興味深いものであった。

2008年1月2日水曜日

1(368) フェイク:2008.01.02

楡周平著「フェイク」
(ISBN4-04-873524-1 C0093)
を読んだ。
年末から読み出した本だ。
銀座のボーイが金に絡む
いろいろな事件に巻き込まれて
金に関してのある意識を持つ話である。
その事件が詐欺や人との関係など
人間模様をかもし出す。
しかし、少々なにか弱い気がする。
それでも面白い小説である。

2007年12月31日月曜日

82(367) 冥府の虜: 2007.12.31

高嶋哲夫著「冥府の虜」
(ISBN4-396-63182-0 C0093)
を読んだ。
この本は、著者が以前専門としていた
原子力を素材とした内容である。
なかなか面白いものであった。
この本が今年最後の読書記録となる。

2007年12月29日土曜日

81(366) アインシュタイン丸かじり:2007.12.29

志村史夫著「アインシュタイン丸かじり」
(ISBN978-4-10-610207-3 C0242)
を読んだ。
わかりやすくアインシュタインの1905年の
主要論文を解説している。
なかなか面白い本である。
彼の各一連の本は、
わかりやすく説明されているので
読みやすく楽に読みきれるのでいい。
思い返してみると彼の書いた本は
結構手元にあることに気づく。
書き方は気をてらうこともなく、
正攻法でただわかりやすく書いている。
数式も書かれているが、
もっと説明が欲しいと思えるくらいでとまるので、
より詳しい本を読みたくなる。
このような科学解説書では
それがベストであろう。
なかなかいい書き方である。

2007年12月22日土曜日

80(365) エビデミック:2007.12.22

川端裕人著「エビデミック」
(ISBN4-04-873801-9 C0093)
を読んだ。
川端氏の久々の本格小説である。
エピデミックとは、疫学のことである。
東京近郊で発生した原因不明の疫病を
早期に対処するために、架空のチームが対処を始める。
しかし、疫病ははやりだすが、
何とか対処し、抑えるという話である。
内容が疫学の原理を紹介しながら進むので
非常に専門性を楽しめて非常に楽しかった。
そしてさまざまな人間が現れていくので
小説としての面白さもある。
久しぶりに読む川端氏の本格小説であった。

79(364) くちぶえ番長:2007.12.22

重松清著「くちぶえ番長」
(ISBN4-10-134920-6 C0193)
を読んだ。
小学校4年生の男の子と転校してきた女の子の
友情物語である。
いわゆる青春小説である。
このような分野の小説を久しぶりに読んだ。
中篇だろうが少々読み応えに書けた。
しかし、久しぶりだったのでさわやかな感じがした。

2007年12月15日土曜日

78(363) はやぶさ 不死身の探査機と宇宙研の物語:2007.12.15

吉田武著「はやぶさ 不死身の探査機と宇宙研の物語」
(ISBN4-344-98015-8 C0295)
を読んだ。
数学の話を書いていた吉田氏の
科学技術についての本である。
JAXAの全面協力は受けているが、
情報自体は公開されているものだけを使って、
それをわかりやすく、
そして彼なりの思い入れと書き方で紹介している。
なかなか面白い本であった。

2007年12月9日日曜日

77(362) 石はきれい、石は不思議:2007.12.09

堀秀道ほか著「石はきれい、石は不思議」
(ISBN4-87275-841-2 C0370)
を読んだ。
こんな石の表現の仕方があるのかと思った。
石は自然のままか、研究素材にされてたものか、
私は2分してみていた。
自然物である石を
人工的にピックアップして、分類して
自然物の砂や浜の中で
再配置したものも十分訴えるものがある。
そんなことをこの冊子が教えてくれた。
INAXのギャラリーで展示の図録のようだ。
すばらしい本である。

76(361) 昆虫力: 2007.12.09

赤池学著「昆虫力」
(ISBN4-09-387543-X C0095)
を読んだ。
昆虫の持つさまざまな機能を紹介したものだ。
紹介が多く、深みを感じなかった。
やはりこのような本は
中心人物からいろいろな話を
展開した方が面白い気がした。
ただし、扱っている個々の内容は
面白いものであった。
だから余計に残念であった。

2007年12月8日土曜日

74(359) 宇宙と大地 農のある暮らし:2007.12.08

秋山豊寛著「宇宙と大地 農のある暮らし」
(ISBN4-00-000180-9 C0095)
を読んだ。
日本人最初の宇宙飛行士秋山氏の本を
久しぶりに読んだ。
あまりたくさん書かれているわけではない。
しかし、彼の生き方には私にはまねのできない潔さがある。
そんなことを改めに感じさせられた。

2007年11月23日金曜日

73(358) 朽ちる散る落ちる:2007.11.23

森博嗣著「朽ちる散る落ちる」
(ISBN4-06-182252-7 C0293)
を読んだ。
前に起こったが事件現場で更なる事件が
起きたという設定である。
さらにもう一つ、帰還した有人衛星のなかで
起こった密室殺人である。
これらが関連あるというストーリーである。
どうもトリックが大掛かり過ぎて
なじめないものであるが、
以前からこの作家を読んでいたいたのと
主人公の個性に魅力を感じている。
しかし、この作家もそろそろ卒業かもしれない。

2007年11月17日土曜日

72(357) 捩れ屋敷の利鈍:2007.11.17

森博嗣著「捩れ屋敷の利鈍」
(ISBN4-06-182231-4 C0293)
を読んだ。
この本も設定が異常で、トリックも異常である。
そして最後にはあまり驚かないトリックが披露される。
十分吟味されずに書かれたような気がする。
それを補うためだろうか、
2つのシリーズの主人公が出てきて競演しあう。
それだけが面白さといえる。

71(356) 六人の超音波科学者:2007.11.17

森博嗣著「六人の超音波科学者」
(ISBN4-06-182204-7 C0293)
を読んだ。
設定が異常で、トリックも異常、
このような異常を好む人もいるのだろうが、
私は余り好まない。
しかし、それでも読むのは、
主人公が魅力的だからであろう。
小説のひとつの重要なファクターとして
主人公のキャラクターがあるのだろう。
そんなことを感じながら読んだ。

2007年11月11日日曜日

70(355) ズッコケ中年三人組age41:2007.11.11

那須正幹著「ズッコケ中年三人組age41」
(ISBN4-591-09530-4 C0093)
を呼んだ。
昔の本の登場人物が人気占い師として再度登場する。
最近のテレビをネタにしたようなストーリーである。
子供も読める単純明快なものだが、
どこか腑に落ちない理不尽さがあるのは、
大人の小説を意識してのことなのだろうか。

2007年11月10日土曜日

69(354) 無限連鎖: 2007.11.10

楡周平著「無限連鎖」
(ISBN4-16-321460-7 C0093)
を読んだ。
イスラム原理主義者によるテロを題材にした
サスペンスである。
面白いのだが、2つの点がすごく気になった。
終わりが良くない点と、もうひとつは、
2つのストーリが展開されるのだが、
その関係が希薄で、
連作中篇を二つ読まされたような気になる点である。

2007年11月3日土曜日

68(353) ズッコケ中年三人組: 2007.11.03

那須正幹著「ズッコケ中年三人組」
(ISBN4-591-09087-6 C0093)
を読んだ。
子供のことの三人組が28年後怪盗Xと対決する話だ。
もちろん全員大人でXも老人だが、
場面は大人のものになっているが
やはり昔の子供たちのようにやっている。
しかし、大人の話としては少々物足りない気がする。

66(351),67(352) 都会のトム&ソーヤ5上・下 2007.11.03

はやみねかおる著「都会のトム&ソーヤ5上・下」
(ISBN4-06-269383-7 C8093)
(ISBN4-06-269385-1 C8093)
を読んだ。
子供向けの本だが、以前から読んでいたものだ。
今回も少々不満な部分があったが、
やはり全体としては面白いものであった。

65(350) ロボットの天才: 2007.11.03

高橋友隆著「ロボットの天才」
(ISBN4-8401-1545-1 C0095)
を読んだ。
独自のスタイルのロボットを造ってい人だ。
以前テレビで見たことがあるような気がする
ロボットの解体を子供たちにさせていた。
彼はロボットをひとつひとつ手作りしている。
そしてなんといっても彼のロボットのすばらしさは、
フォルムが誰もが見ても
いいと「感じる」ものだからだ。
形態の中に何かを感じさせるものをもっている。
彼はそんなフォルムを生み出すことができのだ。
彼は、バウハウスの原則「機能が形態を生む」ではなく、
「形態に機能を閉じ込める」職人なのだ。

2007年10月27日土曜日

64(349) 都庁爆破!: 2007.10.27

高嶋哲夫著「都庁爆破!」
(ISBN4-7966-2540-2 C0093)
を読んだ。
テロリストが都庁の半分を爆破していく話である。
要求があり、首相と都知事の葛藤がある。
まあまあ面白かった。

2007年10月24日水曜日

63(348) 命の遺伝子: 2007.10.24

高嶋哲夫著「命の遺伝子」
(ISBN4-19-861557-8 C0093)
を読んだ。
生化学の研究者が
ナチスとナチス狩りの闘争に巻き込まれていく
サスペンスである。
なかなか面白いストーリである。
日常から非日常があまりかけ離れているので、
本から離れると、気持ちがすっと切り替われるので
読みやすい本であった。

2007年10月20日土曜日

62(347) クラッシュ: 2007.10.20

楡周平著「クラッシュ」
(ISBN4-7966-1448-6 C0093)
を読んだ。
インターネットとコンピュータ社会の危険性を示すような
サスペンス小説である。
楡も最近読み始めた作家だ。
なかなか面白いものが多く、集中的に読んでいきたい作家だ。
しかし、大作が多くてなかなか一気に読みきれないのだ難点だ。
でもそれが醍醐味が長く味わえるのでファンにはいいだろう。

2007年10月13日土曜日

61(346) トルーマン・レター: 2007.10.13

高嶋哲夫著「トルーマン・レター」
(ISBN4-08-775285-2 C0093)
を読んだ。
やはり彼の書く本は面白い。
広島と長崎に原爆を落とす決断をした
大統領の手紙が、ふとしたきっかけで
元新聞記者の手に入ることから物語が始まる。
非常に面白いストーリーが展開する。
その謎を解きながら
民族の中にある血とその思いについて語られていく。
これからも彼の本には目が離せないだろう。

2007年10月9日火曜日

60(345) ふたりのシンデレラ: 2007.10.09

鯨統一郎著「ふたりのシンデレラ」
(ISBN4-526-03533-1 C0093)
を読んだ。
一人8役の構成の話になる。
どうしてもストーリやオチが奇抜になっていく。
そうれは仕方がないが、
やはりこの話は少々強引な気がする。

2007年10月7日日曜日

59(344) メルトダウン:2007.10.07

高嶋哲夫著「メルトダウン」
(ISBN4-06-211782-7 C0093)
を読んだ。
アメリカの東部の西部を舞台にした
別々の事件と報道が
最終的には一つになっていくという物語である。
なかなか面白いストーリーであった。

2007年9月30日日曜日

58(343) 都会のトム&ソーヤ4: 2007.09.30

はやみねかおる著「都会のトム&ソーヤ4」
(ISBN4-06-269363-1 C0093)
を読んだ。
面白い本であった。
ただし、不満もいっぱいある。
続けて読むと、その不満が重なる。
しかし、これはこれでいいのかもしれない。
とりあえずは面白いのだから。

57(342) 都会のトム&ソーヤ3: 2007.09.30

はやみねかおる著「都会のトム&ソーヤ3」
(ISBN4-06-269350-X C0093)
を読んだ。
なかなか面白い本であった。
アラはいろいろある。
しかし、この著者ぐらいになると、
そのようなアラは問題ではないのだ。
全体として面白いかどうか。
シリーズとして主人公が面白いかどうか。
新たななぞやキャラクターが出てきたか。
シリーズ全体が盛り上がっているか。
それが総合的に判断されるのだ。
大物になる売れる、読まれるのは当たり前なので、
あとの読者の満足度か問題だけなのだ。

56(341) M8: 2007.09.30

高島哲夫著「M8」
(ISBN4-08-746200-5 C0193)
を読んだ。
なかなか面白い本であった。
科学者であった著者が書いた本である。
地震の専門家ではないが、
科学者たちが登場する話はなかなか面白い。
しかし、最近地震や富士山の火山噴火など、
地質学を素材とした小説が多いように感じる。
それとも私が小説を最近まで読んでいなかったため
そのような本を読んでしまったのだろうか。
まあどちらいでもいい。
面白い本であればいいのだ。

2007年9月20日木曜日

55(340) マリア・プロジェクト: 2007.09.20

楡周平著「マリア・プロジェクト」
(ISBN4-04-376501-0 C0193)
を読んだ。
ストーリーは現実に有りそうが気がするが、
まだ完成していてない技術などが利用されている。
奇想天外な気がするが、現実的なストーリーである。
なかなか面白い小説である。

54(339) 白夜行: 2007.09.20

東野圭吾著「白夜行」
(ISBN4-08-747439-8 C0193)
を読んだ。
20年以上に及ぶ主人公たちの犯罪らしきものが
詳細に間接的に描かれている。
しかし、そこに実際の犯罪の証拠や解決は示されていない。
不思議な小説だ。
しかし、文庫本で850ページ以上の大著だが、
飽きることなく、最後まで読ませるものであった。

2007年9月19日水曜日

53(338) スーパーコンピューターを20万円で創る: 2007.09.19

伊藤智義著「スーパーコンピューターを20万円で創る」
(ISBN978-4-08-720395-0 C0244)
を読んだ。
東大のGRAPEを作った時の話である。
大学院生だった著者が、
実際のコンピュータを設計、作成した話である。
コンピュータの素人である著者が
世界をあっといわせる世界最高速のコンピュータを
作成したときの経緯を当事者の視線で
かかれたものである。
なかなか面白い本であった。

52(337) タイムスリップ森鴎外: 2007.09.19

鯨統一郎著「タイムスリップ森鴎外」
(ISBN4-06-275138-0 C0193)
を読んだ。
森鴎外がタイムスリップして
現在に現われという始まりである。
有名作家が十数名が若死にしているという事実から、
その謎を現在の若者と森鴎外が解くというストーリである。
なかなか面白い話であった。

51(336) とんち探偵・一休さん金閣寺に密室: 2007.09.19

鯨統一郎著「とんち探偵・一休さん金閣寺に密室」
(ISBN4-396-33064-2 C0193)
を読んだ。
一休さんのとんちの話が
この小説ではそれぞれが意味があるプロットとなっている。
なかなか面白いストリーであった。

2007年9月4日火曜日

50(335) 1985年の奇跡: 2007.09.04

五十嵐貴久著「1985年の奇跡」
(ISBN4-575-51076-9 C0193)
を読んだ。
野球少年の話である。
それが普通じゃない、リアルな不真面目高校生の
野球物語である。
少々荒唐無稽の設定があるが、
でも読み物として面白い。

49(334) 北京原人の日: 2007.09.04

鯨統一郎著「北京原人の日」
(ISBN4-06-275014-7 C0193)
を読んだ。
世界史でいまだに謎である北京原人の紛失事件が
題材とされている。
その謎に対して、小説で一つの解を出す、
いわゆる歴史ミステリーである。
いろいろな人間が関係して話が展開する。
なかなか面白い本であった。

2007年9月3日月曜日

48(333) 感染: 2007.09.03

仙川環著「感染」
(ISBN4-09-408046-5 C0193)
を読んだ。
なかなか面白かった。
医学の専門の分野を扱いながら、
それでいて専門的過ぎない。
また、ストーリーもなかなか面白い。
ただ、スピーディといえるのだろうが、
ストーリの展開が早すぎると感じる部分もある。
そのあたりは両刃の刃であろう。
しかし、この小説は面白い。

2007年9月1日土曜日

47(332) 2005年のロケットボーイズ: 2007.09.01

五十嵐貴久著「2005年のロケットボーイズ」
(ISBN4-575-23531-8 C0093)
を読んだ。
この小説は面白かった。
理系小説と謳って書かれたものだが、
同じ題材のものがいくつかある。
しかし、面白ければいいのである。

46(331) 安政五年の大脱走: 2007.09.01

五十嵐貴久著「安政五年の大脱走」
(ISBN4-344-4063602 C0193)
を読んだ。
この著者の小説を最近読みふけっている。
いろいろなジャンルの小説があるので、
読んでいて飽きない。
ただ、どこか不完全さがあるのが気になるが、
これも愛嬌である。
なんといっても読んでいて面白いのが一番である。

45(330) 山之口獏詩文集: 2007.09.01

山之口獏著「山之口獏詩文集」
(ISBN4-06-197663-x C0192)
を読んだ。
詩が少ないが残念だった。
また、私が見聞きした詩が一つもないのだ残念だった。
しかし、沖縄出身の山之口が
東京で赤貧の暮らしをしていることを綴る詩が多い。
そんな中でもどことなくユーモアがあるのが
彼の詩のすごさかもしれない。

44(329) 富士山大噴火: 2007.09.01

鯨統一郎著「富士山大噴火」
(ISBN4-06-275672-3 C0193)
を読んだ。
タイトルに惹かれて買ったものだ。
石黒輝の富士の噴火の話より
少し先行してかかれたものだろう。
少々火山の噴火の記述に迫力はなく、
あまりパニックの緊張感は少なかった。
地球科学を題材にした小説だから
読んでいてもついついあらを探してしまうのは、
こまったものだ。

43(328) 隕石誘拐: 2007.09.01

鯨統一郎著「隕石誘拐」
(ISBN4-332-73291-7 C0193)
を読んだ。
何年か前に本の隕石という言葉につられて買った本だ。
ここしばらく小説を読みふけっている。
これもその一環だ。
宮沢賢治が書いた「銀河鉄道の夜」に
暗号が隠されているという設定だ。
そして宝物はダイヤモンドで
隕石として降ってきたものだとなっている。
隕石中にダイヤモンドがみつかったという
話題をヒントに思いつかれたものだろうが、
実際のダイヤモンドはミクロンサイズのものだ。
まあまあ面白い話だった。

2007年8月31日金曜日

42(327) リカ: 2007.08.31

五十嵐貴久著「リカ」
(ISBN4-344-00150-8 C0093)
を読んだ。
ここ数日一気に小説を何冊も読んでいる。
これもその一つである。
ホラーサスペンス大賞を受賞したものである。
何度か鳥肌が立つような部分が何箇所もあったが、
ホラー小説を読むのははじめてである。
そしてわかったのは、
私にはホラーはあまりなじめないことである。

2007年8月25日土曜日

41(326) 交渉人: 2007.08.25

五十嵐貴久著「交渉人」
(ISBN4-344-40763-6 C0193)
を読んだ。
なかなか面白い小説であった。
前に読んだFakeと同じ作家である。
彼は、非常に多様な作風を持つ作家である。
他にも多様なものを書いているらしい。
読んでみたい作家となった。
ただし、現在は以前読みたいと思って買ってた、
小説を読んでいるのだが。

2007年8月19日日曜日

40(325) Fake: 2007.08.19

五十嵐貴久著「Fake」
(ISBN4-344-40980-4 C0193)
を読んだ。
コンゲームの小説である。
スティングのような引っかけをストーリと
読者に対して行っている。
なかなか面白かった。
最近なぜか小説を読むようになった。
まあ、暑い時期には娯楽小説もいいだろう。

2007年8月17日金曜日

39(324) 川中WOW部の夏休み:5 2007.08.17

阿部夏丸著「川中WOW部の夏休み」
(ISBN4-061487758 C8293)
と読んだ。
自分が書くときのことを考えて読んだ。
すると、この本は、あまり面白くないものだと思えた。
しかし、名前が売れていると、
これが面白く感じてしまう。
つまり一作目が面白いと、
2作目も期待して読まれるので、
少々のあらは目立たなくなり、
ストーリが面白いかどうかだけになる。
これは諸刃の刃であるので、
注意が必要だ。
しかし、いずれにしても、一作目で
強く人をひきつける必要があることがよくわかる。

2007年8月12日日曜日

38(323) 記号論 2007.08.12

コブリー、ジャンス著「記号論」
(ISBN4-7684-0089-2 C0330)
を読んだ。
記号論の入門書である。
しかし、主に記号論の発展を示したものだ。
入門書とは普通はこのようなものなのだろうが、
なじみがなくわかりにくかった。
構造主義と重複する部分があるが、
観念的で抽象的で理解できないところが多かった。
しかし、記号論は、
単に言語や身体のコミュニケーションにとどまらず、
非常に広範囲に適応されていることがわかる。

37(322) 墨攻: 2007.08.12

森英樹著「墨攻」
全11巻を読んだ。
古代中国の史実を題材にした漫画である。
以前途中まで読んでいたが、
最後まで読んだことがなかったものである。
オークションで入手して
読み出したら一気に読んでしまった。
予想通りなかなか面白かった。

36(321) 陽気なギャングが地球を回す: 2007.08.12

伊坂幸太郎著「陽気なギャングが地球を回す」
(ISBN4-396-33268-8 C093)
を読んだ。
サスペンスものの小説である。
面白くて旅行中にほとんど読んでしまった。

2007年7月28日土曜日

35(320) 氷河期の『発見』: 2007.07.28

エドマンド・ブレア・ボウルズ著「氷河期の『発見』」
(ISBN4-594-05143-x C0098)
を読んだ。
表題どおり氷河期を発見したルイ・アガシ、
現在のグリーンランドの巨大な氷河を発見した
イライシャ・ケーン、
有名な地質学者のチャールズ・ライエルが織り成す
氷河期発見の物語である。
非常に面白い本である。
アガシが氷河期を発見したのというのは知っていたが、
ライエルが絡んでいたこと、
アガシがキュヴィエの弟子であったことなど
知らないことも多数出てきた。
そして偉大な地質学者ライエルでも
一度は氷河期を認めても世間の反論の激しさに
その節を翻し、認めることがなかなかできなかったこと、
そして最後にはアガシを認めながらも
自分の成果にしてしまったこと
などなど面白いことが盛りだくさんであった。

2007年7月16日月曜日

34(319) 昼は雲の柱: 2007.07.16

石黒耀著「昼は雲の柱」
(ISBN4-06-213705 C0093)
を読んだ。
石黒氏の三作目である。
今度は富士山の噴火と
富士信仰や古代宗教などは、
共通の火山を崇拝する
原始的な精神構造から
由来しているというものである。
それらは、火山のタイプによって
大陸系と海洋系に分かれるというものである。
なかなかストーリは面白かったが、
火山現象に関する話は
以前ほど面白くなくなった。
まあ地質パニック小説は日本沈没以来だから
作家としてこの分野の話を
書き続けて欲しいものだ。

33(318) バタフライパワー: 2007.07.16

ブリッグス、ピート著「バタフライパワー」
(ISBN4-478-83011-8 C1042)
を読んだ。
複雑系の話である。
人類の昔ながらの考えや振る舞いには、
実は複雑系の背景があることを示している。
そしてそこには限りない可能性と創造性があることを
主張している。
論理展開はいいのだが、
素材が数学的でないのが私には退屈であった。
ブリックスは美学、心理学の研究者だが、
ピートは複雑系の科学者であるから
期待していたが、期待はずれであった。

2007年6月30日土曜日

32(317) 哲学者とは何か: 2007.06.30

中島義道著「哲学者とは何か」
(ISBN4-480-03558-3 C0110)
を読んだ。
この本は持ち歩いているバックに
長年入れていた本である。
とうとう先日読み終わった。
あちこちに掲載された文章をまとめたものである。
最後に対談が2編あったが、
それは中島氏の師にあたる大森荘蔵氏とのものである。
非常に本質的な内容を対談している。
師匠に対してこのような言い方をするのか
というなこともあった。
しかし、そんなことを意に介せず大森氏は会話を進める。
中島氏の指摘に対して素直に答えている。
そしてわからないところは教えを請い、
反対するべきところは反対する。
まさに対等の議論である。
師匠と弟子の関係を超えたところにある議論に見える。
そこが彼のすごさであり、尊敬すべき点なのであろう。
内容より師弟関係のすごさを見た。
そして中島氏書いた「大森さんはいい人であった」
という言葉は心に沁みる。

31(316) 数学にときめく: 2007.06.30

新井紀子著ムギ畑編「数学にときめく」
(ISBN4-06-257372-5 C0241)
を読んだ。
この本は、お母さんたちが数学について
話あいながら親しんでいくというサイトの記録である。
新井氏が数学のクイズを出して、
それを数学をほとんど忘れているような
お母さんたちが自由にいろいろな考えで
解いてくということを記録した本だ。
新井氏の行っている同様の活動による本は
以前も読んだ。
非常に面白いことだと思う。
このためには、熱心は参加者、
そしてたゆまない努力を続けられる
指導者あるいは主催者が必要である。
私もやろうとしたが、なかなかうまくいかなかった。
最終的にはメールマガジンだけになった。
しかし、それでもそのメールマガジンでも
長期的に継続すれば、時々反応のメールが来る。
その飽くことのない継続が重要なのだということを
感じさせてくれる本である。

2007年6月24日日曜日

30(315) 桜川ピクニック: 2007.06.24

川端裕人著「桜川ピクニック」
(ISBN4-16-325700-6 C0093)
を読んだ。
川端氏の子育ての連続短編小説である。
父親の育児に対する
さまざまな思いや葛藤が描かれている。
著者の実体験に基づく小説なのであろう。
しかし、私はしっかりとした取材のもとに書かれた
長編小説が好きである。
そのような新しい物語を待ちたいものだ。

29(314) コトの本質: 2007.06.24

松井孝典著「コトの本質」
(ISBN4-06-213664-3 C0095)
を読んだ。
本書は中学・高校の同級生が
松井氏に何回かのインタビューをしたものを
まとめたものだ。
だから重複、不明瞭なところがある。
これは、何度かのインタビューを編集したためだろう。
また、地球科学や松井氏の考えを余り知らないために
インタビューごとに繰り返し説明があったためだろう。
まあ、本人が書いたのではないので
本人のせいではない。
地球科学を知らない人に
松井氏がどのような態度で接するのか
垣間見たような気がする。

2007年6月17日日曜日

28(313)人はなぜ簡単に騙されるのか: 2007.06.17

ゆうきとも著「人はなぜ簡単に騙されるのか」
(ISBN4-10-610196-0 C0211)
を読んだ。
クロースアップマジックを得意とする
プロのマジシャンが書いた本である。
人は条件さん整えられれば
だれでも簡単にだまされということを
マジックや詐欺などを例に書いた本である。
なかなか面白かった。
本当はマジックを見ながら
この話を聞いたら
もっと面白く説得力のあるものになるのだろう。

27(312)てのひらの中の宇宙: 2007.06.17

川端裕人著「てのひらの中の宇宙」
(ISBN4-04-873713-9 C0093)
を読んだ。
短編の連作である。
少々不思議な世界の半紙であったが、
やはり以前の大作と比べると
読み応えが足りない気がする。
このような小説も書けるということなのかもしれないが、
私にとって、川端氏の小説に期待しているものとは違う。
これも少々期待はずれであった。

2007年6月10日日曜日

26(311)みんな一緒にバギーに乗って: 2007.06.10

川端裕人著「みんな一緒にバギーに乗って」
(ISBN4-334-92469-7 C0093)
を読んだ。
新人男性保育師の心の変化と成長をテーマにした
短編連作である。
そこそこ面白かったが、
やはり子供のテーマは灰谷健次郎を読むと
浅く、深みにかける。
それに最近の川端の作品には
圧倒的な取材力がないような気がする。
もっとストーリーの展開と内容とで
読者をひきつける魅力があったのに、
この本にもそれが欠如していた。
残念である。

2007年6月8日金曜日

25(310)地球温暖化は本当か?: 2007.06.08

矢沢潔著「地球温暖化は本当か?」
(ISBN4-7741-3001-X C3004)
を読んだ。
なかなか面白い本であったが、
少々ヒステリックに書かれているところがある。
内容的には私の支持したいものである。
冷静に論理的に書かなければならないが、
どうしても反論には、反証だけを示し、
それの反証で論を論破したとして
自分の論についての不確かさを
無視して話すようなことが気になった。
反論を示せば、対案を論理的に示し、
どうすればいいのか、いままでの論において
無視すべきでない成果もあるはずだから、
全否定ではなく、成果を取り入れようにすべきである。
しかしこれはなかなか難しいことではあるが、
私の同じ立場の論者として注意すべきでことであることに
気づかせてくれた。
相手は大きい集団で、正論、世論となり、
そして行政と結びついている。
心して向かわなければならない。

2007年6月2日土曜日

24(309)銀河のワールドカップ: 2007.06.02

川端裕人著「銀河のワールドカップ」
(ISDN4-08-774807-3 C0093)
を読んだ。
川端氏の本にしては、深くなかった。
彼がサッカーがすきなのは知っている。
今までの彼の小説からすると明らかに
レベルが低い。
彼の小説は圧倒的な取材とデータにもとづいて
構築される新しいシナリオ、意表をつく展開が
売り物のはずである。
なのにこの小説は、深くない。
残念である。

2007年6月1日金曜日

23(308)フィールドロジー: 2007.06.01

今村遼平著「フィールドロジー」
(ISBN4-485-30016-1 C3044)
を読んだ
フィールドロジーとは著者の造語で
現場の知というべきものである。
現場での見方・考え方という副題が示しているように
野外研究者、技術者に対する教科書である。
非常に興味深い本であった。
地質学の野外調査が重要性を
様々な局面それも哲学的に深く掘り下げている。
冗長な部分も多数あったが面白い本であった。
そして学ぶべきことが多数あった。
ただ、これは教科書ではあるが、
野外を多数経験し、
このようなことを考え悩んだものでないと
理解しにくいものではないだろか。
でも、野外調査の指針として非常に重要なものである。
いくつか誤植があり気になった。