2001年2月23日金曜日

10 ●はなの友三

清水深志著「はなの友三 城川町奇譚」(ISBN4-925082-10-8 C0093)
愛媛県東宇和郡城川町を舞台にした小説。友三という少年が、城川町の自然の中で成長していく過程が描かれている。城川町出身の著者が描く不思議で面白い世界。公会堂付属の一室を官舎代わり一人で住んでいる風変わりで評判の老女高校教師(友三は戸沢白雲斎と呼ぶ)が勉強について語っている。
「勉強には、一年生の範囲も二年生の範囲も無い。小学生の漢字や大人の漢字がある訳でもない。必要な時に必要な人が、其の必要を満たす為にするのが勉強。必要を満たす以上の勉強が学問。その学問の道へ入るのが初歩の言葉が中学での勉強。平方根は数学の言葉。言葉を覚えなければ話も出来ない」
非常に含蓄のある言葉である。