2001年2月23日金曜日

5 ●深海底の科学

藤岡勘太郎著「深海底の科学 日本列島を潜ってみれば」(ISBN4-14-001814-3 C1344)をやっと読みました。実は著者の藤岡氏とは懇意で、この本も3年ほど前に頂いたものです。本当はもっと早く読んで、どこかの雑誌に書評でも書かなければならなかったのですが、ついつい今になりました。海洋の科学は、技術の進歩が不可欠です。宇宙の科学と同じで、膨大は税金を使います。ですから、国民のコンセンサスを得なければいけない巨大科学の一つです。本書のように一線の研究者が普及書を書くことによって、コンセンサスを形成する大きな力となるはずです。私が一番印象的だったのは、「なぜ深海に潜るのか」という問いに対する藤岡氏の答えが、知的好奇心を満たすために「そこに海があるから」とされたことでした。私もフィールドサイエンスをする研究者の一人として、同じ感想をもっています。