2001年2月23日金曜日

1 ●電脳国文学

漢字文献情報処理研究会編「電脳国文学 インターネットで広がる古典の世界」(ISBN4-87220-041-1)を読んだというより、斜め読みです。
現在の第一水準と第二水準の漢字数の不足は、林望氏のエッセイで読んだことがありました。林氏は、その不足分を自分の工夫で乗り越えていましたが、今や、「今昔文字鏡」を使えば、約9万字の漢字をパソコンで、入力、印刷できるのです。
著作権に抵触しない文献(大部分の古典はそう)がデジタル化されて、インターネットで公開されているという実態があります。あるべき姿なのですが、私が全く知らなかった世界での動きでした。感動しました。
早速、知り合いの山頭火を愛する国文の大学4年生のSさんに紹介しました。彼女はいまどきの女学生ですから、インターネットやE-mailは当たり前の人ですから、それなりの使い方をしていくでしょう。でも、この本の存在は知らなかったようです。
国文学において、私は単なる読者の一人に過ぎませんが、限りなくアナログに見える世界でも、やはり電子化の波は進んでいます。限りなくアナログという見方は、私の偏見でした。国文学だから、という先入観によってみてはいけなかったのです。そういえば、経済学では統計学やカオスを研究するし、農学部林学科で資本論を勉強している友人がいました。
私は、前から、学問もさまざまな分野がクロスオーバーしたり、バックグランドの違う人が別の分野に大いに参入する必要性を、よくいっていたくせに、盲点でした。この本は、そんなことを気付かせてくれるまさに「目から鱗が取れた」一冊でした。