2001年2月23日金曜日

6 ●「旧跡発掘ねつ造」事件を追う

「立花隆サイエンスレポート「旧跡発掘ねつ造」事件を追う」(ISBN4-02-257601-4)というのを読みました。
立花隆氏の知的好奇心とジャーナリストとして相手にこびることなく悪いことは悪いという姿勢は、大いに学ぶところがあります。それと、彼の博識は努力の賜物であるということを著書の各所述べられているので、私も見習うべく努力しています。
新聞で断片的にはこのニュースを読んではいたのですが、この本でまとまった形で事件の全貌を知ることができました。この事件は考古学学界全体に暗い影を投げかけました。それに、ねつ造がおこなわれたのが、ニュースで明らかになった2箇所だけとするのか、それとの藤村氏がかかわった遺跡すべてを黒としてしまうのか、が大きな分かれ目です。2箇所だけとする、被害は最低限ですが、その他の部分では常に灰色という不安が付きまといます。すべて黒とすると、日本の大部分の前期・中期旧石器時代の遺跡は消えていくかもしれません。しかし、日本の考古学の面目復旧にはその程度の覚悟が必要なのかもしれません。これは、他の学界でも起こりうることかもしれません。いやもしかするとどこかで誰かが・・・