2001年2月23日金曜日

15 ●ダーウィン以来

スティーヴン・ジェイ・グールド著「ダーウィン以来-進化論への招待」(ISBN4-15-050196-3 C0145)
自然淘汰の基本
「1 生物には変異がある。そしてその変異は(少なくとも部分的には)その子にうけつがれる。
2 生物は生き残れる以上に多くの子や卵を産む。
3 平均すれば、その環境によって好ましいとされる方向に最も強く変異してる子孫が生き残って繁殖するだろう。したがって、好ましい変異は、自然淘汰によって個体群の中に蓄積されていくだろう。
1、2:否定できない事実、3:そこから導かれる一つの帰結」
常識
「常識は科学上の洞察にとっては非常にへたくそな案内人にすぎない。なぜなら、常識は、裸の王様を前にした小さな子供の生まれつきの正直さを反映するよりも、文化的な偏見を表現していることのほうが多いからである。」
刈り込み原理
「われわれは、生物が多様である理由を考える際に、「刈り込み者(クロッパー)」(植物食であれ動物食であれ)が導入されるとその地域にいる種数は減少してしまう、と予測するのではなかろうか。要するに、もしある動物が以前にはその動物にとって処女地であったところから食物を取りいれるとすれば、彼らはそこの生物の個体数を全体として減少させ、一部の種を完全に除去してしまうにちがいない、と考えるわけである。
(略)刈り込み者はえてして豊富な種を餌食にするものであり、結果として一部の種が独占的に君臨する能力を制限し、他の種のために空間を開放する。(略)適度に刈り込まれた系は最高度に多種多様であり、種数は多いが種の個体数は少ない。言葉をかえていえば、生態系のピラミッドに一つの新しい段階を導入することは、そのすぐ下位の段階を多様化する結果となることが多い。」
人間の大きさ
「人間が現在機能しているように機能するためにはちょうど今のような大きさでなければならない、と、もっと強く論じ主張することができす。(略)人間の技能や行動はうまいぐわいにわれわれの大きさに調和しているのだ。」