2001年2月23日金曜日

34 ●京都帝国大学の挑戦

潮木守一「京都帝国大学の挑戦」(ISBN4-06-159896-3 C0137)
東京帝国大学(以前は単に帝国大学だった)のライバルとして、京都帝国大学は明治13年に、創設された。この本は、法学部(当時は法科大学であった)について述べられている。そして、京都帝国大学の試みは挫折した。しかし、京都帝国大学の目指した教育のあり方は、今日でも通じるものである。
京都帝国大学の目指した教育とは、詰めこみの知識偏重の東京帝国大学式ではなく、考えることを重視した、ゼミや卒論を中心とした教育であった。
この著書では、岡村司の「京都法学会雑誌」に寄せた、次ぎの文章を引用して、
「大学教育の要は、あらゆる材料を教授するに非ずして、難解の理を了解せしむるに在り。学生の記憶力を助長せずして、その判断力を養成するにあり。」「なるべく講義時間を減少して自由研究の余裕を与え、優悠カン養して自修自得せしむるにあり。わが京都法科大学の制度は、実にこの精神にもとづき作られたり。」
京都帝国大学のポリシー示した。